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43 ケインvs迅雷の孤豹 その2

 闘技場の観客席の一角、そこにメリア達は座っていた。

 元々はケインについていこうとした三人だったが、ステージには選手しか上がれないと止められてしまったので、仕方なく観客席に座っていた。

 まぁ、その容姿故に声をかけてくる男共が絶えなかったので、メリアが小さめの安息(セーフティ)を発動させているのだが。



「にしても、本当に大丈夫なのかしら?あれだけ攻撃されてるっていうのに……」

「心、配……」

「大丈夫だよー。私の持ってた魔力眼があれば問題ないって!」

「でもあれ、レベルあまり高くなかったって聞いたけど?」

「うっ」

「まぁ、()()()まで高くなかったらどうしようもなかったわね」

「あはは……」



 ケインがひたすら回避している間、三人はこんな呑気な会話をしていた。

 それは、四人で考えた作戦が上手くいっているからでもあり…


 そもそも、ケインが作戦無しでも負けるとは微塵も思っていなかったからである。


 それゆえ、策が決まり他の全員が絶句しているときに、三人だけは静かに喜びあっていた。




*




「キ、キサマッ!なぜ無傷で立っていられる!?ユートの大地割り(ガイアブロー)が確かに入ったハズなのにっ!」

「確かに威力は申し分ないけど、それじゃあ俺には通用しない」



 ロロヤ達は「嘘だろ……」といった感じで驚いているが……



 その通り嘘です。めっちゃ痛いです。

 手、我慢してるけどめっちゃ痺れてます。

 ただの痩せ我慢です。



 ユートを戦闘不能にしたスキル、それこそが俺達の作戦の胆となるスキル、〝反撃(カウンター)〟である。

 反撃(カウンター)は相手の攻撃に対して、攻撃をいなしつつ、逆に攻撃をするという特殊なスキルだ。

 また、スキルレベルと発動時に込める魔力に応じて、与えるダメージが増えるという性能を秘めている。

 レイラから受け取った反撃(カウンター)は、すでに最高点に達する程のレベルであった。

 レイラ曰く、親から護身用として受け継いだものだという。



 ただ、これほどまでに強い反撃(カウンター)にも、いくつか弱点が存在する。

 まず、受けるダメージが低ければ、与えるダメージも低くなること。


 次に、最低限で返そうとしても、今の俺では半分近くの魔力を持っていかれること。


 そして最後が今の状況、ダメージこそ無いが攻撃を一度受けるため、衝撃や反動などは体に残ってしまうことだ。


 今回の場合、かなりの威力の大地割り(ガイアブロー)を返すため、一度剣で受け流している。

 その時に受けた衝撃が、今も手に残ってしまっているのだ。


 だからといって、それを悟られる訳にもいかない。

 なので、少しでも時間を稼いで収まるのを待っているのだ。



「こっ、このクソがぁぁぁぁ!!」



 ロロヤが一か八かといった感じで突っ込んでくる。

 俺はそれを剣で受け止める。

 顔には出さないが、受け止めた衝撃でさらに手が痺れる。

 剣を落としそうになるのを必死で堪え、俺は攻撃に転じる。



「どうした?さっきまでの威勢が無いぞ」

「うっ、せぇ!」



 攻撃こそ優秀だが、小回りの効きづらい大剣では、ある程度小回りの効く俺の剣を防ぐことは難しい。

 それに加え、先の攻撃のしすぎでスタミナも切れかけている。

 逆に俺は、手の痺れこそ酷いものの、最小限で避け続けたためスタミナは十分にあった。

 それに、二人がまだ知らない反撃(カウンター)の存在が、二人の攻撃を抑制する。


 これこそ、昨日俺達が考えた作戦である。

 まぁ、予想外のダメージを負ったのは痛いが。



「リーダー!」



 エイザが俺とロロヤを引き離すべく、(フレイム)を放つ。炎は俺とロロヤを引き剥がすことに成功する。

 が、ここで追撃の手を緩める訳にはいかない。

 直前のロロヤの体制や俺との距離、武器の位置など……それらの情報を元に、ある一点に狙いを定める。



「〝火炎波斬(バーンスラッシュ)〟」

「ぐぉっ!?」



 智識と経験による予測を元に放った火炎波斬(バーンスラッシュ)は、見事に炎の向こうに居たロロヤを捕らえた。

 後退していたためまともに防御できなかったロロヤは、そのまま壁まで地面に叩きつけられる形で吹き飛ばされた。

 手の痺れでいつもより振りが甘かったものの、防御されなければ問題ない。

 壁に激突したロロヤはそのまま気絶し、戦闘不能となった。



「残るは、お前だけだ」

「くっ……」



 俺はエイザの方を向く。

 エイザも、俺から逃げない意思を見せてくる。



「行きます!」

「来い!」



 言うが同時、エイザの炎が俺に襲いかかってくる。これまでの炎とは数も込められた魔力も違う。

 まさに切り札といった、すさまじい(フレイム)だ。


 俺は、炎を避けつつエイザに詰め寄る。

 エイザに近づくにつれ、炎はより正確に俺に向かってくる。

 だからこそ、俺は全力で駆け抜ける。受け流し、弾き、切り裂き、掠め、食らい……



 時間にして、たった10秒。誰一人として瞬きをしなかった、その決着は……



「……」

「……僕の、負けのよう、です、ね……」



『しょ……勝者、ケイン・アズワードォォォォ!!』



 エイザの戦闘不能、そして人々の歓声の元、俺の勝ちで終演した。

戦闘シーン、もっと上手く書けるようになりたいです…

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