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ダンジョン打ち上げ


1日ほど待って全ての生徒が学校へと戻ってきたという知らせが届いた。

そして今俺達は・・


「今回のダンジョン攻略第1位のグループじゃあ」


校長先生が戻ってきた1年全員をホールへと集めて表彰してくれている。まばらの拍手の中紹介された俺達ではあるが、これだけの人数の前で立つのってやっぱり緊張するな。志保もカノもシバサクも表情がこわばっている。


「この子達はもちろん優秀ではあるが、ほかの者たちも精一杯よくがんばった。これは私から君たちへのささやかなプレゼントだ。」


校長先生がそう言って指を鳴らすと椅子とテーブルが出現する。そしてもう一度鳴らすと、テーブルの上には様々な美味しそうな料理が並んでいる。

すげぇ。まさかこれ食っていいってことか。校長先生いい演出するね。


「存分に楽しむがいい」


校長先生の声と同時に打ち上げが開始され、手元には飲み物が入ったコップが出現している。

この人数に正確に手元に転送させるなんて、凄すぎるだろ。

俺達は壇上を降りて、クラスメートの元に行く。

そういや、峯岸と火元から十二真を戻さなきゃ。峯岸たちはどこかな〜

いたいた。誰かと楽しそうに話してやがる。近寄るとその相手が木下さんだと分かった。ありゃ峯岸のやつちゃっかりやってんな。これは邪魔しちゃ悪いな。両方に対して。消失魔法で消えて、峯岸と楽しそうに話す木下さんを見ながら、今日も可愛いのを確認し癒やされたのち峯岸の肩に軽く手を触れる。


『エイちゃんありがとね。』


『とんでもございません。』


真叡の加護は回収出来たから次は、ヒノエだな。

火元はどこにいるんだ。木下さんの近くには居ないし、まあ騒がしいやつだからすぐ見つかるだ・・みっけた。オッ、もしかして轟と2人で話してるじゃん。峯岸も轟も積極的だな。ん〜火元の加護はバレてるからこっそり回収ってのは出来ないな。けどここで割って入るのは野暮ってもんだよな。

ん?そう思っていると俺の恋愛センサーが反応した。これは木下さんや火元ではない。これはシバサクだ!周りを見渡すとシバサクが居ない。そしていつもなら男子を交えてゲラゲラ笑ってるカノも居ない。まさかこれは!こうしちゃ居られない。捜さねば。


「ねぇ」


誰だよ、この忙しい時に。俺は早くシバサクたちの元に・・


「木下さん?」


あれ?さっきまで峯岸と話してたのにどうしたんだ。


「今話せる?」


信者としては女神からこのような誘いの言葉をもらえらとは感激だ。だけど、今はあんまり時間がない。女神との会話かシバサクの告白か。今俺は究極の2択を迫られている。


「いや、えっと・・」


「どうなのよ?」


近いんじゃないですかね、木下さん。ずいずいと俺に詰め寄ってくる。思わず両手を上げて後退してしまう。看守と受刑者、犯人と警察官のような追い詰められていく感じだ。


「風間、お前あのメンバーですげぇな。」


追い詰められながら、その間を割って入るように背後から肩を組まれるとそこには峯岸がいた。

峯岸リターンズ。

これはチャンスだ。木下さんを狙っていて2人で楽しく話してることに若干、いやかなり嫌いになってはいるが、今回ばかりは助かった。峯岸を利用しよう。


「だろ。じゃあ、俺行くトコあるから。木下さん、峯岸またな。」


俺は絶妙に峯岸を木下さん側に引き剥がして、木下さんから死角に入った瞬間に俺はダッシュしてその場を去る。

なんの話かはわからないが、信者としてこれ以上女神の迷惑になりたくないし、避けられる会話は避けるべきだ。あとは峯岸がなんとかするだろ。

心が少し痛むけど、俺はシバサクたちの恋の結末を見に行かねば。


ホールから出るとシバサクが他の生徒に絡まれていた。というよりもむしろカノが絡まれたのをシバサクが助けてるって感じだな。

カノのやつはよく軽い女って思われていろんな男子にちょっかい出されてるからな。

シバサクはカノの前に立ってはいるが、これはかなり厳しいかもしれない。相手の男子はかなりの実力者のようで、シバサクよりも戦闘向きで明らかな格上だ。

あちゃ、もらっちゃった。

男子生徒に殴られたシバサクは片膝を付いている。


「助けてあげないの?」


俺より早く来ていたのか、志保はシバサクの光景に動じることなく、俺の横に立っていた。


「そんな野暮出来るかよ。そういうお前は助けないのか?」


シバサクは殴られてはいるけど、しっかりとカノの前に立ち、彼女を守ろうという意志が行動で伝わってくる。


「私は助けるより、助けられたいの。お姫様だから」


「さいですか」


「どう考えても芝くんじゃ勝てないと思うよ。相手2人だし」


「けど、アイツはカノの為に戦ってる。ああいう強さは俺にはないからすげぇと思うよ」


果たして俺に格上相手にして誰かを守ろうと思ったり、守りきれるのか不安ではあるが、シバサクからはそんな不安はなく、守るという強い意志が感じられ、素直に凄いと思える。たしかに実力では俺が遥か上だろうけど、こういう強さは素直に羨ましい。


「楓ちゃんも強いとおもうけど」


「そりゃ魔力が強いからそう思うだけさ。それに強すぎる力には代償がつきものだ」


「代償って?」


「お前は知らなくてもいいの。とにかく明らかに勝てない、格上相手に女守れるなんてシバサクはかっこいいよ。」


「楓ちゃんにはできないの?」


「どうだかな。経験はないし、自信もないかな」


「火元さんに聞いてみるといいよ。」


「何を?」


「守れるかどうか」


「なんで火元なんだよ。」


「楓ちゃんはさ。木下さんのことが好きな割にはいつも火元さんの近くにいるよね 」


「そう言えば、そうだな。まあ席隣だから自然とそうなるだろ」


俺の答えに志保は何も答えなかった。この沈黙にどんな意味があるのか、俺にはよくわからなかったが、志保の表情から察するになにか意味があるのだろう。

このまま志保が何かを話すまで待っててもいいが、シバサクがそろそろヤバそうなので・・


「さて、ちょっとお仕置きしてくるわ」


俺は転移で、男子生徒2人を拉致して屋上に連れていく。

何が起こったのかわからない感じで慌てる2人を見て、シバサクにやった分をしっかりお返しときますよ。一礼してから2人の頭を鷲掴みにする。

【真闇魔法 悪夢の檻】

この魔法は1時間ほどずっと悪夢を見続ける魔法で、精神が崩壊したり、気を失わいように絶妙な調整がされているお仕置きとして最強とも言える魔法だ。もちろん1秒で精神崩壊させることも出来るが、それだとお仕置きにならないので今回はお仕置き仕様に調整しておいた。

苦しみながら倒れる2人を見て満足したし、シバサクの所に転移で戻るか。



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