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或る気まぐれの通り径

金縛りって、あります?

私は時々あります。


私のも色々バリエーションがあるのですが、他の人も色々な金縛りがあるみたいですね?


 真夜中ふと目が覚めた。窓は開いており、カーテンは風で揺れていた。


 カーテンの揺れに合わせて、月明かりが部屋を照らす。



(何時だろ?)


 青年は時計兼目覚ましを担う携帯を見ようと身を捩る…


(!?)



 体を動かそうとも動かない!


(!!?)


 声も出ない。


(金縛り…か?)


 周囲の音はよく聞こえるようで、外では夜中だというのにホトトギスが鳴いている。遠くを走るバイクの音、階下の住人がトイレに行く生活音まで拾うが、体は動かない。


(落ち着け自分…)


 呼吸は出来るが若干重たく感じる。足の指先が少し、手のひらが震える程動いた。声を出そうとしても吐き出す息が止まる。呼吸は出来るのに…。

 夜中に近所迷惑だと思う程大声を出そうとするが、吐き出せない。声を諦めるとゆっくりと吐き出せた。


(さっきの瞬間金縛りが解けたらうるさかったろうな…)


 なんとなくそんな事を考えていると、急に空気が変わった。


(何だ!?)


 急に背中に走る悪寒と同時に、頭の向こう…枕元"何か居る”気配がする…


(怖い…が、何が居るのか見たい…)


 恐怖心より好奇心が勝ると、青年は全力で起き上がろうと、首を向けようと足掻く。


(うご…っけよ…この…!)


 全く動かず、嫌な汗が噴き出る。

 仕方なく諦めようとした時、カーテンが一気に煽られたかと思うと…



(っ!!!?っっ???!!?)


 体の上を夥しい数の何かが踏んで通っているような、しかし重さというよりも”小動物の脚が身体に少し浸透している”ような…それが夥しい数で一気に駆け抜ける。

 青年の部屋の窓から窓へ"何かの群れ”が通り過ぎて行った。




 気が付くと、青年は起き上がっていた。呼吸は荒く汗にまみれ、恐怖に心臓が暴れている。

 動く体を確認するかのように無意識に手を開いて閉じてと繰り返す。枕元の気配も無く、新聞配達員であろうバイクの音が聞こえてきた…

これ、偶々何かが通っただけみたいなお話。


「窓、2箇所開いてて良かったね?通り抜け出来なかったら…」的な事を…



金縛り、類似品でもまたそのうちに…

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