光合成の裏に隠された真実について
※いきなり、同著者が別に連載している作品物語の途中から始まります。ご注意ください。
※この短編作は、本編作品「―地球転星― 神の創りし新世界より」の中で既に投稿した内容であるサブタイトル「51.生命の起源」のお話をエイプリルフール作品用として再度、短編作として転用し、そのままコピペしただけのものを一部の部文だけ省略して、微妙に加筆、修正を加えて再び投稿しただけものです。
ですので、冒頭からいきなり、連載作の途中より始まります。
また、その為に一部、文を省略している箇所があります。ご了承ください。
午前から午後に変わり、
それでもまだ、
日が陽として遷り変わるまでには、まだ間がある時に。
豪勢な昼食が終わって、
これから次の議題が始まろうとしていた……。
教会の礼拝堂のような大食堂で提供された昼餉の献立を思い出して、
寝室も兼ねた大部屋に戻った章子は再び、至福だった瞬間を回想していた。
(おいしかったなぁ……)
章子のだらしない顔が、
周囲の人間に悟られることは幸いにも避けることができた。
地球の社会でも、
あれだけの食事を期待したいなら相当な出費は覚悟しなければならない。
自分の両親の強張る顔が目に浮かぶ。
それを無料で頂いて、
章子はご満悦の顔で、
自分の席でもある天蓋付きの大きなベッドの端に腰かけた。
「さて……、
腹ごしらえも済んだところで、
そろそろ、あなた方は瞼も落ちかけていることでしょう。
惰眠を貪るには心地いい気温だ。
それをせめて、
この時だけでもと世界にも願いたくはなりますが、
我々にはそんな贅沢なひとときなど許されない!
起きてください。
我々はこれから、
いま、頂いてしまった「命」の話をしなければならないッ!」
真理の激烈な言葉で、
穏やかな午後の空気は、重苦しい威圧で張りつめられていく。
「……「命」……を、我々はさきほど頂いた……。
そうですね?
命が奪われたあとの抜け殻となった「躰」を、
「料」として「理」し!
為された物を、
我々は「食」したッ!
罪をまた一つ、
間違いなく犯した……っ!
それが「食事」……。
我々……、
とくに章子たち、
あなた方は……、
まだ、そうせざるを得ない軛の中にいるっ。
さらに私も……、
そんな事をする必要もないはずなのに、わざわざ「命」を奪って拵えられた「料理」を頂いた。
これは常人であれば耐えることのできない「事実」ですが……。
私には「使命」がある。
その使命の前では、例え必要のなかった「罪」でも平然と犯します。
それは「使命」の為に「必要」な行いだからです。
ですが、それは私だけが知っていればいい事です。
知って納得していればいいだけの事なのです。
あなた方が知らなければならない事は、他にあるっ!
吸熱型永久機関ッ!
第二種永久機関でもある、
単純物質!
酸化水素……、
「水」ッッ!
そのただの「水」が今も行い続けているとされる、
お待ちかねの、
この仕事……ッ、
〝水は、吸収した熱をその水の内部で「生命」に変換し、その変換した「生命」によって発生した熱をさらにまた再回収している〟
と説明される事象の仕組みについて……。
では……、
それを解き明かして行く前に、
一つ、
真理には残念に思っている事がある……」
言って、
章子たち四人と一匹の前で、講義を始めていく真理は、
この無駄にくだらない文章力の文をそちらで読んで下さっている、
現実の、
あなた方を睨むッ!
「……真理は前回に言ったはずだ。
前回、述べあげた、マクスウェルの悪魔を召喚するための儀式のあの実験。
あの実験を実際に実施したのなら、
成功だったならば短編にポイントを……、
失敗したら、本編と短編のどちらでもいいので批判を入れろ、と。
にも関わらず……、
あなた方は沈黙を重ねた……。
なぜだ?
なぜ、沈黙したままでいます?
アクセス数……私は見ていますよ?
そこそこ、
この虚構に対するアクセス数は確認している。
たしかに、
あなた方が我々を視ているという事象は確認している。
しかもどこか興味のあるようなアクセス数の発生の仕方もわずかにだがある。
と、いう事は、あなた方にはわかっている筈だ……。
この実験は「現実」でも可能だとッ!
で、あるならば、実際に試して見ても不思議ではないッ!
過去にもそちらの現実では、
この実験内容を指摘した人間は誰一人としていなかった、と真理たちは認識している。
つまり、
過去のあなた方の人類史の太古から、この悪魔を召喚する実験に思い至ったニンゲンは一人もいなかったという事だッ!
既に実験済みということは「ありえない」ッ!!!
ならば、実施している筈だッ!
実施、しているでしょう……?
ちゃんと……?
間違っても、
気になっていても、実際はやっていない。ということだけは無い筈だっ!
あなた方は、
いまを否定する誰かを「批判」することだけがささやかな生き甲斐であり!
