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2 - 38.『Quest of Bodyguard』

2-38.『護衛依頼』


すみません、色々立て込んで投稿が遅れました!

 翌日。僕は人狼局で待っていた。リーゼンを、である。と言っても、リーゼンが遅れている訳ではなく、ただ単に僕が早く来てしまっただけである。


 しばらくしてリーゼンが現れる。


「待たせたな!」

「いえ、そんなに待ってませんよ。」


 社交辞令でも言っておく。リーゼンは気にした様子はない。じゃあ早速始めよう。


「じゃあ、依頼の説明をします」

「ああ」

「僕とリーゼンさんが受けるのは、アウメリアまでの護衛依頼。護衛するのはアウメリアへの行商人の方です。現在、道中には正体不明の怪物が根城を作っているという報告もあります。高位の冒険者(アドベラー)も全滅していますので、遭遇した場合は逃走を優先します」

「戦わないのか?」


 リーゼンは戦いたくてうずうずしているようである。僕は落ち着いて説明を続ける。


「まずは行商人の方の安全が優先です。安全を確保するまでは、僕達が戦う事となりますが、その後は他の危険もあります。逃走し、護衛を再開する事になります。」

「そうか……」


 戦える事は分かったが、最後まで戦えないことに悲しんでいるようであった。そんなに戦いが好きなら、僕なんかと勝負しないで、討伐依頼を沢山受ければ良いのに。


「今回は我慢して下さい。正体不明の怪物の討伐については、またその依頼が出た時に受けて下さい。危険ですから。」

「……分かった。今回はお前との勝負だ。身を引こう」

「身を引くなんて言葉知ってるんですね。」

「ああん!?何か言ったか!?」

「いえ、何も。」


 僕は依頼の受注をする。大声で話しているのもあって、受付嬢もすぐに依頼の受注を終わらせてくれた。


「では、依頼人が都市の入口でお待ちです。行きましょうか。」


 僕とリーゼンは中央都市の入口へ移動する。そこにはシーナやサグルもいた。手を振っておく。サグルは軽く手を振り返してくれる。シーナは何もしてくれなかった。相変わらずだな。


「えっと……依頼人のサーニさんでしょうか。」

「ああ、そうだ。……その男性が護衛だね」

「いえ、僕も護衛ですよ。依頼には2人と書いてましたよね?」

「あ、ああ……そうだが、君は若いだろう?」

「気にしないで下さい。実力は道中でお見せします。」

「それならば良いんだが……」

「一応、名前を呼ぶ事もあると思いますので、自己紹介でも。僕はロムスです。」

「俺はリーゼンだ。」


 リーゼンは依頼人相手に敬語を使う気はないらしい。だが、それにサーニさんが不思議がる様子はない。ああ、この世界の冒険者(アドベラー)はそんな態度の者が多いのか。サグルのような人もいるから忘れていた。


「出発はいつにされますか?」

「可能なら今からでも出発したいのだが」

「リーゼンさんはどうされますか?」

「俺はいつでも良いぞ!」

「僕も大丈夫です。では出発しましょうか。」

「分かった。ではよろしく頼む。」


 僕とリーゼンは丈夫に固定された、馬車の積荷用の車の屋根に座る。サーニさんは馬を操る為に前に座る。一度、馬に鞭を打つと、馬車はゴトゴトと音を立てて、走り始める。僕はもう一回だけシーナとサグルの方を見る。


「行ってきます!」


 今度はシーナも手を振ってくれた。そして、僕とリーゼンを載せた馬車は中央都市を出た。目指すはアウメリア。そこに住んでいる紋章式魔法の第一人者モリス・ファイリアだ。


 その地で僕は紋章式魔法を習得し、羊主に再戦を挑む。この薄汚れた大地を真っ白に染めるまで僕は止まる気はない。






 +----------+






 その数時間後、僕は怪物と再会した。瓦礫の城を築いた怪物が一息つくと、積荷が全て()()()()()


 次に手を振り上げると、怪物から馬車までの大地が全て裂けた。


 そして、その手からは巨大な魔力の球が生成された。サーニさんを急いで逃がし、僕とリーゼンは二手に別れて、怪物の攻撃で全滅されるのを防いだ。


 魔力弾が飛ばされたのは僕の方だった。恐らく狙いやすいの思ったのだろう。逃げても無駄だと思った僕は、どうにか【魔力障壁】を【多重詠唱(マルチチェイン)】で発動する。


 放たれた魔力弾は、僕の三重の【魔力障壁】を破り、僕の身体を吹き飛ばした。そこで僕の意識は消えた。


 気付けば、僕は薄暗い森の中にいた。


「ここはどこだ?」


 中央都市からアウメリアへの道中にこんな所があっただろうか。少なくとも僕の記憶では無かったように思える。


 少し歩くと、小屋が見つかった。森について聞いて、すぐにアウメリアへ向かおう。リーゼンやサーニさんの事も気になる。小屋の扉をノックすると、中から扉が開かれ、女性が出てきた。


「おや、こんな所に何の用だい、坊や。」

「すみません、ここはどこでしょうか。色々あって気付いたらここに居たんです。」

「うーん……そんな事で来れる所じゃないんだけどね。まあ、いいや。とにかく中に入りなさい。話を詳しく聞かせなさいな。」

「すみません、そんな時間は無いんです。アウメリアに今すぐ行かないと!」

「アウメリアだって? アウメリアに何の用なんだい。」

「依頼中に正体不明の怪物に襲われたんです。護衛していた依頼人や同じ依頼を受けていた冒険者(アドベラー)も気になりますし、モリスさんに会わないと!」

「モリスさん……?」

「あっ……すみません。関係の無い話でした。」


 どうしたんだろう。何か顔色が悪いようだ。


「いや、いいんだ。それでモリスさんとやらに何の用があるんだい?」

「えっと、紋章式魔法を習得したくて……すみません、自分の話ばかりして。聞いてて面白くないですよね。」

「そうでもないさ。とっても面白い話だ。アウメリアに行かなくて良かったね。坊やの探すモリスさんはここにいるから。」

「え……?」

「私の名前はモリス・ファイリア。紋章式魔法の魔道士さ。」

これで第二章は終了となります!

投稿休止も挟んで長い期間となりましたが、

どうにかここまで終わりました。


ここからは第三章です。

ですが、その前に少しお休みを入れます。

また作者の用事で投稿ができない期間があるので……。

再開はまた突然だと思うので、

更新通知やTwitterなどを見て頂けると幸いです。


また、ブックマーク登録や高評価もお願いします!


これからも『魔道士無双 ~できそこない魔道士の成り上がり計画~』をよろしくお願いします!

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