180 決着
約三週間、お待たせしました。
更新再開します。
「オラオラオラオラァ!」
「ぐっ、このっ…!」
ガラルの強烈な攻撃が、ダリアに休む暇を与えんと言わんばかりに連続して襲いかかる。
ダリアもなんとか受け止めてはいるが、その顔に余裕は存在しておらず、まさに防戦一方といった様子であった。
「調子に、乗るなっ!」
「はっ、あめぇんだよっ!」
「ぐぅっ!?」
ガラルはダリアの攻撃を難なくかわすと、強力な蹴りを叩き込んだ。その蹴りは、寸分狂わずダリアの腹部に直撃。その衝撃で、ダリアは体勢を崩してしまった。
「隙だらけだぜ?王女サマッ!」
「なっ!?」
今度はダリアの背後に回ると、そのまま拳を突き上げ、ダリアを空中へと殴り飛ばした。
空中へ弾かれたダリアだったが、なんとか体勢を立て直し、反撃を試みる。
が、すでにガラルは追撃の一手を振り下ろしていた。
「オッラァ!」
「がっ!?」
振り下ろされた金棒が、ダリアの腹部を捉える。そして、その勢いのまま、ダリアは地面に叩きつけられた。
「おいおい…もう終わりかぁ?」
「ぐっ…!ま、まだだ…!」
「へぇ…んじゃ、遠慮はしねぇ!」
「うおぉぉぉ!!」
叩きつけられたダリアが立ち上がり、再びぶつかり合う。が、今のダリアでは勝てない。
それは、誰の目にも明らかなことであった。
「ぐっ、ぐぅぅ…!」
「貰ったぁ!」
「っ、しまっ…!」
激しいぶつかり合いの中、ダリアの手から、イグニスが離れた。
取りに行こうにも、地面に刺さったイグニスとは距離があり過ぎる。もう一つの武器であるエンプレスも、同じく地面に突き刺さったままだ。
「くっ…!」
「…王女サマ、テメェの名は?」
「…ダリア。ダリア・ソル・エルトリートだ」
「そうか。その名、覚えたぞ」
ガラルの金棒が、丸腰になったダリアの体を打ち飛ばす。ダリアは何度も地面に叩きつけられ、そして、立ち上がることは無かった。
「…おい審判」
「え…あっ…」
ガラルに話しかけられるまで、呆然と立ち尽くしていたゲランドだったが、なんとか持ち直す。
その顔には、未だに信じられない、といった表情が浮かんでいた。
「しょ…勝者、ケイン・アズワード!」
その言葉は、やけに静かなこの場所で、よく響くことになった。
この休載中に書きたいお話がいくつか出来たので、この章の話を書き終わったら閑話で書きたい