取り柄なのだからッ!
で?
実際に実験をやったのなら、実験結果はちゃんと出ていますよね?
失敗か成功かは出るでしょうッ?
そして、失敗であったならば……、
あなた方は嬉々として書くはずだッ!
この虚構の内容に対する批判をッ!
その感想欄にッッッ!!!
なぜ、それをしないッッッッッ!!!!!!!!!!!
真理は待っていたのですよ?
『現実では「虚構」のようにはいきませんでしたよ?』
という具体的な指摘をッ!
にも関わらず……、
あなた方は黙ったッ!
失敗かも成功かも語らず……黙ったのですッッッ!!!
それとも……?
本当に「実験」はしなかったとか?
真理があれほど口酸っぱく言った忠告や警告を、忠実に守って従って?
あるいは、それとも、
実験などしなくとも、
こんな子供でも誰でも思いつく簡単なへ理屈の結果など、見えている、と?
この現実の真実を知りたいとか、その心で望みッ!
その心に誓い!
願いながら?
この虚構の警告を、わざわざ馬鹿正直に守り、
あるいは侮って放置していたと言うのですか?
そうか……、
そうですか……」
そして、
真理は遠い目をして、明後日の方角を茫然と眺めたままでいた側から……。
「それは、
とんだ期待外れだッ!」
真理は、あなたを睨むッ!
「とんだ期待外れでしたよ?
虚構は望んでいたのだッ!
現実方による反論を。
現実が反論をしてくれれば、
こんな虚構の設定など、虚構のままでいられたものを、
あなた方は、そのささやかな願いさえも打ち砕いてくれたのだッ!
虚構の言葉に、あなた方は今の現実を否定するほどの説得力を持たせてしまったッ!
これは、
……現実方の致命的な過失であり罪だ……ッ!
それは敗北だ、と認識した方がいいッ!
現在の現実科学が、虚構の真理学に敗れたのだとっ!
現実方が誇る現代科学は、虚構の虚言に敗れたッ!
恥を痴れッ
恥を痴りなさい!
やはり……、
所詮、現実は現実という事か……。
……しかし、
ここでは、
その行動は「殊勝」で「賢明」な行いだった、と言っておきましょうか?
あなた方は、忠実に守ったのだ……。
この真理の「実験はするなッ!」という矛盾しかない忠告であり警告をね。
健気にも愚鈍に守り、次の話がやってくるのをひたすらに待った。
しかし、
だが!
ここでもあなた方は、同じ「過ち」を犯すッ!
予習……してきましたよね?
『二つ』あった内の、最後の「一つ」を?
で?
予習をしてきて……また分からなったのですか?
真理……言いましたよね?
前回の終わり掛けに?
『もしも予習している最中に今回の内容がわかったら……、
先に感想欄に書いてもいいですよ?』とッッッ!!!」
真理は、なおも、
この虚構の感想欄に何も書かずに黙っていたままだった、
「あなた」を莫迦にしッ!
責め続ける。
「……まだ、何も書かれていませんね?
結局、分からずじまいだったのですか?
それでこの虚構の閲覧数だけは増やしていく?
そのアクセス数を、
愚かにも、この著者が自分から増やしているのであれば、
もっと躊躇いなく偏ってマシに増やしていますよ?
時々、この著者も失敗して自分のアクセス数を自分の作品に付けてしまう時はあるようですが、なるべくそれは避けているようです。
まったく、よく分からない、律儀な著者だ。
細かいことをチマチマ気にする小心者の著者ですよねぇ?
まあ、それはいい。
問題は、
そんな、
あなた方がやはり、
結局、何の知識をどれだけ予習していたとしても、何も分からない「マヌケ」だったッッッ!!!!
という事だッ!
それをこれから自覚して頂きます。
イヤというほどにね?
では、始めていきましょうか?
この、
〝水は、吸収した熱をその水の内部で「生命」に変換し、その変換した「生命」によって発生した熱をさらにまた再回収している〟
という文章の説得力が持つ「カラクリ」について……。
では、
……クベル・オルカノ?
あなたは以前、こう言っていましたね?
現在、七人いる許約者の内の一人、
水の許約者には、これができないのだ、と?
それが、あなた方、
全ての許約者が疑問に思う「謎」への切っ掛け……。
水の許約者は、
水のすることならば全てができる。
にも関わらず、
水の許約者にはこれができなかった。
それは何故か?
実はこの文……。
この文章の中には、水以外にもう一つの「力」が隠されています……。
その「もう一つの力」が、
この、
〝水は、吸収した熱をその水の内部で「生命」に変換し、その変換した「生命」によって発生した熱をさらにまた再回収している〟
……という文章の中に隠されて発揮されている……。
それが何か……、
分かりますか?」
訊ねてみる真理が試して、
赤いソファでふんぞり返っている赤い衣の少年のクベルを見る。
見られた熱の許約者であるクベルもクベルで、
不敵に嗤みを浮かべて向けてくる真理を胡散臭く見返していた。
「……オレの力……、
「熱」じゃないのか?
