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4 - 19.『Promotion War - X』

4-19.『昇格戦 10』


大変遅くなりました。

予定の1時間40分ちょっと遅れです

申し訳ございません。

「さて、昇格戦の話だけど昇格戦は形式が変わって次が最後になる。」


 そう告げるリルゲア先生を見て、僕達は固まった。


「それはどういう事ですか……?」


 どうにかヨルクスが持ち直して質問をした。リルゲア先生は淡々と繰り返す。


「そのままだよ。昇格戦は次で終わりだ。」

「それだと実質、僕達がAクラスへ上がることは不可能になるじゃないですか!」


 4期生までは4回の昇格戦と栄転戦と、5期生は4回の昇格戦と3回の栄転戦で全て勝てばJクラスでもAクラスに勝ちあがる事が出来る。しかし、昇格戦が中断したり、そもそも開催されないことになればAクラスへ上がる機会すら奪われることになってしまう。


「……君達、何か勘違いしているようだけど、昇格戦で君達が〈J-1〉へ勝ち上がる機会がなくなったわけじゃないよ?」


 リルゲア先生の発言に一同はまた沈黙する。


「えっとそれはどういうことなんですか?」

「君達はまず話を聞こうか。」

『……』

「取り敢えず私の話を最後まで聞いてほしい。昇格戦が開催されなくなったのは栄転戦を開催するためだよ。この流れで行くと、栄転戦が行う時間が無くなってしまう、という事で半分まで終わっている昇格戦を終わらせることにしたんだ。残りの昇格戦の数は9回。それを1回の昇格戦で行うことになる。」

「それはある意味では僕達に有利な戦いになる……?」

「ロムス君の考え方は正解だ。今まではしっかりと相手しないといけなかった試合が漁夫の利のような行為や協力行為も可能となる。」

「試合の幅が広がるという事ですね。」

「それすげえじゃねえか!」

「その通りだ、スナート君。だからこそ私もJクラスの担任の1人として賛成したんだ。」

「1番重要なのはどのクラスも1位、〈J-1〉を狙っているという事だ。その為には1番強敵から倒すのが定石。」

「みんなが協力して〈J-1〉を倒す状況になるという事?」

「正解。だから僕達だけが積極的にようなことをすれば狙われてしまう。最初は様子見するのが良いかもしれない。」


 ほぼ毎日のように続いていた昇格戦のせいで疲労がたまっていた僕達は、その状況に喜んでいた。しかし、上位クラスにとっては誤算であろうが。この機会を逃すわけにはいかない。


「さて、その最後の昇格戦だけど、時期は今日だ。栄転戦の開催予定が来週になったことで昇格戦も開催時期を遅らせる事が出来なくなったんだ。」

「つまり今から10クラスの集団戦の作戦が必要と……。」

「先生、今回の対戦形式は……?」

「今回はルールが無い。昇格戦全体の禁足事項のみが適応されるだけだ。」

「フィールドは?」

「摩天楼だよ。」

「あの帝国の噂の摩天楼ですか?」

「ロムス君は知ってるんだね。そうだよ。世界で最も進んでいると言われる帝国のある都市を模してできたフィールドだ。高層の建物が立ち並ぶから全体的に街が薄暗くて、主戦場は街中と路地になる。クラス数が半分になると建物内も移動可能になるけど、フィールド自体が半分になる設定だ。」

「複雑なフィールドですね。」


 全員出場で巨大なフィールド。そして10クラス。懸念すべき点は多すぎるが……。


「残念なことに昇格戦の作戦を立てる時間はあまりないというのを言っておくよ。試合開始は20分後だ。」

「そんなに早く……!?」

「かなりの長期戦になる可能性があるという事で時間も早められたんだ。」

「それは仕方ないですね。でも20分後という事はもう移動ですよね?」

「そうだね。試合説明とクラス確認もあるから。作戦は移動中に考えるしかない。」


 案外、僕達のクラスに有利なようで作戦を練る時間が無い事で有利ではなくなっている。もう少し時間があれば、他クラスへ協力の要請をすることもできたのだ。


「じゃあ移動しながら作戦を立ててみて。」


 そう言ってリルゲア先生は立ち上がる。僕達も立ち上がった。移動を始めなくてはならない。



 +----------+



「全クラスが所定の開始位置についた。只今より昇格戦〈J-1〉から〈J-10〉全クラスによるクラス戦を開始する!試合開始!」


 僕達は路地裏に居た。全員が同じ場所に居る。


「まずは作戦の確認だ。僕とヨルクスのチームで分かれて、各自移動。敵を見つけた時点で上空へ魔法を発動。合図をしてほしい。ヨルクスは氷系統、僕は雷系統の合図だ。その後すぐに戦闘へ。出来るだけ守りに専念して、隙があれば1人ずつ倒していってほしい。数を減らすだけでも大きい。完全に倒す事はしなくて良い。」


 僕はヨルクスを見る。頷く。僕達はチームに分かれた。僕のチームはリーラとスナート、愉快な4人組のうち2人。ヨルクスのチームはシーナとリーザン、愉快な4人組のうち残りの2人だ。


「じゃあ開始だ。」


 僕達のチームは左、ヨルクスのチームは右の道を進み始めた。

次回更新予定 - 6/8(月)00:00


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7/1より新作連載開始。

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