とある従者の日記(2-8時点)
4月28日
母さんから《しごと》をしろと言われた。
せからしか、といってウシのちちしぼりにもどったらアタマをなぐられた。
5月1日
しかたないから《しごと》についた。
おひめサマのそばやく?らしい。
よくわからない。
ソバ食べれんのかな。
5月2日
あれはやばい。
5月3日
何とかしないとあの子こわれる。
とにかくあのカンソウしきったメンみたいな顔をほぐさないと。
5月4日
ソバはだめだった。
次はさら回しでもしてみよう。
5月5日
好きなものすらききだせない。
でも、へんがおしたら笑ってくれた。
5月6日
名前くらい呼んでほしい。
こっちが呼んだらたしか…ふけいざい?でしょっ引かれるかな…
5月7日
だれもあのおひめサマの好きなもの知らないんだけど。どうなってんだココ。
使用人もほとんど近よらないし。
たまにゆでタマゴみたいな大臣と、
やせ細ったニンジンみたいなジジイがエラそうに押しかけてくるのがめんどうくさい。
5月8日
妹いるのかよ。
王妃サマも王サマも妹にはあまいのな。
5月9日
イミわからん。なんだこのたいぐう?の差。
なんでジュリアが怒られないといけないんだ。
もっと言い返せばいいのに。
5月10日
あの子第一王女なんだよな…?え、ちがう?
5月11日
間違いなく正妃の子。というか、ヤバいことまで知ってしまった。
明日消されたらどうしよう。
5月12日
首つながった。ジュリアさま最高。
やっとまともに声聞けた。きれいな声。
3月21日
ジュリアの肌つやが良くなってきた。
この調子でガンガン健康になって笑ってほしい。
こんなとこに閉じ込められてていい人じゃない。
6月25日
妹姫様もやっぱり蕎麦はダメ、あと辛い系もダメ。
好きなものがジュリアに似てる。さすが姉妹。
蕎麦はまた改良しよう。
7月2日
愛称を呼んでもらえた!
最近は元老院のジジイを言いくるめて外出禁止が緩くなった。
お忍びで窮屈だけど、それでもあの鳥籠から出られるだけマシ。
8月19日
コッソリ作っていたバラ園が完成!
喜んでもらえたようで何より。
姫様には笑顔が一番似合う。
9月11日
歳そんなに変わらないよな…なんだあの成長…メロンかよ…
私は…駄目だ、母さんも姉ちゃんもみんなまな板だ。
5月1日
あれからもう数年。随分と長い付き合いになったものだ。
主従の誓いを改めてしたあの日から、久しくジュリアと呼べていないのが
少しだけ寂しい。
それでもいい。ずっとお傍に。姫様の幸せのためなら、私は何だってする。
5月5日
何故、何故、彼女の運命はこうも残酷なんだ。
彼女が何をしたっていうんだ。
ジュリアはほんの少し堅物で、不器用だけど、優しくて賢くて、痛みを知りすぎたエルフだ。
もう、いいだろう。
これ以上、私の主を傷つけないでくれ。
自由がないのはどうしようもない。だからこそ、せめて、笑って暮らしてほしいんだ。
2月10日
セントレードが堕ちたらしい。
いま世界中で何が起こっているんだ…?
姫様に危害が及ばないよう、警備を倍にしよう。
3月3日
神は姫様から生きがいすらも奪うのか。
これからこの国を姫様が変えるんだと、その矢先に。
元老院のジジイが軒並み病にかかったのは腹の底から愉快だった。
さて、これからどうしますかねえ。
3月4日
エデンに隠されている秘宝を探すことに。
馬が無事でよかった。道中気を付けないと。
母さん、姉ちゃんたち、兄ちゃん、じっちゃんばっちゃん、
いってくるよ。
3月5日
エデン到着。
この町には蕎麦がない。絶望した。
3月6日
あのアホ毛を信用していいのか…?
頭が足りていなさそうだから、案内役と肉盾くらいにはなるか。
3月7日
ここにも来た。
だが杖は手に入れた。
3月8日
ポニテが起きない。
にしてもこの国の民は生にどん欲だ。
いや、人間が生に貪欲なのか?
エルフの私らからしてみれば、悪あがきにしか見えないな。
みんな世界樹に還るだけだというのに。
3月9日
まーだポニテは惰眠を貪っている。
姫様の精神状態は不安定。食べれば多少マシ。
人間は信用ならないし、裏手に見える果樹園からいくつか拝借。
一応、ポニテの分も貯蓄用と一緒に置いておこう。
3月10日
エデン沈黙。
でもアポニテのおかげで何とかなりそうだ。
コイツの杖で国の再建をして、姫様が女王となる。
そしてクソッたれナスビ野郎に引導を渡してやる。
3月11日
カロラ到着。
財布に名前入れたのは兄ちゃんだな…。
カロラも名を連ねる。
この御一行様、どんどん仰々しいメンツになっていくな…。
一般人の肩身が狭い。
とりあえず王族を守れるのは私かポニテだけだし、準備運動は欠かさずにやっておこう。