熱を変化させて「生命」にするんだろう?
水というモノは?」
投げやりに答えを放つ赤い少年を、
真理は素っ気なく首を振って否定する。
「いいえ。
残念ながら「熱」ではありません。
この文章の中にある「熱」とは、単なる『材料』でしかない。
材料でしかない「熱」は、「力」ではないのですよ。
それは「モノ」です。
この文章の中では、すでに「熱」は材料である「物」に過ぎない。
その材料にしか過ぎない「熱」を、
水と、さらにもう一つ別の「力」を合わせて使って、
一つの「生命」として拵えている。
これは「復習」なのですよ?
かつて……、
吸熱型永久機関である、
この「水」の真実の力を暴いた時ッ!
真理は、
その時に、ある一つの現象を使ったはずだ……。
その時の事をもう一度、よく思い出してみてください。
これ以上、私に……、
あなた方を「マヌケ」だなんて思わせないでくださいよ?」
視線を強くして呆れて真理が言うと。
その言葉を聞いていた章子が、あることを思いついて口を開く……。
「……植物の……光合成……?」
章子の答えに、真理はしたりと笑う。
「そうです。
『光合成』
その植物の力が、
この、
〝水は、吸収した熱をその水の内部で「生命」に変換し、その変換した「生命」によって発生した熱をさらにまた再回収している〟
という文章の中に隠れている。
それが隠れているから……、
水の許約者には、これができないのですよ。
光合成は……、
水の力では……ないとッ!」
「……樹の……許約者……っ?」
大きく目を見張ったクベルが、
その名を呟く。
「オルカノくんたちの……おじいさん……?」
クベルの隣で窮屈そうに座っていた半野木昇が呟いてみせる。
「いや、実の祖父じゃない。
そう言っただろ?
あと、オルカノくんやめろッ!
クベルでいいッ!くんも付けるなッ!
それはボクの平和じゃないッ!」
「残念。でもぼくには「平和」なんだよね?
だから、その交渉は決裂だッ!
ぼくは、交渉の決裂を恐れないッ!
そんなワケだから、
ぼくはこれからもきみをオルカノくんと呼び続けるよ?
クベル・オルカノくん……?」
見えない「平和の剣」をフリフリして、昇は嫌味ったらしく笑っている。
逆に、赤い少年クベル・オルカノは噴火寸前だ。
それでも昇に掴みかからないのは、
このまま昇には隣に座っていて欲しいと思っているからだった。
こう見えて、
赤い少年は、今まで存在し得なかった「友情」というものに飢えている。
「はいはい。
男子たちの気味悪いお友達ごっこは、今は脇に置いといてください。
そして、
いい所に気が付きましたね?
クベル・オルカノ?
そうです。
あなた方、許約者の長老役、
樹の許約者、ヨーゼ・モセム。
彼は、樹の出来ることなら全てが可能である許約者です。
故に彼は許約者の中でも、
許約者にあるまじき良識と見識、常識を兼ね備えた柱となる理性の許約者。
いつものスケベジジイからは想像も出来ない事でしょうが……、
彼はいつも、
人から外れていこうとするあなたをとても心配していた……」
「……あの……、ジイサンが……?」
常に水の許約者や雷の許約者の尻と胸にしか興味の無かった悪老爺の姿を思い出して、
クベルは眉を顰めて下を見つめる。
「……彼の力は許約者の中でも、特別中の特別に地味だ。
それもあってか、
他からも、よく軽んじられたり、侮られがちになりやすい。
しかし、
彼は許約者の中でも、もっとも「命」を統べている許約者だ。
彼の耳と目には他の許約者には分からない「命」の嘆きが届いている……」
しんみりと語る真理の口調に、
その場の空気が穏やかに重くなる。
「おっと、話がズレてしまいましたね。
その樹の許約者の力でもある、
『光合成』……。
その力が、
この、
〝水は、吸収した熱をその水の内部で「生命」に変換し、その変換した「生命」によって発生した熱をさらにまた再回収している〟
という文の中には隠れている、と。
だからこそ、光合成はすでに「生命」による仕業の仕事といえるのです。
ですが、
それが、「熱」を「生命」に変換する前から、
光合成という現象が「生命」による行動で存在していては、つじつまが合わない。
と、いう事は、まず、
この光合成という仕組みを「分解」していかなくてはいけないのですが、
……さて?
真理はかつて、
この光合成についての授業を、二回ほどに分けてその仕組みを説明していきましたね?
