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03 調査依頼

「調査依頼…ですか?」

「あぁ」

「それで、どこを調査するのでしょうか…?」

「君もよく知っている場所、ブルトン洞窟だ」

「ブルトン洞窟って…まさか()()()()()()()()のですか!?」

「あぁ、その通りだ」



 ギルドには、それぞれ管理しているダンジョンと呼ばれるものがある。

 ダンジョンも依頼と同じように難易度によってランク分けされており、その中でもブルトン洞窟は最高でもEランクのモンスターしか出てこないため、冒険者の間で「初心者ダンジョン」と呼ばれている。



「…それで、なぜブルトン洞窟を調査する必要が?」

「あぁ、実は最近あのダンジョンで本来出るはずの無い、Dランク相当のモンスターが出てきたとの報告が冒険者から相次いでいてね…」

「うーん…そこだけを聞くならば、わざわざ俺に指名依頼する必要は無さそうに思えますが…」

「確かに。Dランクのモンスターが出てきただけなら、わざわざケイン君に指名依頼をせずとも、Dランク辺りの依頼として出す方が良いかも知れない」

「ですが、そうは出来ない問題がある…ということですか?」

「察しが良いな。本来ダンジョンのモンスターの生態系は、奥の方から先に変化していくことがほとんどだ。だが今回の場合、()()()()()()()()()()変化が起きているのだよ」

「外側にも…ですか?」



 ギルド長の言う通り、ダンジョンの生態系や構造などが変化する最、入り口付近やダンジョンの周りなどはほとんど変化せず、ダンジョンの奥に行くに連れ、大きな変化が見られるようになる。

 だが、ダンジョンそのものが変化するなど聞いたこともない。

 ましてや、ダンジョンに入る前から変化が起きているとなれは尚更だ。



「それで、具体的にどのような変化が…?」

「まず、ブルトン洞窟の3階層でDランク相当のモンスターの出現が確認された。その影響だろうが、元々いたモンスターが追い出され、外の方に溢れてしまっているのだ」

「なるほど…被害の方は?」

「すでに何件か来ている。今のところ、有志の冒険者を集め、ダンジョン外のモンスターの殲滅を行ってはいるが、肝心のダンジョン事態の調査は出来ていないのだよ…」

「それで、俺に調査をお願いしたい…と」

「あぁ。受けてくれるかい?ケイン君。」



 ブルトン洞窟は10階層のダンジョンだ。

 そこまで広い訳ではないが、モンスターが沸く速度は少し上のランクのダンジョンと同じくらい早い。

 そんなモンスターが追い出されて、外に追い出されている。となると、相当な数が今もダンジョンの周囲にいることになる。

 それに、問題なのはDランクモンスターが発見された場所が3階層であることだ。

 本来なら変化が起きた最、10階層辺りで出現するはずのモンスターが低層で出現したということは…


 (恐らくギルド長は、奥の方にC()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()と考えているのだろう…)


 そう考えれば、下手にDランク冒険者に依頼するより、Bランク冒険者であるケインに依頼をする方が、より安全であると感じられる。

 そうとなれば、ケインが出す答えは一つだった。



「わかりました。この依頼、お受け致しましょう。」

「…!そうか。助かるよ、ケイン君」



 ケインにとっても、ブルトン洞窟は冒険者になりたての時に、何度も潜って依頼をこなしてきた思い入れがある。

 それに、ブルトン洞窟は他の冒険者にとっても大事な場所である。

 ケインに、断る理由は無かった。


 その場で指名依頼を受けたケインは、ギルド長と調査内容を話し合い、二日後に調査に向かうことを決定した。


 そして二日後、ケインはブルトン洞窟へと潜っていった。





―――――――――――――――――――――――






(……………皆、どこ?)

(…………アイツら、絶対に許さない)

(………でも、今の私には…もう…なにも…)


「どうして…私は……誰か………!」

今回から文章のレイアウトを変更しました。

より見やすく、楽しめるよう精進いたしますので、今後もよろしくお願いします。

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