少年
楽しんで頂けたら嬉しいです。
「まずはまともな呼吸がしたい」
少年は空を見上げ、焼き付くような太陽を遠目に見上げて、深く息を吐いては深く息を吸っていく。
春はそよ風に身を晒し、夏は水を肌に付け、秋は穀物を食べ、冬はこたつの中で本を読む。
一年を通して、各季節の長所を振り返っては、今を落ち着かせる為に行動をする。
人は何故生きるのか。
人の築く物語にはどんなものがあるのだろう。
生きていく為に何をするのだろう。
生活にはどんな物が必要なのか。
少年は今を考え、生きていく。
時には同級生に虐められ、怒られては自分を慰めて、人に当たること無く今を生きる。
時には後輩に勉強を教えて、自分の分からない事を調べながら他人に協力しては今を生きる。
時にはすれ違う人を眺めて、自分の服装を見直し今を生きる。
少年は日々、考えることを辞めなかった。
考えることで、自分にとって大切な出来事を見つけることが楽しみであった。
考えることで、人の笑顔を見ることが嬉しかった。
考えることで、人に小馬鹿にされることがないように生き、人の中に混ざれることが自分の【今】であった。
少年は今日も考え、今を生きていく。
「さあ、今日はどんな物語が始まるのかな」
よんでくれてありがとう。