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異世界転生×ユニークスキル 武器使い ありとあらゆる武器を使いこなして無双する!?  作者: 月神世一
武器使いの勇者

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ep 40

魔王城の頂、終焉と再生の序曲

魔王城:最後の戦い

リュウとセーラは、禍々しい邪気に満ちた魔王城の最上階へと続く、長く暗い螺旋階段を、一歩一歩、覚悟を胸に刻むように駆け上がった。階段の終わり、巨大な黒曜石の扉を開け放つと、そこには信じられないほど広大な、しかしどこか歪で不気味な玉座の間が広がっていた。天井は遥か高く、壁には魔界の風景を描いたとおぼしき禍々しいタペストリーが掲げられ、床にはおびただしい数の骸骨が、まるで玉座への貢物のように無造作に積み上げられている。そして、その部屋の中央、血のように赤い絨毯が敷かれた先の、人間の骨を組み合わせて作られたかのような、おぞましい玉座に、全ての元凶である魔王ヴァリウスが、深々と腰を下ろし、まるで芝居の観客でも待つかのように、不気味な笑みを浮かべていた。

「ククク……よくぞ、ここまで辿り着いたな、矮小なる人間どもよ」

魔王は、その地の底から響くような、しかしどこか愉悦の色を滲ませた低い声で言った。その声は、部屋全体の空気を震わせ、リュウとセーラの肌を粟立たせる。

「貴様らのような虫けらが、この私の計画の最後の仕上げを邪魔しに来るとはな。面白い余興だ」

「貴様のその歪んだ好き勝手には、絶対にさせない!」

リュウは、背に負った「ドラゴンスレイヤー」を抜き放ち、その切っ先を魔王に向け、力強く言い放った。

「我々は、貴様をこの場で倒し、この世界に、そして全ての人々に真の平和を取り戻す!」

「平和だと? ククク……アハハハハ! 実に滑稽だな、人間よ!」

魔王は、リュウのその言葉を聞くと、腹の底から湧き上がるかのような、しかしどこまでも冷たく、そして侮蔑に満ちた嘲笑を上げた。

「人間どもは、常に欲望に塗れ、互いを疑い、裏切り、そして永遠に終わることのない愚かで醜い争いを繰り返しているではないか。そんな救いようのない奴らに、平和という甘美な果実を与える価値など、この私には微塵も感じられぬわ」

「黙りなさい、この邪悪なる魔王めが!」

セーラは、魔王のそのあまりにも傲慢で、そして人間性そのものを否定する言葉に、怒りにその美しい顔を歪ませ、普段の彼女からは想像もできないほど厳しい声で怒鳴った。

「人間は、確かに時に愚かで、醜い過ちを犯すこともございます。しかし、それでも、人々は互いを愛し、慈しみ、そして絶望の淵に立たされても、手を取り合って支え合って生きていくことのできる、尊い存在なのです! あなたのような、ただ破壊と絶望だけを振りまく存在に、その高貴な魂の輝きが、万に一つでもお分かりになるというのですか!」

「ふん、所詮はか弱き人間どもの戯言よ」

魔王は、セーラのその魂からの叫びにも、心底つまらなそうに、そして冷ややかに言った。

「貴様らは、どれだけ足掻き、どれだけ虚しい希望を抱こうとも、この絶対的なる私の力の前に、ひれ伏す以外に道はないのだ」

「それは、試してみなければ分からないだろう!」

リュウは、愛用の「ドラゴンスレイヤー」を握る手にさらに力を込め、その切っ先を魔王の心臓へと真っ直ぐに向け直した。

「覚悟は良いか、魔王ヴァリウス! これが、貴様の最後の戦いだ!」

「ククク……いつでも来るが良い、ウェポンズマスター、リュウ。そして聖女セーラよ。貴様らのその矮小な抵抗が、どれほど無意味であるかを、その身をもって教えてやろう」

魔王は、ゆっくりと、しかしその一挙手一投足が世界そのものを揺るがすかのような威圧感を伴って、その骨の玉座から音もなく立ち上がった。

こうして、S級冒険者リュウと聖女セーラ、そしてこの世界の全てを闇に染め上げようとする魔王ヴァリウスの、文字通り世界の命運を賭けた、最後の戦いの火蓋が、今、ここに切って落とされた。

多様な武器を駆使したリュウの猛攻

リュウは、まず最初に、その手に握る巨大な両手剣「ドラゴンスレイヤー」の圧倒的な質量と破壊力を活かし、魔王ヴァリウスの巨体めがけて、雷鳴のような轟音と共に斬りかかった。

