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334 襲うモノ、阻む者たち ③

【報告】

4月から私の職場における立場や状況、仕事時間帯の変更により、これまでよりも更新が遅れる可能性があります。

ここ数ヶ月ほど更新頻度が落ちていたこともあり、読んでくださっている皆様には大変申し訳なく思いながらも、読んでいただけることに感謝しています。


今後も無理をしない程度に更新していきますので、よろしくお願いします。

「だらぁっ!」

「はっ!」

「あぁクソッ!ちょこまかすんじゃねぇ!」



 どれだけ攻撃を振っても躱される現状に、ガラルはついに苛立ちが勝り始めた。

 まぁ、仕方ないだろう。なにせこちらが攻撃を当てられたのは、あの一回きりで、そこからは防戦一方、といった感じだからだ。

 では何もできないのか、と言われれば、そういうわけでもない。彼女らの攻撃は、良くも悪くも統率が取れ過ぎている。故に単調で読みやすい。

 ただし、読めたところで、それを崩せなければ意味は無いのだが。



「おい()()()!まだなのか!?」

「……まだだそうだ」

「そうかよ……ならさっさと見つけやがれ!じゃねぇとこっちが持たねぇぞ!」



 文句を言いながらも、彼女らの攻撃を捌くガラル。側に居るイルミスも少し苦笑しながらも、同じように攻撃を防いでいた。

 あの三人も、こちらを確実に始末するために、連携攻撃と撤退を徹底していた。


 ただ、彼女らが勘違いを起こしていることがあるとすれば、それは、ガラルの()()()()()()だろう。

 ガラルは確かに、俺に向かって文句を言った。ただしそれは、俺に対してではない。

 俺の中で待機してもらっている、()()()()に向けて言ったのだ。



「くぅ……っ!」



 イルミスが、次の攻撃は上手く捌けないと踏んだのか、一人その場から離脱した。イルミスを狙った三人の攻撃は、イルミスが離脱したことで外れた。

 そして、三人のうちの一人が、こちらに顔を向ける。次は俺か、と身構えたのもつかの間、なぜか彼女はこちらから視線を外し、ガラルの方へと仕掛けに行った。



(どういうことだ……?今のあの目は、確実にこちらを狙っていた目だった。それなのに……)