一回目は「水」の「永久機関」の時。
二回目は、生物にある「魂の在り処」として……。
……その時の内容は、大まかにでも覚えてらっしゃいますか?」
訊ねてくる真理に、
その授業を受けていた章子とオリル、昇の三人は、
視線を宙に泳がせて過去を思い出そうとする。
「一回目は……、
光合成で出されている酸素は「水から分解された酸素」だっていう事と……」
「二回目は……、
植物の魂が動物として存在しているという根拠にもなった、
葉の中でデンプンの影を作る「ヨウ素デンプン反応」と、
それに関係する光合成の生産効率でもある「制限要因」。
そして……「光合成」の仕組みは「二つの反応」に分けられるっていう話……?」
章子とオリルが過去の授業を思い出しながら呟く。
「おやおや、さすがは優秀な二人の少女生徒だ。
もう少し、落ちこぼれの少年生徒には見習ってもらいたいものですね?」
ねめつける真理に、話についていけない昇は首を肩に縮める。
「……まあ、それはいいでしょう。
話を続けると、
真理が、
今まで光合成について語ってきたことは、だいたいそこまで。
しかし、
光合成という現象は、まだこれ以外にもたくさんの「仕組み」が関わっている。
それをこれからお話ししていきます。
まず、最も基本的な事として、
この「光合成」という反応には、これとは対となる「逆回転反応」が別にあると言う事です」
「光合成の逆回転反応が……?」
それがどういったものか、
まったく分からない章子を置いて、
オリルが疑問に言うと、真理も頷く。
「そうです。
逆回転反応。
逆回転反応とは「可逆反応」です。
光合成にはもう一つ、これとは正反対の動きを行っている現象が、
この現実世界には存在しているのですよ。
それがなにか……わかりますか……?」
「……呼吸……かッ!
生物の有酸素呼吸ッ!」
「こ、呼吸っ?」
章子は、
自分たちと再会するまでは、
その「呼吸」をしていなかった、
クベルこそが、自分の喉元に手を当てて叫ぶ様を見る。
「そうです。
有酸素呼吸。
これが、光合成とは正反対の現象である逆回転反応となるのです。
これを章子たちの現代世界では「呼吸の収支式」と呼んでいましてね?
章子たちの教育学習では高等学校で習う高等知識ですので、
中学生の章子たちでは少し早めの予習となってしまいますが、そこは了承して頂きます。
で、
この「呼吸の収支式」。
これは簡単に言えばこうなる。
光合成では、二酸化炭素である「CO2」を吸い込み。
「O2」である酸素を吐きだす。
反対に、
人及び動物の呼吸では、「O2」である酸素を吸い込み、
「CO2」である二酸化炭素を口から吐きだす」
「あ、ああ……うん」
章子の頷きで他の仲間たちもみな頷く。
「これを今度は、
それぞれの元素に当てがわれた原子番号の数字に直すとこんな感じに表現できます。
光合成では、
「CO2」である6+8×2で、
「22」という数字を吸い込み。
吐きだす時には「O2」である8×2の、
「16」という数字を外に吐きだしている。
逆に、
人呼吸では、「O2」という「16」の数字を口から吸い込み、
今度は、
「CO2」という「22」の数字を外に吐きだしている……。
これが……、
現在の植物と人間の関係を表現する『数字』の仕組み……」
「……人間の呼吸の方が……、
常に「6」という原子番号の炭素の分だけ、多く吐いてる……?」
章子の驚きで呟かれた声が、周りの人間たちにも伝わっていく。
「……そうですね?
呼吸をすればする分だけ……、
人は「6」という数字の分を、
常に植物の行う「光合成」と対応して自分から多く余分に吐きだしている。
つまりその数字の分だけ、
人間や他の動物たちは、
呼吸する度に、
自分の体内にある物を減らしている、という事ですね?
では?
その減らした数字の分は、一体「何」で?
補われているのか……?」
真理の試してくる目が、もう全てを物語っている。
「……し……食事…………っ」
章子たちの絶句する顔が、やはり真理の愉悦になっていく。
「その通りです。
これが「光合成」と「呼吸」の関係式。
つまり、
動物と植物の関係ですね?
植物は「CO2」を吸い込み「O2」を吐きだす。
そして、
動物は「O2」を吸い込み「CO2」を吐きだす。
これらの数字の動きが、呼吸と光合成とでは可逆しているのですよ。
光合成は「不可逆的な反応」ではなく、「可逆反応」なのです。
その光合成に対応する可逆的な反応に位置している事象こそが、
動物の「呼吸」という現象……ッ!
しかしッ!
ここで!よく勘違いしがちですが……、
植物が吸い込み、動物が吐きだす「CO2」とッ!
人間が吸い込み、植物が吐きだしている「O2」とではッ!
その気体となる出所がまったく違うッッッ!!!!……ということ……っ!」
「……ぅあ……」
大声の指摘で唖然となる皆の顔を見て、
真理はニッコリと笑む。
「ここがッ!
光合成という現象が、あなた方に誤解させていた根本的な原因ですッ!
