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真実の質問2

「続いて第3問。芝優作の好きな女性のタイプはどんな子?回答者は芝優作」


おおっと今回も思春期男子には答えにくいシリーズの質問だな。まさか、好きな女の前で好きなタイプを話すことになるとは。シバサク持ってるな。

シバサクの好きなタイプはカノに照らし合わせるとギャルで陽キャで金髪とかかな。


「おしとやかで、大人しくて、メガネかけてて、昼休みは読書してるような子。」


全然カノに当てはまらないじゃねぇかよ。かすりもしてないぞ。むしろ正反対なんじゃないかと思えるほど当てはまらないじゃん。シバサク、まさかこの空気に耐えかねて嘘をついてしまったのか。いや、この質問に関しては仕方ない。好きな女の前で、真実を口にするのはかなり勇気がいることだ。シバサク、俺はお前を攻めたりしないからな。


「真実。芝優作クリア。」


真実なのかよ。志保もまさかのカノも驚いている。当のシバサクは顔を真っ赤にして下を向いている。耳まで赤い。これはガチっぽいな。マジか。なんであの好きなタイプから、カノなんだ?マジ恋はミステリー。

さて人を茶化してはいるが最後は俺だよな。

どんなブーメランな質問が飛んでくることやら。


「最終問題。風間楓斗は学校を去るのはいつ?回答者は風間楓斗」


なるほど。そういう系の質問ね。好きなものとか好きなタイプとか聞くくせに、ホント全てを見透かされてる感じが怖いわ。けどいつ?いつだろう。ハロウィンは超えられるけど、クリスマスは厳しいかな。まぁどっちにしても・・


「冬・・かな」


「「「えっ?」」」


「真実。」


俺の答えに3人が驚いたことに驚いたけど、冬って答えたことが真実だと言われたことに安堵とショックは拭えない。これが本当に真実を答えてくれているのかはわからないが、やっぱり思うところはあるよね。


「卒業って普通春だろ。」


「アーシもそう思う」


「アンタバカ?」


口々に俺の回答への不満が飛んでくる。

みんな卒業だと思ったから驚いたのか。驚いた理由が分かったよ。


「俺が冬だと思ったら、それが真実ってことだよ。」


「そうなの?」


疑うような目で志保が見てくる。もしかして俺が卒業以外の意味で答えたのバレたかな。


「これが真実って言ったんだから、そうなんじゃねぇの。」


俺は真実の質問をしてきた不釣り合いな銅像を指差す。志保はまだ不満なのかブツブツと文句を言っているが、それ以上は答えられない。


「んで、出口どこなんだろうな」


『真実を答えし者に帰り道を示そう。』


また不思議と心に声が届く。なんかこの方法って十二真と話してるみたいな感じですげぇ違和感あるんだよな。

そう思っていると、不釣り合いな銅像が崩れ、学校へと繋がる異空間ホールが現れる。


「ここに入れってことかな?」


3人を見るも、正直分かりませんというのが手に取るようにわかる。


『違う。入るのではない。』


違うのかよ。じゃあなんなんだよ、この異空間は?

と盛大に心の中で声に向かって反論する。


『入るのではない。我がお前らを入れるのじゃぁぁぁぁあ』


「なっ!」


「うわぁ」


「「きゃーー」」


異空間が突如広がり、いきなりものすごい突風が吹き荒れたように体が浮き、一気に異空間に吸い込まれる。おいおい、なんなんだよ。これ!

異空間をぐるぐると巡るように回され、まるで洗濯物の気分になったかのように右に左に回される。

これっていったいなんなんだよ。


『到着。』


「よっと」


「ぐぇ」


「ひゃん」


「きゃ」


俺は10点満点の着地を披露したが、残念ながらオーディエンスは先生が1人だけ。後ろを振り返るとシバサクの上にカノと志保が乗っかっている。着地失敗したとは言え、なかなかいい姿勢だな、シバサク。ちゃっかりお前の頭がカノの胸に落下してるじゃねぇか。こいつまさか狙ってやったのか。


「まさか、本当に生きて帰ってくるとはね。」


「こんなダンジョン楽勝ですよ。」


「おめでとう。あなたたちは2位よ。」


「マジかよ~」


「「マジで、すげぇ」」


先生からの報告を聞いたシバサクとカノは喜んでいる。くそ、2位ってことは翔吾たちに負けたのかよ。セレナさんにも負けて翔吾にも負けてダンジョン帰宅そうそうに2連敗。


「悔しそうね、風間くん。」


「そりゃまあ1位狙ってましたから。」


「彼女たちは全員特別だったっていうから仕方ないわよ。」


彼女たち?あれ?翔吾たちの班には男子しか居なかったハズだけど?


「私の教え子が歴代2位なんて、先生は嬉しいわ」


「待って、先生。2位って歴代ってこと?」


「そうよ」


待て待て、歴代2位。つまり今回2位じゃないってことか。つまり、俺らのゴールタイムが2位ってことは・・


「じゃあ今回のダンジョン攻略順位は?」


「1位よ。」 


ですよね。つまり翔吾たちよりも俺達の方が早い。つまり賭けは俺の勝ちってことだよな。


「よっしゃーーーー」


喜びを共有するようにシバサク、志保、カノとハイタッチをして軽くハグする。

今回は勝てるかどうか正直不安だったんだよな。


「シバサク、志保、カノたちのおかげだよ。ありがとな。」


「みんなの勝利だな。」


「アーシ的には、最強グループ誕生させちゃった感じじゃない」


「奴隷ゲットだぜ」


なんか志保だけ不気味なこと言ってるけど、シバサクもカノも志保も安堵と喜びに満ち溢れた最高の笑顔をしている。こいつらと組んで良かった。火元と木下さんと組まなかったことを後悔していないといえば嘘になるが、この充実感や達成感、志保たちの笑顔はその後悔を打ち消すには十分過ぎる喜びを俺の胸に与えてくれる。

そして、志保が言った通り、翔吾は志保の奴隷となる。ケッケッケッ、アイツが戻ってくるのが今から楽しみだぜ。


その後俺達はシャワーや食事、仮眠などを取って全員がゴールもしくはリタイアするまで待った。




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