『……成る程、そういうことか。ケイン、見つけたぞ。彼らの隙を』

「――!〝波斬(スラッシュ)〟!」

「のぁっ!?」



 頭の中で、彼女達の隙を探すことに専念してもらっていたもう一人の―パンドラの声が響く。

 その瞬間、俺は彼女らに向けて波斬(スラッシュ)を放った。

 当然の如く、彼女らはそれを避け、また、その先に居たガラルも、危なげなく回避した。

 そして、彼女らがこちらと距離をおいて集まったのと同時、こちらも再び集合した。



「おいご主人サマ!今のはヒデェだろ!?」

「わ、悪かったって……それよりも」

「――っ、見つけたんですね」



 イルミスの問に軽く頷くと、二人は彼女らに気付かれぬように固まると、掌を俺の背中に触れ合わせる。

 それにより、疑似的に俺の身体の一部とみなされたのかは知らないが、俺の中にいるパンドラが、二人にも声を伝えられるようになった。

 そうして俺達は、パンドラが見つけた隙を、悟られること無く聞き出した。



「なるほどな……で、どうする?」

「俺がやろう。そういう役割なら、俺が適任だ」

「分かりました……でも、無茶はしすぎないでくださいね?」

「あぁ。狙うのは、俺が傷を付けたあいつだ。チャンスは一度きり、確実に決めるぞ!」

「はい!」「おう!」



 密談も終わり、改めて彼女らの方を向く。

 距離こそまだ少しだけ開いてはいるが、確実に詰めてきている。あちらとしても、そろそろ仕止めておきたいのだろう。

 そして、俺達から約五メートル離れた位置で、彼女らは立ち止まった。


 風の音と、微かに聞こえるナヴィ達の戦闘音が、その場を吹き抜ける。

 そして、誰が言うわけでもなく、合わせるわけでもなく、さもそれが当然とでも言うかのように、彼女らは同時にこちらに迫り、手に持つ刃を振り下ろした。

 その刃が俺達に届く寸前、俺達は大きく横へと跳躍し、攻撃を躱しつつ三方向に別れて距離を取る。

 だが、それなりに距離を離した二人と違い、俺は大した距離を取れなかった。

 そして、攻撃を躱され、地面を叩いた彼女らは、こちらに顔を揃えると、無茶だろうという体勢から、俺に向かって飛び出した。


 だが――



「――待ってたぜ!この瞬間(とき)を!」


 *


「距離、ですか……?」

『そうだ。あの三人は、攻撃を大きく躱された、あるいは防がれた時、そこから最も近い相手を狙う規則性がある。裏を返せば、そこさえ誘導できれば、付け入る隙は大いに存在しているであろう』


 *


「――ッ!?」



 俺に向かって飛び出した三人。だが、地を蹴り、その身体が完全に宙に浮いたほんの一瞬、その瞬間を狙うかのように、彼女の真下から土と岩でできた槍が、彼女を突き上げた。

 設置型〝大地の槍(グランドランス)〟。即興で考え思い付いた、彼女らの隙を付く方法。

 そして、それは見事に決まり、彼女らのうちの一人を、一気に空中へと引き剥がしたのだ。


 とはいえ、まだ俺に向かって来る二人が止まることは無い。

 それでも、俺はやるべきことをやらねばならない。イルミスとガラルの動きを見て、空歩の位置を再設定し、二人の動きをサポートする。

 そうこうしているうちに、残った二人の刃が目前に迫っていた。

 だが、問題はない。



「「――ッ!?」」

「悪いなっ!」



 二人の刃が、俺を引き裂こうとする、その直前、俺の周囲に強烈な突風が吹き荒れる。

 (テンペスト)の暴風を、真正面かつ直接受けた二人は一気に押し戻された。


 *



「「だぁぁぁぁっ!!」」



 突き上げられた彼女は、その直前、宙に浮いていたため、空中で大きくバランスを崩した。

 そして、その一瞬を待っていたと言わんばかりに、ケインが設定した空歩の足場を蹴った二人が飛び上がり、彼女を挟むような形で、再度設定された空歩を蹴ると、同時に彼女を殴り飛ばした。


 空中でバランスを崩した彼女は、防御をする暇すら与えられず、二人の拳をもろに受ける。

 そして、ベキベキという音と、僅かなスパークを散らしながら、普通にしていればまずできないであろう体勢で回転しながら落下し、強く地面に叩きつけられた。

 何度か地面を跳ね、ようやくそれも落ち着き、うつ伏せの状態で止まった時、彼女はその顔をぎこちない動きで上げた。



「イ――セ……外、テ――除――ハ、行……」



 その言葉を最後に、彼女はその動きを、完全に停止した。

ビシャヌ「……ということで!〝ビシャヌのなんでもラジオ〟始まりますよ~」

ウィル「ということで、じゃ無いですわ!?誰に向かって話しかけているんですの!?というかここどこですの!?」

ビシャヌ「え?『本編とは全く関係の無い空間』ですけれど?」

ウィル「本ぺ……?ビシャヌ、何を言っていますの……?」

ビシャヌ「まぁまぁ、気にしたら負けですよ。というわけで、今後は時々配信していきますので、よろしくお願いしますね~」

ウィル「……よく分かりませんが、本当にそれでいいんですの……?」

ビシャヌ「あ、お便りもお待ちしてますからね~」

ウィル「いやだから誰に向けて言っているんですの!?」


※本当に本編とは全く関係ありません


ウィル「なんか文字が!?」

ビシャヌ「気にしたら負けですよ♪」

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