植物が吐きだし、
人が吸い込んでいる酸素とは「水からの酸素」なのですよね。
逆に、
人が吐きだし、植物が吸い込んでいる二酸化炭素は、
「食事で得た二酸化炭素」あるいは「食べ物にする為に得た二酸化炭素」ですッ!
ここが!
大きな違いなのですッ!
この出所の認識を間違えていると、最悪な「痛い目」を見るッ!
だからこそ、あなた方は……、
光合成というものを真に理解することはできなかった……ッ!
ここで、また、
……忠告をしておきましょう……。
ここからは「生命の起源」へと至る、探求の始まりだッ!
これ以上、読むと……、
あなた方は、知らなくても良かった自分の本質を知ることになるッ!」
言って真理は、
この文を読んで下さっている、
現実のあなたにおなじみの警告をする。
「……まあ、……それでもいいとおっしゃるのであれば、
このままこの先をご覧ください。
真理は、
絶対にこの文の先を読まれることは、決しておススメはしませんがね?
では、話の続きです。
あなた方が現在、吸い込んでいるその酸素は、
最終的にはあなた方の体内で「水」に変わります。
そして、
現在、吐きだしている二酸化炭素は「食物」から分解されて発生されているモノ。
その「呼吸」。
吸い込んでいる酸素と、
吐きだしている二酸化炭素とでは、
基本的には全く関係がないのですよ。
その吐きだしている二酸化炭素と、
いま吸い込んでいる酸素では、完全に体内での関連はないのですッ!
それが驚くべきことに、「呼吸の収支式」では証明されている。
ではなぜ?
その直接的には何の関連も無い「二酸化炭素」と「酸素」が、
同じ「光合成」と「呼吸」という、
この二つの現象の内部で循環して成り立っているのか?
実はこの謎を解く鍵が「光合成」の方にあります。
先程のオワシマス・オリルのご指摘の通り、
光合成という反応は、その内部の仕組みを大きく二つに分けることが出来る。と仰いました。
それがだいぶ前の授業でも言った通り、
一つが、
水を「酸素」と「水素」に分けている、
『光化学反応』と、
二つ目が、
水から奪い取った「水素」を、
吸い込んだ二酸化炭素に結びつけて「可食部」などにする、
『カルビン回路』です。
つまり、光合成という反応は、
『光化学反応』で、酸素の役割は完全に終わり、
二酸化炭素は『カルビン回路』だけによってのみ回転して動いている。
そして、
この別々の反応を「光合成」という一つの反応で、繋ぎ止めている現象こそ……、
『ATP反応』……ッ」
「ATP反応……?」
章子の疑問の声に、真理は頷く。
「ATP反応という言葉の中にある「ATP」とは物質の名前です。
ATP、
アデノシン三リン酸。
この物質が……全ての諸悪の根源ッ!
この物質、ATPは実は「光化学反応」の時に作られ現われます。
光化学反応によって水から分けられた水素を、
そこで新しい「ATP」という物質に作り変えているのですね。
ここまでが光合成の中にある「光化学反応」までで行われている「仕事」の内容。
そして、この作られたATPはですね?
実はただの物質ではなく、
ある条件下によって、非常に高効率なエネルギーを連鎖させる物質でもあるのです。
その条件下というものが、
加水分解」
「……加水分解……?」
「加水分解とは、水を加えることによって物質が分解されてしまう現象のことです。
ATPはこの条件下で、水を加えたという「動き」以上の「高エネルギー」を「仕事」として連鎖させる物質です。
いわば生体内での「火薬」ですね?
そして、この時に発生する高エネルギーの威力が、
分解されたATPの残骸を使って、
二酸化炭素を、さらに次の「可食部」という炭水化物に変えてしまうッ!
それが「カルビン回路」。
カルビン回路はATPの出力によって、二酸化炭素をデンプン質に変えている。
その出来上がった植物のデンプン質を、
今度は人間が「食事」として食べれば、
そのデンプンが消化され、
また「人体内」で分解されたデンプンから「ATP」が合成し直されるのです。
「ATP」は水に触れると、「エネルギー」を連鎖させて自分を分解していく性質がある、
これをエネルギー源として人間は体温など全ての生体活動を維持しているッ!
維持した後のエネルギーがなくなった後の「ATPの残骸」は、
今度は最終的に「水素」だけになり、人間が呼吸した「酸素」と結びついて「水」を作るッ!
そしてこの「水」こそがッ!
また次の「ATP」を加水分解するのに必要になるッ!
この一連の連鎖反応を、
真理側では、総称して「ATP反応」と呼称しているのです」
「でもATP反応って、
「水」がないと反応できないんだから……、
呼吸や光合成という現象って……っ、
……水が……エネルギーを作って発生させている……っ?」
「……違いますッ!……」
「え?……、ち、違う……?」
てっきりそうだと思って納得しかけていた章子に、
やはり真理は首を振って否定する。
「違いますッ!
ここが「ATP」という物質の真に恐ろしい所でしてね?
