5話
僕は人化を解くと同時に、断絶結界を張る。
断絶結界とは結界内部をその世界から切り離すことが出来る結界だ。
今の僕の格好は髪の白く、右側に角が生え、翼が生えている状態だ。
魔王達を見ると、冷や汗を垂れ流し、顔色は真っ青だ。吸血鬼の女性に関しては土下座している。
その吸血鬼の女性が
「すみませんでした!ご命令をお願いします!何でもします!許してください!」
と、早口で言ってくる。
「許しますよ。だから頭を上げてください。それと命令は、魔王に忠誠を誓ってください。」
「はっ!」
そう言い、真っ青な顔色の魔王の隣に立った。
人化しておく。
「魔王さん。」
「な、な、な、何?」
「あなたのは平和を願っていますか?」
僕の問いに魔王は少し答えることを躊躇っていたが
「えぇ、願っている。」
と、答えた。
この答えに魔族達は目を見開いている。
「な、何故ですか魔王様!」
「それは私が、平和がいいと思っているからだ。」
「奴らは下等生物です!」
「そうです魔王様!」
「殺しましょう!」
そんなことを側近達が言っている。
僕はこれはダメだと思い、声をかけた。
「では、人族と同盟を結びましょう。」
「・・・分かった。」
「では、僕は今から行きます。王には言っておくので、ここに来てください。」
そう言いながら地図を出し、ゴテヘゲンへ来る時に通った北端の村に手を指した。
「分かった。いつ頃がいい?」
「1週間後でお願いします。」
「そう、ありがとう。」
「はい。では、1週間後にまた合いましょう。」
そう言い、話し合っていた部屋の扉を開けて、外に出る。結ぶのは困難だろうなと思いながら。
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