ことの始まりは
「シンこのクエストなんかどうでしょうか?」
そう言ってギルドの掲示板に貼ってあった張り紙に指を指す。
「採取クエストか確かに弱小パーティーの俺たちにはお似合いかもな、報酬も討伐クエストほどではないみたいだけど2人分の宿代くらいは稼げそうだ。」
そう言ってギルドの掲示板に貼ってある採取クエストの依頼の紙を剥がしカウンターへ持っていく。
「あの〜これお願いします。」
「はい、採取クエストですね。このクエストに必要な物がるのでしたらそこを右に曲がったところに準備室がありますのでお好きにお使いください」
そう言ってクエストの紙を受けっとてくれた。
「よし!とりあえず採取クエストなんだ袋か何かは持っていこう」
「エミリーじゃないかクエストに行くのか?」
準備室にいたのは同じ冒険者のクレアだった。
こいつは俺のパーティーメンバーのエミリーの親友だ。
なんでもエミリーがトロールに襲われ死ぬ寸前に助けてくれたそうだ。
トロールを倒せるだけあってかなりの実力者、
パーティーに入ってくれればかなり助かるのだがこいつはソロで討伐を行っているらしい。
色々あってこいつにはお世話になっている。
「あ、クレアちゃんまた一人でクエストなんて大丈夫なんですか?いくら強いとはいえ私としてはどこかのパーティーに入ってくれれば安心できるのですが」
クレアは一度ドラゴンと一人で戦い血まみれでギルドに帰ってきたということがあった。
もうあのような無茶はしないと言っていたがどこまで本当なのか…。
俺としてもエミリーが悲しむ姿はあまり見たくない。
「エミリー私は大丈夫だから心配するな」
優しい声でエミリーにクレアが言う。
「しかしお前たち採取クエストに行くのか?」
「なんでわかった?」
俺は思わず聞き返す。
「エミリーには悪いがお前たちのパーティーはあまり強いわけでもなかろうまだ討伐は早すぎるそれにその手に持っている袋を見ればわかる。」
なんかムカつくな。
「すごいです!クレアちゃん本当にクレアちゃんは一人で何でも出来ちゃうんですね!」
あまりの驚きにエミリーの声が上ずっている。
「そう見えるか?」
ちょっと暗くなった顔に俺は何か違和感を感じた。
「ま、まあ俺たちはこのへんで…」
俺がこの変な空気から逃げるように言うと。
「おいそのクエストの場所…たしか近くにエンシェントドラゴン生息していて王国軍が討伐しようと動いていたはずだ、王国軍の旗が見えたらすぐにその場から離れるんだぞ。」
マジかよ。
「本当ですか?!心得ておきますね!」
「忠告ありがとさん気よつけるよ」
そう言って俺たちは準備室で袋を貸し出してもらい採取クエストへと足を運んだ。
「この採取クエストヒールフラワー1本につき10ゼルか、まあそこそこいいクエストじゃないかクレアの言っていた何とかドラゴンには気よつけてさっさと終わらせようぜ。」
このヒールフラワーは魔導植物の一種で、ここ近辺に多くある。
こいつを手で強く握ると出る液体が回復効果をもっている。
切り傷程度の物なら瞬時に完治できる優れものだ。
配合などをして回復力を上げる方法もあるみたいだ。
俺もこいつにはお世話になったものだ。
このクエストはどこかの冒険者が依頼したものだろう。
数十分後
「シンどれくらい集まった?」
疲れたような声でエミリーが言ってきた。
「20本程度だな」
これでも頑張ったほうだ。
「私はまだ12本です。これほどまでに取れないものなのでしょうか?」
確かに比較的にあまりレアではないはず…
「ハッ!」
思わず声に出る。
「まさかクレアの言っていた何とかドラゴンのせいじゃないか?王国が動いているんだ、このドラゴンのせいでこの辺りの生態系が変わりつつあるのかも知れない。」
そうだとするとこの辺にあるものはすべて取ったし…
「仕方ありません筋力増加魔法をかけますのであの丘の辺りにまだ残っていると思います。とってきてください。」
なぜ俺なんだ?とつっこみたいが相当疲れているのだろうここは黙っておこう。
「わかったよその代わり今日一の頼むな!」
「了解しました行きますよエナジー!」
力が確かにみなぎっている。
これなら行ける!
数分後…
「チクショーなんでこんなにも無いんだよ」
力がましたのはいいのだが無いのだ。
そうヒールフラワーが、確かにこれで宿代は確保できた。
しかし明日も同じクエストができるわけではない。
なんだかんだ言っても悪くはないクエスト。
明日の分も稼いでおきたい。
「まあそんなときもあります。もうすぐ日が暮れますギルドに戻りましょう」
俺を慰めるように言ってくる。
「クソッたれぇぇ」
そう言いながら俺は近くにあった石ころを王国の国旗が見えた方向に思いっきり投げ飛ばした。
「あ〜いけませんよ今あなたには私がかけた魔法がまだかかっています。もし人にでもあたったら…」
「大丈夫だって俺が投げたのはドラゴンの方だから、むしろ国に貢献してるんだ褒めてほしいね。」
そう言って屁理屈を言って笑っている俺を見てエミリーが少し怒っている。
「結局どれくらい集まったんだ?ふんっ!?」
「どうしたのです?」
あれ、おかしい絶対おかしい
「シンおーいシン行きましょってまさか…」
俺の手を引っ張ろうとしたとき俺が何に驚いているのか悟ったようだ。
そう俺の所持数を見るためステータスを見たらすべての項目がカンストしていた。
力、知識、素早さ、魔力、幸運、そしてレベル。
これもしかしてもしかするのか。
「まさかシンが投げた石がドラゴンにあたりたまたまドラゴンを倒したのですか?そんなこと信じられません」
「でも見ろよお前のステータスもカンストしてるぞ!」
「ほ、本当なんですか?本当の本当なんですか?」
俺たちは一瞬黙り込むと。
「「いやったぁぁぁ!」」
二人して大喜びした。