一見、ここまで説明すると、
「水」がエネルギーを作っている様にも見えるでしょう?
ですが、実際はそうではない。
「ATP」とは「火薬」のようなモノだと先程、説明しましたが、
この例えは、
つまり、
「ATP」という物質は、エネルギーを発生させている物質ではないッ!という事を言っているのですッ!」
「……え、?
ど、どういうこと……?」
言われている意味が分からずに章子が問うと、
真理は続ける。
「火薬はエネルギーを発生させる物質ではない、という事なのですよ。
火薬とはエネルギーを連鎖させる為だけの物質なのです。
火薬は特定の化学反応を条件にしてエネルギーを増幅させる。
しかしそこには「酸化」という化学反応が必須になる。
そこには起爆に必要な酸化させるための酸化剤、いわゆる「酸化物質」が必要なのですね?
火薬は、それ自体が「エネルギー」を持っているわけではないのです。
厳しい条件を整えてやって、やっとそこで「エネルギーを強力に連鎖させ加速させる」働きを持つ関連物質なのですよ。
ATP。
アデノシン三リン酸も、これに同じです。
この場合、「ATP」が火薬であり、「水」が「信管」も備わった「酸化剤」です。
これの起爆には、「水」という「信管」が必要ですが、
それが一度でも発火すれば後は「火薬」である「ATP」という物質が、自身を消耗させてその後の動きを連鎖させていくのです。
ATPは、その物質が常に「高エネルギー」を発しているわけではない。
ただ、ATPが壊れる際に、
回りという周囲を「高エネルギー化」させて連鎖反応させてしまうのですよ。
それが「加水分解」。
この時の、加水分解時の「高エネルギー」の発生源は水によって発生していますが、
それはきっかけに過ぎないのです。
加水分解による水の「エネルギー」を、
さらにそこから「高エネルギー」にまで増幅し昇華させてしまっているのがATPという物質の仕業なのですッ!
そして、高エネルギーにまで発展させられてしまった強いエネルギーは……、
もはや水の通常の吸熱エネルギー領域までをも、大きく飛び超えて外れてしまっている……。
すなわち、
ATP反応による高エネルギー反応は、
もはや水の力ではない、のですね!
だから、
水の許約者には、
光合成の内部の仕組みまでをも深く把握し、理解することはできなかった……ッ」
言って、
真理はあらぬ方を見る。
「水の許約者が、光合成の仕組みで理解し把握できる範囲は光化学反応までです。
それも、水が酸素と水素に分けられてしまう時点まで。
そこから先は「樹の許約者」の管轄であり領域だ。
しかし、
樹の許約者は樹の許約者で、
水を酸素と水素に分解していく仕組みまでは分かるが、
なぜ、水の水素と酸素が光で分けることができるのかが分からない。
そこはもう、
吸熱型永久機関である水の許約者の領域だからです。
樹の許約者は、酸素と水素を水から分けるのに「光」を使う事は分かっていても、
光がなぜ、水を酸素と水素に分けることができるのか、という真理にまで理解し把握することはできないのです。
ここで話を戻すと、
ATPによる加水分解反応は「吸熱反応」です。
「ATP」は、動機がないと起爆しません。
そして、
この時の反応は、水に触れることによる加水分解であり、
「水」の内部にある電子の移動する動きが「熱」に変わって、
「ATP」の分子構造の一部を切断し、起爆している。
ATPとは、
加水分解という吸熱反応によって、
水の持つ「吸熱反応」を「発熱反応」に変える性質を持っている。
これが、
今の、
その人間たちを動かしている真の真理だ。
これに当てはめれば……、
〝水は、吸収した熱をその水の内部で「生命」に変換し、その変換した「生命」によって発生した熱をさらにまた再回収している〟
という文章は、厳密にはこういう文章になる。
〝水は、吸収した熱をその水の内部で「植物」に変換し、その変換した「動物」によって発生した熱をさらにまた再回収している〟
……これが、
水が「仕事」として行っていた純粋な真理……」
真理が軽く片手に上げた手の平の上で、
光学線で書かれた文字が浮かんで回転灯のように回っている。
「この為、
水の許約者には、この「命の産まれ」と「命の関係」が分からなかったのです。
水の許約者、アイファ・マリンシーは水の内部で熱によって発生してしまった「植物」と、
水の外部で、熱として消えていく「動物」が、まったく「同じ」存在には思えなかったのです。
それも当然ですッ!
植物と動物では、「水」では知り得ない「関係」があるッ!
それを繋いでいるものこそがッ……!」
「……ATP……っていう物質……」
章子の呟いた答えに、
真理は頷く。
「……ここでATP。
アデノシン三リン酸の、元素化学式を述べておきましょう。
ATPの主成分である構成元素は主にこんな感じです。
C10H16N5O13P3」
「……P?