しかし、魔王は、その巨体からは想像もできないほどの俊敏さで、リュウの渾身の一撃を、まるで柳に風と受け流すかのように軽々とかわすと、その指先から、凝縮された暗黒の魔力球を、立て続けにリュウへと放ってきた。

セーラは、即座にリュウの前に聖なる光の障壁を展開し、魔王のその邪悪な魔法に応戦するが、魔王ヴァリウスのその底なしの魔力は、セーラのこれまでのどの敵とも比較にならないほどに強大で、聖なる障壁は一瞬にして砕け散り、セーラ自身もその余波で吹き飛ばされそうになる。

リュウは、両手剣「ドラゴンスレイヤー」の重さが、今の高速戦闘では逆に仇となると瞬時に判断し、それを一旦亜空間へと収納すると、次に腰の両脇に差していた、血染めの戦いを共にしてきた二本の愛用の短剣を抜き放った。

二刀流の短剣は、ウェポンズマスターとしてのリュウの神速の動きと完全に同調し、魔王の鎧の隙間や、関節部分といった、僅かな急所を的確に狙う。

しかし、魔王は、そのリュウの目にも留まらぬ速さの連続攻撃をも、まるで全てを見透かしているかのように、最小限の動きで的確に捌き切ると、今度はその虚空から、禍々しいオーラを放つ巨大な黒鉄の棍棒を、まるで手品のように出現させた。

その棍棒は、風を切り裂く轟音と共に、凄まじい勢いでリュウの頭上めがけて叩き潰そうと迫る。

リュウは、咄嗟に二本の短剣を投げ捨て、今度はその背中に背負っていた、オークリーダーとの戦いで手に入れた、巨大な両刃の戦斧を瞬時に手に取った。

大斧は、その圧倒的な質量と破壊力で、魔王の振り下ろす黒鉄の棍棒の攻撃を、火花を散らしながらも正面から受け止め、逆にその勢いを利用して魔王の巨体を大きく押し返した。

リュウは、その好機を逃さず、大斧をまるで風車のように激しく振り回し、魔王に嵐のような猛攻を仕掛ける。

しかし、魔王は、その巨体にも関わらず、驚くほど巧みな身のこなしと、おそらくは未来予知に近いような能力で、リュウのその荒々しい攻撃の全てを、紙一重で的確にかわしていく。

リュウは、大斧による力押しの攻撃が通用しないと悟ると、一旦距離を取り、大斧を地面に深々と突き刺し、今度はその懐に常に忍ばせている、多種多様な投擲武器を次々と取り出した。

音もなく飛翔する手裏剣、必殺の威力を秘めた投げナイフ、そして変幻自在の軌道を描く鎖鎌……

リュウは、ウェポンズマスターとしての真骨頂である、ありとあらゆる種類の投擲武器を、まるで手品師のように、あるいは千手観音のように駆使し、魔王を前後左右から同時に、そして予測不可能な角度から翻弄する。

しかし、魔王は、そのリュウの神業とも言える投擲技術に対しても、一切動じることなく、その周囲に展開した不可視の魔力障壁で、それら全ての投擲武器を、まるで虫でも払うかのように容易く打ち落としてしまった。

怒涛の連続攻撃、そしてウェポンズマスターの真価

「くっ……! やはり、一筋縄ではいかないか……!」

リュウは、再び両手剣「ドラゴンスレイヤー」をその手に取り、魔王ヴァリウスに向かって、大地を蹴り砕くほどの勢いで突進した。

今度は、これまでの単発的な武器の切り替えとは違う、ウェポンズマスターとしての真の能力を解放した、まさに怒涛の連続攻撃、千変万化の武器のコンビネーションを仕掛ける。

両手剣による重い一撃で魔王の体勢を崩すと同時に、亜空間から瞬時に二本の短剣を召喚し、その鎧の隙間へと嵐のような連続突きを叩き込む。魔王がそれを防御しようとすれば、今度は巨大な戦斧を召喚し、その防御ごと叩き潰す。距離を取ろうとすれば、無数の投擲武器が、まるで生きているかのように魔王を追い詰め、その動きを封じる。

剣、短剣、槍、大斧、メイス、鎖鎌、弓、そして無数の投擲武器……

リュウは、まるで神話の英雄のように、この世に存在するありとあらゆる武器を、その場の状況に応じて瞬時に、そして最適に組み合わせ、流れるような、そして一切の無駄のないコンビネーションで、魔王ヴァリウスを休む間もなく攻め立てる。

