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3 - 9.『Someone odd』

3-9.『奇妙な人影』

 奇妙な人影を見た僕達は取り敢えず報告のために、羊主の元へ戻った。すぐに戻ってきた僕達を見て驚いていたが、どうやら何か察してくれたようだ。


「どうしたの?」

「古城から人が出てくるのが見えました。」

「人……? 事前調査ではそんな報告はなかったわよ?」

「その事前調査は流石に古城の中にまで入ってないんじゃないんですか。」

「それもそうね……。だと考えると、厄災(カラミティ)を生み出した張本人か全くの別人かの二択になるわね。」

「古城から無傷で出てくるような人が全くの別人な筈がないです。」

「私も同じ意見よ。貴方はその人を追い掛けられる?」

「一応【追跡の陣】は発動してます。」

「流石ね。じゃあ頼もうかしら。私は何人か冒険者(アドベラー)が来たら、古城の方を見てくるわ。」

「お願いします。」


 僕はシーナ、サグルと共に目の前にプカプカと浮かぶ小さな魔方陣に映し出された映像を見ながら、人影が歩いている場所へ向かう。


「そう遠くないです。急ぎましょう。」


 そう言うと素早く3枚の札を取り出す。それを3人の前に落とす。全員が踏んだ。それと同時に魔法が発動。【快速の陣】だ。シーナとサグルは一瞬驚いたが、止まることなく走り続けた。急に起こる出来事に慣れているようだ。2人も2人なりの3年間を過ごしていたのだろう。


「ここを右に曲がった所を歩いています。僕達は見つからないように、角で止まりましょう。」

「分かった!」


 素早く【快速の陣】の効果を解除すると、勢いを殺しながら角まで走った。無音で停止すると、角から様子を伺った。


「……何処かで見た事があるような?」

「知ってる人なのか?」

「いや……多分知らない人です。」


 ここで要らぬ誤解を生んでしまえば、この後に控える厄災(カラミティ)戦にも影響を与えかねない。ただでさえ、3年間のブランクがあるのに、ギクシャクしたまま参戦すれば、命の危険まで有り得る。


「何をしているんだ?」


 その人影……男は何かを探すようにキョロキョロと周囲を歩き回っていた。時々、ゴミ箱を漁ったりもしている。不審者にしか見えないが、まあ実際不審者ではある。


「声を掛ける?」

「辞めとこう。流石にこの時点で街に残るのなんて、かなりの実力者か、力を過信している者か、泥棒だ。どれも関わらないのが身のためだ。」

「……こっちに歩いてきてないか?」


 サグルが焦ったように言う。僕も再び角から少し顔を出す。確かにこちらに歩いてきている。このままでは鉢合わせだ。


「……あそこの路地に隠れましょう。」


 すぐ近くに隠れるのにちょうど良い路地があった。この距離なら見つかる前に隠れる事が出来るはずだ。足音を鳴らさないように気を付けながら駆ける。


「……何だ?」


 男が喋る。見つかったか? 足音は鳴らしてないはずなのに気付いたということは気配で察知したのか。かなりの実力者の可能性もある。ますます怪しくなっているが、面倒事を引き起こしたくない。男の言葉を無視して、僕達はすぐさま路地に逃げ込んだ。


「……気のせいか。」


 男は僕達とは別方向に歩いていった。僕達は路地から出る。


「このまま追い掛けるの?」

「いえ……どうやら無駄骨が気がします。戻りましょうか。男が古城に帰るようなら、また何か対策を打ちましょう。」



 +----------+



 男は若い3人の男女が走って行くのを見ていた。


「1人は見た事あるやつだなあ。多分俺と気付いてないだろうけどな。」


 探し物を見つけようとして、街を歩き回っていたが、一向に見つかる気配はない。


「あれは有名な鍛冶師の作品なんだけどなあ。使い勝手も良かったし。何処にあるんだろうか。」


 時折、ゴミ箱を漁ったりしたが、男が見つける物が何処かから出てくるなんて事はこの先も無かった。


「まあ……しばらくしたら出てくるか。」


 どうやらその探し物は重要である割に、かなりぞんざいに扱われているようだ。男は突然姿を消した。後には魔方陣が取り残されていた。



 +----------+



 数時間後。恐らく8割以上の冒険者が集合していた。圧巻の景色である。強そうな物も居れば、あまり強くないであろう人といる。


「よく、集まってくれた!まだ厄災(カラミティ)に目立った動きは見れない。これから細かく分担を分けつつ、同時に攻め入ることにする!」


 こんな状況でありがたいのは、冒険者ではよくありえる光景だが、誰が倒した、誰の手柄だと言って、報酬を奪い去ろうとする。それが今回はなさそうだ。厄災(カラミティ)は格好の的になるだろう。


「さて、今から討伐隊を2つに分ける! それぞれの隊長、副隊長ごとに指示された動きをしてくれ!」


 僕が大きく宣言すると、冒険者達が頷くのが見えた。どうやらここでは騒がないようだ。冒険者はもう少し、理性のないものと思っていたが、意外と考えて行動しているようだ。


「後は隊長に任せましょう。」


 僕は後方に下がり、代わりに羊主が前に出る。


「1つ補足だが、古城から出てくる人影を見たという報告があるわ。詳細は分からないけど、恐らく実力者よ。厄災(カラミティ)とどういう関係があるかは分からないけど、もし関係があった時に作戦が台無しになりかねないわ。見覚えのない人影を見た時は、すぐに報告してちょうだい。」


 そして、討伐隊は二つに分かれ、それぞれが行動を開始する。







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