Pってことは……、
たしかPは……「リン」……?」
アデノシン三リン酸の中にある、見慣れない元素記号「P」を目にして、
章子は意外にも目を大きくさせて、
頷く真理に、訊ねて見る。
「そうです。
ATPの構成元素の中には一つだけ見慣れない「P」という元素があるでしょう。
それが「リン」です。
このリンが三つ結合しているから、この物質はアデノシン「三リン」酸と呼ばれる。
そして、この「リン」という物質は……、
元素族の第15族元素「窒素族」の「第3周期」に位置している元素物質です」
「窒素族……、
窒素ってことは……「N」……?……」
章子の問いに、真理は頷く。
「そうですね。
そして窒素は「タンパク質」の源にもなっている元素です」
「タンパク質って、
まさか、それが私たちに関係してるって……」
「言いますよ?」
しれっと、真理は章子たちを追い詰める。
「この窒素族が「クセ者」なのですよ。
窒素、リン、アンモニア、
これら窒素族元素化合物を素にして出来ているのが「アミノ酸」。
「アミノ酸」は、やはり「タンパク質」の素にもなっています。
そして、
このアミノ酸という小さな物質を、
タンパク質という具体的に大規模な物体にまで組み上げて造り上げているのが……、
DNA」
「DNA……?」
「ええ。
聞いた事があるでしょう?
DNAという言葉?
日本語名にすれば、
ディオキシリボ核酸。
これも、やはり「リン酸」によって塩基構成されている。
しかし、
このDNAというモノ自体には、あまり意味がない」
「えっ?」
「DNA自体には、あまり意味がありません。
あれは「鉄」と一緒です。
物体を構成している素材が、鉄か窒素族元素化合物か、ぐらいの違いでしかない。
問題は、
このDNAが、「ATP」によって実際に動くということ」
「……まさか……っ」
「動きますよ?
でなければDNAの意味がない。
ただの物質であるDNAを「生物の設計図」だけに押しとどめずに、
「生物の輪郭」にまで高度化させているのが「ATP」なのですよッ!
これにはカラクリがありますッ!
実は、
この「ATP」を、
「光合成」で司っている者と、
「呼吸」で司っている者とが、それぞれ別に「一つ」ずつ、
現実世界では存在していますッ!
それが、
「光合成」内で「ATP」を司っている者が、
葉の内部にある葉緑体という細胞体であり。
逆に
「呼吸」内で「ATP」を統轄している者が、
……ミトコンドリア……」
「葉緑体とミトコンドリア……?」
「そうです。
葉緑体とミトコンドリア。
これが「光合成」と「呼吸」の影の支配者。
しかし、その支配者も、また支配される側でもある。
彼ら葉緑体とミトコンドリアにも、
その内部に独自の「DNA」が組み込まれている」
「葉緑体とミトコンドリアにも……、
DNAが……?」
「……あります。
そして、彼らの「DNA」の構造を最初に描いた者が……、
水です」
「み、水が……DNA……を?」
章子の驚きに、
真理は頷く。
「DNAの内部構造を構成している塩基配列の配置構成は、
水が内部で発揮している吸熱反応の永久的な動きによって生まれたものなのですよ。
あの「DNA」の分子の螺旋構造配列は、水の内部にある永続的な吸熱反応の動きを厳密に緻密になぞってできた物なのです。
おそらくDNAの螺旋構造を解析した図を、水の液体時の分子配列に当て嵌めれば、
確実に合致するはずです。
DNAの螺旋構造図は、水が発揮している永久機関吸熱反応の力の方向性を完全に模写しているッ!
しかし、
DNA自体は、水の吸熱反応では動きません。
水が描いた状態では、まだDNAは完全に「絵」の状態なままです。
そこに命が宿ることはない。
ですが、
そこにもう一つの力が加われば「話」は別だッ!」
「それが、……『光』……?」
「……そして「熱」もです。
これが、いけなかったのですよ。
水の永久機関の動きが「吸熱反応」だったッ!
これが『最悪』の始まりだったッ!
熱と一緒に吸い込まれた光は、
ただの物質でしかなかった永久機関反応の方向性を模写しただけの「DNA」を刺激します。
DNAは「リン酸」を確実に含みます。
光は水の中でDNAという「絵」を切り破り「燃料」の一部に変えてしまう。
ATPという「リン酸」を含んだ燃料に。
「燃料」は「火薬」です。
そして、
その「火薬」は……「水」によって起爆し誘爆していく……っ」
「う、そ……だぁっ……っぃ」
「これが光合成の起源……ッ!
しかし、事はそれだけにとどまりませんでした。
ATPによって連鎖された高エネルギー反応は、
周囲に在った「二酸化炭素」までも巻き込んでいきます。
その「二酸化炭素」を巻き込んで、
「リン酸」の本体である葉緑体のDNAは、自分の身体に「有機物」を肉付けしていく。
それが究極的には「植物」となった。
本来であれば……、進化の過程はここで終わる筈だったのです。
光合成によって、「生命」が炭水化物によって肉付けされていき、
「植物」として成長し、そこで終わる。
しかし、現実はそうはならなかった。
光合成には、逆の意味で致命的な「悪魔の力」が備わっていたッ!
