4 - 7.『Promotion War - II』
4-7.『昇格戦 2』
80話を超えました。
作品はまだ続くのでゆっくりですが
続けていきます。
これからもよろしくお願いします。
修練室へ入る。既に〈J-20〉のみんなは揃っていた。作戦会議は終わっている。
「あいつらはまだ来てないんだな」
スナートが言うのは〈J-19〉の事だろう。教師を始め、誰一人として来ていない。重役出勤にも程がある。これから負けると言うのに。
「……ん? ああ、来たみたいだよ。」
僕たちは修練室の扉を見た。開かれる。見覚えのあるような無いような、いやほぼ無い人達がいた。多分、J-19だろう。他のクラスメイトの反応を見るに、それは正しいようだ。
「底辺でも早く来ることは出来るんだな! ガハハ!」
ふざけているとしか思えない笑い声に呆れるが、反応するだけ無駄であるため、無表情で一部始終を見ることにした。
「さてさて~ 今からやられる雑魚どもはどうしてるかな~」
「リルゲア先生、すぐに試合を始めましょう。時間が無いです。」
「そうだね。時間が押しています! J-19の皆さんも試合の準備をしてください!」
「なっ! 話の途中で!」
「話がしたいなら昇格戦が終わってからでいくらでもして良いですから。」
「……それなら良いけどさ。はぁ、雑魚は揃いも揃って焦ってやがるなあ」
そんな小物感丸出しの言葉遣い辞めれば、全然普通に見えるのになぁ。可哀想に。哀れな視線をJ-19の生徒に向けると、睨み返される。……ああ、そう言えば僕のせいで授業が減ってるんだった。それは嫌われても仕方ないだろう。
「J-19とJ-20の昇格戦の説明を行います。今回の昇格戦は1人対1人の勝ち抜き形式です。負けたクラスは次の生徒、勝ったクラスは同じ生徒が続けて出場、全員負けたクラスが敗北となります。」
これは事前にリルゲア先生から聞いている。順番は決めている。
「それでは各クラス最初の生徒は修練室中央で2メトル開けて向かい合って立ってください。」
J-19からは図体が大きい生徒が来た。他の生徒は修練室へ用意された椅子に座る。J-20からは……僕が出る。
「最初に俺らの授業の妨害した奴が来るのか! ぶちのめせ!」
「うわぁ……怖いなぁ。でもその件に関しては僕も被害者なので。」
「その口、塞いでやるよ!」
「リルゲア先生、早く始めて下さい。」
「お前も無視するのか!!」
「だから試合が終わった幾らでもして良いって言われたじゃないですか。」
「っ……」
「……では試合を始めます。審判は公正を期すために生徒会長並びに五期生〈A-1〉の担任のヴィラル先生が行います。……お願いします。」
片側にはローブを来た白髪の高齢教師、片側には見覚えのある女子生徒がいる。今回は真面目らしい。
「両者、定位置へ。それでは只今より昇格戦第一試合を始める!試合開始!」
「【紫電】」
僕は動かずに魔法を発動する。紋章式魔法は今回は使わない。魔法自体がこの世界では知られていないため、最悪違反行為として退学処分になりかねない。まあこれだけでも十分なようだ。
「……試合終了。勝者J-20!」
紫電をまともに浴びたことで身体が麻痺しているようだ。J-19の生徒が何人かで治癒室へ運ぶ。熱血教師が来た。
「これは反則だ!」
「……どこがですかな?」
ヴィラル先生は熱血教師の訴えを受け入れる様子は無いようだ。聞き流しているようにも見える。
「明らかにJ-20の魔法構築時間とは思えない!」
「ふむ……そういう偏見は良くないの。それにその生徒は異世界へ行った生徒ではなかったかな? そう考えるとそこで強くなった、と考える事も出来るのではないか?」
「むっ……」
「それに判定を下すのはこの学院で最も優秀な生徒と五期生A-1の担任で〈魔道研〉特級研究員の私が間違っていると言うことなのじゃが?」
「そういうつもりで言ったわけじゃ……!」
「別に儂も依怙贔屓している訳では無い。本当の反則行為を行えば即刻処分を下すから安心せい。」
「そう言うのであれば……」
最初は生意気な言葉遣いの熱血教師が敬語になってる……。それに〈魔道研〉だって……? 僕の味方なのか敵なのか?
ヴィラル先生と一瞬目が合う。だがあくまでも一瞬の出来事だった。何かを言われる訳でもない。
「次の生徒は準備しなさい。もしくは棄権とするか?」
「おい……! 早く行け!」
J-19の生徒が1人の生徒を押し出している。押し出されている生徒は観覧席に戻ろうとしている。これは棄権……という事か? それは少し虚しいものがある。
「残り1分じゃ。それまでに出なければJ-19の棄権とする。J-19はここで負ければ退学決定じゃが棄権しても良いのかの?」
「おいっ! 行けって!」
渋々、1人の生徒が僕から2メトル離れた定位置へつく。
「両者、定位置へ。それでは只今より昇格戦第二試合を始める!試合開始!」
「【氷礫】【破砕】」
魔法連撃。沢山の氷のつぶてをさらに砕くことで、無数の氷のつぶてでJ-19の生徒を囲んだ。1ミリメトルでも動けば触れる距離に配置して。
「こ、降参!!」
「試合終了!勝者J-20!」
完全勝利であった。残りのJ-19の生徒も流石に力の差を感じたのか、先程までの勢いはない。というよりも敢えてこうするように僕が最初に出たのだ。別に僕は負けても良かった。僕以外のクラスメイトはJ-19にも勝てると思っている。
「さて、残りの消化試合を頑張りましょう。次は誰ですか?」
次回更新 - 6月3日(水)12:00
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