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15 町の違和感

 丘の上から町らしき場所を見つけた俺達は、その町を目指して進んでいった。

 道中はメリアのおかげでかなり楽になったため、余裕をもって進むことが できた。

 そして町を見つけてから二日後、その町に着くことができた。



「へぇ、結構活発な町じゃないか」

「うん、そう、だね」



 町に入った俺達を迎えたのは、とても多くの種類の出店が並ぶ、活気溢れる大通りだった。

 少し歩けば大通りの至るところから美味しそうな匂いや元気よい呼び寄せの声が聞こえる。

 この町は活気の溢れるいい町だなぁ、と感心しながらふとメリアの方を見ると、なぜか複雑そうな顔をしていた。



「ん?メリア、どうしたんだ?そんな難しそうな顔して」

「…いや、ちょっと…うーん…」

「なにか思うことがあるなら言ってみてくれ」

「…分かった。とり、あえず、町、の、人に、話、を聞、きた、い」

「話?いったいなんの…」

「話、聞い、てか、ら、じゃな、いと…勘、違、いかも、知、れない、し」



 なんだろうと思いつつも、メリアが町の人に話を聞きたいらしいので、探しにいこうとしたところ、とてつもなくいい匂いが届いた。

 メリアにはすでに届いていたらしく、若干よだれが垂れている。



「…この、匂い、お肉…!しか、も、か、なり、の品、質…!」

「さすがだな…そこまで分かるのか…」

「とり、あえず、こ、のお、肉、食べ、たい…!」

「あはは…人探しは後にして、先に食べに行こうか」

「うん…!」



 メリアは、返事をしたそばから走り去っていく。

 どうにも歯止めが効かないらしいメリアを追いかけると、一つの出店の前に立っていた。



「いらっしゃい!あんちゃん、この嬢ちゃんの保護者かなにかかい?」

「まぁ、似たようなものです」

「おぉっ、そうか。この嬢ちゃん、ここに来てからずっと美味しそう、美味しそう。って言ってくれるからよ!嬉しい限りだぜ!」

「そうですか…メリア、どれ食べる?」

「串、焼き、5本!」

「おいおい、そんなに食べられるのか?」

「えぇ、大丈夫ですよ。あ、俺の分も合わせて6本下さい」

「あいよ!ちょっと待ってな!」



 そういうと、出店のおっちゃんは蒸した肉にタレを塗って、再度焼き始めた。

 たちまち辺りに香ばしい、いい香りがひろがる。

 すでにメリアは我慢の限界に到達しようとしている。

 …俺も、早く食べたい。



「待たせたな「肉ぅ!」ってうぉっ!?」

「むぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐ…」

「あー…すみません…」

「い、いや。いいってことよ。それよりほら、あんちゃんの分」

「ありがとうございます。それと、お代です」

「むぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐ…」

「どうも。にしても、この嬢ちゃんいい食べっぷりだねぇ。むしろよすぎるくらいだ」

「それだけ食べたかったんですよ」

「むぐむぐ…ふぅ、ごち、そう、さま」



 串焼き5本をもう食べ終わったのか…

 というか、まだ俺は口にすらしてなかったな。

 さて、どれどれ…



「う、うまい!」

「ふふん。そうだろう?」

「あぁ、いい腕をしているんだな」

「よせよ、照れるじゃねぇか」



 そんなたわいもない、平和的な会話をしていると、メリアの目がまた変わった。



「ねぇ、おじ、さん」

「ん?なんだい」

「おじさん、は、この、町の、人?それ、とも、違う、町、の人?」

「この町の生まれだし、この町育ちだよ」

「そう…なら、話は、早い」


「…ねぇ、あな、たたち、は、何、を恐、れて、いる、の?」

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