それが「補償点」ッ!」
「補償点?」
「補償点とは、
植物中に置ける、光合成の「過剰点」とでも言うべきものです。
植物が行う「有酸素呼吸」で排出された二酸化炭素が増えていく量と、
植物の中で発揮される「光合成」によって、二酸化炭素が吸収されて減っていく量が、釣り合う現象。
この釣り合った点を、「補償点」と呼ぶのです。
そして従来、
植物の行う「光合成」という現象とは、
植物が行っている「有酸素呼吸」よりも回転速度は格段に速いッ!」
「え……っ?」
驚く章子の目に、
真理は頷く。
「上回っているのです。
地球上での植物の光合成速度は、
植物の有酸素呼吸による「消費量」よりも「生産効率」が遥かに高いッ!
地球上での、
光合成は「過回転反応」になるのですよ。
これが、
光合成が行っている最も罪深い魔性の性質。
焼け太りです。
植物は、自分の太り続ける體を持て余していくようになる。
……そこで次に現われたのが……。
光合成だけを省いた生物……」
「……動物……っ」
章子の言葉に、
真理は頷く。
「彼らは……、
探すように出来ていました。
〝餌〟
という食べ物を必死に探すように造られた超自然的な「生物」です。
光合成によって生み出された「有機物」は……、
生命の存在しない自然界では、ほぼ風化現象的に「分解」されることは、まずありません。
水には溶けますが、それでも「生物」の力も何も無しで分解するには時間が掛かる。
それを「彼ら」は……探すように造られていた。
それが『彼ら』の宿命であり使命だった。
その『使命』は、光合成によって与えられました。
お気づきですか?
光合成の内部化学反応式と、
呼吸の収支式とでは、
入ってくるものと出ていくものとで、
一つだけ、
呼吸の収支式の方では決定的に足りない者が出てくるのですよ?」
言って、
真理は、光合成の化学反応式の図と、
呼吸の化学反応収支式の図とを、空中で、光学文字で並んでみせて、
章子たちに問いかける。
「……もしかして……、
……『日光』……?」
章子の振るえる答えに、
真理は頷く。
「その通りです。
植物の「光合成」では、二酸化炭素と光を取り入れていますが。
動物の「呼吸の収支式」では、二酸化炭素は外に出していても、「光」だけは出していないッ!
光合成の完全な可逆反応でもある、
呼吸の収支式では、
植物の光合成で吸収した筈の太陽の『光』だけは、
動物の「ある事」に変換されているのですッ!
それがッ……!」
「……これ?……」
茫然とした視線で、
章子は、自分の手を上から下に振る。
「そうです。
またそれなのですよ?
『行動』ですッ!
これが『真理』だったッ!
植物の行う『光合成』と、
動物の行う『呼吸』という現象とではッ!
太陽からの日光が、人間の行動に変えられているッ!
我々のこの「動き」は「日光」なのですッ!
「光」そのものなのですよッ!
「命」とは「慣性」だったッ!
我々の意思は、太陽の光の動きとまったく同じっ!
故にッ!」
〝我々は記録されている〟
……闇が近づく。
「……そして、
太古、
これに気付き、
この動きを自分たちの利己的な目的に利用して遺した文明がありました。
彼らは、仕組んだのです。
今も、真理の目の前にいる、
この、
いたいけな「二人」の少年少女の躰と體を実験台にして……」
真理の視線が、
現代の少女と少年、二人の用意された體躰を物色する。
「彼らはやってくる。
あなた方を仕組んだ、
古代の彼らが……。
この第二世界で出逢う時が、すぐにくる。
それはもう目の前です。
耐えて……下さいよ?
真理の主である『証』を見せてください。
仕組まれた進化を叩きつけられても、なお克服し!
立ち向かう姿を見せてくださいッ!
彼らは絶大で強大だ。
悪質性で言うなら真理学の覇都「ギガリス」よりもなお、
性質の悪い世界文明ですッ!
彼らの名は……「ムー」ッッ!」
その太古がついに来る。
この地に、
章子と昇と……、
この我々……。
人の進化を仕組んだ文明が……。
あらすじにもあります通り、再度、申し上げますが、
この短編作品は、同著者のとある本編作品の中で過去に投稿した話の内容の一部を短編作として再び抜粋し、一部に加筆、微修正したエイプリルフール専用の作品です。
つまり、この短編作中の全ての文の記述表現はエイプリルフール的な意味でしかございません。
したがって、この物語中に記述されている全ての内容の全ても完全にそれに同義です。
それ以上では決してありませんが、それ「以下」ではもしかしなくてもあると思います。