魔王もまた、その底なしの魔力と、おそらくは数千年という長きに渡って培ってきたであろう戦闘経験をもって必死に応戦するが、リュウのそのあまりにも変幻自在で、そして予測不可能な猛攻の前に、徐々に、そして確実に押され始めていた。

最後の武器、そして魂の一撃

そして、ついに……その時は来た。

リュウは、これまでの激しい連続攻撃で、魔王ヴァリウスの魔力障壁を完全に破壊し、その巨体に確かなダメージを与えたことを確信すると、一旦大きく距離を取り、そして、彼のウェポンズマスターとしての能力の、最後の、そして最強の切り札とも言える武器を、亜空間からゆっくりと、しかし厳かに取り出した。

それは、かつて彼がまだ一介の冒険者としてアルクスの街で旅を始めたばかりの頃に、今は亡き、しかし生涯忘れることのない恩人である、武器屋「武具の神髄」の老店主、ブルの手によって、リュウのためだけに特別に作ってもらった、一振りの、見た目はシンプルながらも、リュウの魂と完全に同調するかのような、特別な両手剣だった。その剣は、リュウがこれまでに経験してきた全ての戦いの記憶と、仲間たちとの絆、そして何よりもセーラへの深い愛情をその刀身に宿しているかのように、温かく、そして力強い輝きを放っていた。

その特別な両手剣は、リュウの内に秘められたウェポンズマスターとしての魔力を最大限に増幅し、彼の全ての力と想いを、一点に収束させる能力を持っていた。

「これで……! 全てを、終わらせるッ!」

リュウは、その特別な両手剣に、これまでの冒険で出会った全ての人々の想い、仲間たちの絆、そして何よりも愛するセーラの未来への祈りを込め、魔王ヴァリウスに向かって、最後の、そして渾身の一撃を放った。

「喰らええええええええええええええっ! これが俺たちの絆の力だ! 大・光・斬!!」

両手剣から放たれたのは、もはや単なる斬撃ではなかった。それは、リュウと、彼を支える全ての人々の想いが一つになった、世界を浄化するほどの、まばゆいばかりの純粋な光の刃だった。その光の刃が、魔王ヴァリウスのその邪悪な巨体を、まるで太陽が闇を切り裂くかのように、真っ二つに両断した。

魔王ヴァリウスは、断末魔の悲鳴を上げる間もなく、その存在そのものが、聖なる光の中に掻き消えるように、完全に消滅した。

暗黒竜の出現、そして最後の試練

リュウは、その場に両手剣を深々と突き刺し、ぜえぜえと激しく息を切らせた。全身の魔力と体力を完全に使い果たし、もはや立っているのもやっとだった。

セーラは、その光景を涙ながらに見守っていたが、魔王が完全に消滅したのを確認すると、リュウの元へと駆け寄り、その疲弊しきった体を力強く抱きしめた。

「リュウ様……! リュウ様……! やりましたわ……! ついに、魔王を……! 私たちの力で……!」

セーラは、もはや言葉にならないほどの喜びと安堵の涙を、とめどなく流しながら、何度も何度もそう繰り返した。

リュウは、セーラのその温かい抱擁に、ようやく心の底からの安堵を感じながら、力なく、しかし優しく微笑みかけた。

「ああ……! セーラ……お前がいてくれたから……俺は、勝てたんだ……!」

二人は、どちらからともなく互いに強く、そして優しく抱き合い、このあまりにも長く、そして過酷だった戦いの勝利を、言葉なく分かち合った。

しかし、彼らの戦いは、まだ本当に終わってはいなかった。

その時、先ほど魔王ヴァリウスが消滅した、まさにその場所から、まるで地獄の釜が開いたかのように、おびただしい量の、そしてこれまでとは比較にならないほど濃密な黒い瘴気が、おぞましい音と共に溢れ出し始めた。

そして、その黒い瘴気は、まるで意思を持っているかのように、ゆっくりと、しかし確実に、一つの巨大な、そして見覚えのある竜の姿へと、その形を変えていった。

「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!」

天と地を震わせる、絶望的なまでの暗黒竜の咆哮が、魔王城全体に、そしておそらくはアルクスの街全体に響き渡る。

魔王ヴァリウスは、その最後の執念で、自らの魂と魔力を、より強力で、より邪悪な存在、暗黒竜として、この世に再びその姿を現したのだ。そして、その憎悪に燃える双眸は、再びリュウとセーラに、容赦なく襲いかかってきた。

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