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シャボン玉弾けた


県立鮮明魔法高校に今日から俺は入学する。

この学校は、けっこう偏差値の高い県内では屈指の実力高だ。

そんな高校に、学力魔力の平凡な俺が無事に入学した。俺、めっちゃ頑張ったよ、偉いと褒めたたえる。夢にまで見た楽しいスクールライフと青春を夢見て、現実を忘れるくらいの恋をするために。頑張ったんだ。俺の恋愛ライフがはじまる。ようやくあの人と同じ学校に通える。



春先の澄んだ空に木々の隙間から太陽の光が差し込んでいる。多くの鮮明高校の生徒たちが通学路であるこの道を歩いている。

俺はその道で意中の想い人である、黄色いセミロングの髪をかき分けて歩く木下朝姫を見つけて走り出した。

風魔法【疾走】

一気に朝姫との距離を詰めて肩を叩く。


「朝姫、おはよう。会えるなんて偶然だな。今日は超いい日じゃん。一緒に学校行こう」


「嫌よ、毎日毎日付きまとわないで。離れて歩きなさい。」


朝姫は足早に歩いて行く。ここで離されてたまるものかと俺は朝姫を追いかける。朝姫は誰もが認めてる美少女で、今は険しい顔をしているけど

、そんな顔もまた可愛くて大好きだ。

俺は朝姫に中学の時にあった学校見学で出会い、彼女がこの学校に入学することを知って猛勉強&修行の末合格した。

勉強と修行では何度も死にそうになったけど、恋の力は無敵になれるようだ。そして合格したその日に告白し、秒殺でフラレた。しかしそれで俺の恋の火は消えなかった。むしろ更に激しく燃え上り、朝姫へのアプローチをし続けた。そしてそのアプローチは絶賛今も継続中である。このアプローチに効果があるかどうかは分からないが、今の所52回告白して全敗している。22回目の時は返事まで8秒ほどのタイムラグがあったので、これはと期待したが駄目だった。他は3秒以内には断られている。


「朝姫、好きだ。俺と付き合ってくれ」


「嫌よ。」


今朝も53回目の告白に敗北した。


「いつになったらオッケーしてくれるんだよ」


「いつになっても嫌よ。いい加減にしてよね」


「マジか」


何度告白しても、毎回マジで告白してるから少し凹むぜ。朝の挨拶のように交わされる。朝姫はそんな俺を気にする様子もなく速歩きで歩いていく。


「待てよ、あさ・・」


朝姫を追いかけようとした矢先眼の前にシャボン玉がふわふわと飛んでくる。その数は10や20を超えている。シャボン玉が太陽の光に反射してキラキラと輝く、その先には朝姫がこちらを向いている。その姿は神々しささえ感じさせる。祈りたい気分だ。


「なんて映える姿なんだ。おわっ」


朝姫に見惚れていたことで、突然シャボン玉が弾けて消えたことに驚き尻もちをついてしまった。


「大丈夫なの?」


驚いた様子の朝姫が俺のもとへと駆け寄ってくる。心配してくれるその顔もやっぱり可愛い・・あれ?


「ああ」


「シャボン玉なんかに驚き過ぎなのよ。」


睨みつけるように俺を見下ろした朝姫は足早に歩いていった。

さっき、朝姫の俺を心配してくれてた顔・・確かに可愛かった。けどなんだろう?この感じ?何か可愛い以上の何かが出てこない。ん〜なんか違和感というか俺変になっちゃったのか?

まさか、さっきのシャボン玉に幻術魔法が仕込まれてたとか?

俺は魔力を操作する。いつも通り操作出来る。

魔法で手のひらに水を出して顔を洗う。水は冷たい。やっぱり幻術魔法ではないようだけど、さっきまでと何かが違う。なんなんだ?





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