表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
92/109

4 - 18.『Modification』

4-18.『修正』


昨日の17時の投稿は

諸事情で出来ませんでした

申し訳ございません

「……以上の内容を各生徒に伝えて下さい。」


 朝の定時連絡を終え、教師達はそれぞれの担任をしている教室へと移動する。その1人であるリルゲアも同じように1期生のクラスへと移動していた。


「リルゲア先生のクラスは大変でしょうなぁ」


 何処かからそのような声が聞こえる。リルゲアは勿論聞き覚えのある声だ。〈J-16〉の担任の教師である。要は負け犬の遠吠えをしているのだ。


 リルゲアはそのような輩の事は無視すると決めているが、今回はそうにも行かないようだった。J-16の担任は偶然にもJ-17とJ-19の担任と一緒に居た。いや、これは偶然では無いのかもしれない。


「無視とは悲しいですなぁ。まさか勝ったのは自分のお陰とも言うつもりですかなぁ?」

「そんな事はありません。私のクラスの生徒が頑張ったからです。」

「うむ、そうでしょうなぁ~ リルゲア先生ともあろう御方がまさか自分の力で勝ち上がったなんて言うはずがないですからぁ。」


 言葉を濁らせてはいるが、結局はリルゲアにそのような力は無い、と言いたいのだ。別にそのような態度を取られることにリルゲアは何も感じなかった。


「生徒運が良かっただけの犬教師めが」

「本当、私の生徒は良い子ばかりです。」

「……運が良いだけのガキじゃねえか。」


 3人の教師のうち、1人がこう呟くのが聞こえた。リルゲアは自分に対する暴言などに関しては何とも思わないが、自分のクラスの生徒に対して運で勝ったなどと言うのは流石に看過できなかった。


「そうですね。貴方の努力もしない生徒達に比べると、努力をするという言葉を知っていて行動できる脳無しでは無い生徒しか居ないので、その点では運が良かったのかもしれませんね。たまたま努力という行為が出来る子達なので。」


 息継ぎもせずに捲し立てられた言葉の数々に教師達は怯むが、負け犬の根性なのかそこで引くような事はしなかった。


「てめぇ!」


 手が出ていた。教師の殴打をリルゲアは無詠唱で止める。【物理障壁】だ。リルゲアと3人の教師を阻む【物理障壁】は、実力の差を具現化しているかのようである。


「一生そこに居たら良いんじゃないですか?」


 発動している【物理障壁】を調整して、3人の教師を囲うように張り直した。それを放置したまま、リルゲアは歩き出す。その時、後方から足音が聞こえてきた。リルゲアはまた他の教師かと思ったが、近付いてきたのは自分のクラスの生徒だった。


「リルゲア先生、おはようございます。」

「おはよう……ロムス君。今日は早いんだね。」

「清々しい朝だったので走って来たんです。それよりも面白い見世物があったんですけど、あれは先生が?」

「ロムス君、流石に見世物は言い過ぎだよ。動物園ぐらい程度じゃないと。」

「……やっばり先生は性格が悪いですよね。」

「それを知っているのはごく僅かだけどね。」


 リルゲアとロムスは笑い合う。まるで悪友のような関係である。ロムスは思い出したように付け加えた。


「そういえばたまたま学院長室に行って、たまたま持っていた撮影機で、たまたま撮影した映像を、たまたま流したんですよね。」

「ロムス君の周りはいつも奇想天外だね。」

「たまたまって怖いですね。そうしたら何故か学院長がそれを見て、何故か僕に道案内を頼んできて、何故か案内してしまったんですよね。」

「ロムス君の周りはいつも天文学的確率が飛び交ってるね。」

「何故か起こる事って怖いですね。そして多分【物理障壁】が解除されて、多分3人が学院長に連れられて、多分辞めさせられているんですよね。」

「まあ実際に見ていないからね。」

「でもこれから全部起こる事です。それでは、また。」

「うん、教室には早く来るんだよ。」

「遅れないように頑張ります。」


 これからすることを丁寧に話していたが、リルゲアは止めるつもりは無かった。リルゲアは性格が悪いから仕方ないのである。


 しばらく歩くと後方で大きな声が聞こえた。リルゲアはまるで他人事のようにそれを聞いても何も思う事はなかった。



 +----------+



「ロムス君、遅刻だよ。」


 リルゲア先生のいざこざで間に合わなくなってしまった。悪いのは歩くのが遅かった学院長だから僕は関係ない。


「次は気を付けると思います。」

「じゃあ次から遅れる事にロムス君だけ昇格戦に不利なルールを設けることにするよ。」

「以後、このような事が無いよう全身全霊、規則正しい生活と学院への正しい経路の歩行をするように気を付け、また学院内の遊歩を行わないように最大限の善処を致します。この度は本当に申し訳ございませんでした。」


 綺麗な90度を身体で描く。スナート達は爆笑していた。よし次からスナートにはキツいことをさせよう。


「それで結構。席に着きたまえ。」


 いつもと同じ席に座る。ヨルクスも笑っていた。リーラや愉快な5人組改め、愉快な4人組 with リーザンも笑っている。全員大変な事させてやろうか。こればかりは僕も我慢できなかった。何処かで辛い事させてやる……


 そう心の中で決める僕と笑うクラスメイトにリルゲア先生が告げた。


「さて、昇格戦の話だけど昇格戦は形式が変わって次が最後になる。」

次回更新 - 6月7日(日)17:00予定


高評価、ブックマーク登録お願いします!

執筆する際の大きな励みになっています!


7月1日よりれる新作を連載開始します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