2話
異世界に召喚された翌日、僕達は王城の訓練所にいた。
「よーし、お前達ちょっとこっち来い。」
金髪の男性、聖騎士団長が僕達を呼んでいる。
行ってみると
「今日から訓練が始まるからな。お前達のステータスが見たい。これに血を垂らしてくれ。」
「これは何ですか?」
名前も知らないイケメンなクラスメイトが質問する。
「あぁ、これはな、ステータスプレートといって、血を垂らすとそいつのステータスがでてくるんだ。」
「へぇ、便利な物ですね。」
「当たり前だろう。王族などしか基本持っていないからな。」
といいながら、団長はステータスプレートに血を垂らした。
「これが俺のステータスだ。」
アルロア
種族:人族
性別:男性
年齢:43
天職:聖騎士
状態:正常
レベル:95
体力:12684
筋力:10039
俊敏:10271
魔力:9275
攻撃力:51389
魔法攻撃力:38991
物理耐性:5367
魔法耐性:6905
魔法:光
称号:人族の国の聖騎士団長 人類最強格 王の剣
と表示される。
「強いですね!」
と言われアルロア団長は照れながら、
「次はお前達だぞ。」
「はい!」
返事をしたイケメン野郎が血をステータスプレートに垂らす。
首藤 勇吾
種族:人族
性別:男性
年齢:16
天職:勇者
状態:正常
レベル:1
体力:1000
筋力:1000
俊敏:1000
魔力:1000
攻撃力:5000
魔法攻撃力:5000
物理耐性:1000
魔法耐性:1000
魔法:光 無
固有能力:勇者の鎧 勇者覇気 言語理解
称号:異世界に召喚されし者
と表示された。
「さすが勇者。強いな。」
「いえ、団長さんの方が強いですよ。」
「いや、レベル1のステータスは高くて100だからな。お前はその10倍の強さってことだ。」
勇吾はその言葉を聞いて絶句している。
他のクラスメイト達は、自分もそれくらいの強さなのかと興奮している中、桜夜は戮と一緒にアルロア団長にステータスを見せに行った。
桜夜がステータスプレートに血を垂たらす。
御浦 桜夜
種族:人族
性別:女性
年齢:16
天職:剣帝
状態:正常
レベル:1
体力:1200
筋力:1000
俊敏:1500
魔力:500
攻撃力:2000
魔法攻撃力:500
物理耐性:1000
魔法耐性:1000
魔法:風 雷 無
固有能力:剣の結界 剣召喚 言語理解
称号:異世界に召喚されし者 永遠の貧乳
「おお、俊敏や攻撃力は高いが、魔力や魔法攻撃力は逆に低いな。だが、天職の剣帝は凄いぞ。剣を使う天職では、最上位だからな。」
「はい。分かりました。ありがとうございます。」
「では、僕がしますね。」
戮がステータスプレートに血を垂らす。
アルロア団長が戮のステータスを見て、眉をひそめる。隣で桜夜も戮のステータスを見て、驚いている。
「戮、お前は攻撃力と魔法攻撃力がとてつもなく低い。だが、他のステータスは10000もあるのは異常だ。このステータスでは壁役になってしまうが、大丈夫か?」
「あ、はい。大丈夫です。」
「良し、まぁいいだろう。次!」
そんな言葉とともにアルロア団長は他の所へ行った。
そして、全員のステータスを確認したアルロア団長が
「お前達、訓練を開始するぞ。」
と言った。皆が集まった。
「良し、まずはグループ分けをするぞ。」
結果的に前衛15人後衛15人と二つに分かれた。
そして、個人個人に聖騎士団の人がつくらしい。
僕には、アルロア団長がついた。
「・・・何故僕なんですか?」
「ははは、酷いな戮は。」
「アルロア団長と僕は全く違うタイプの戦い方でしょう?」
「それはな、団員の中に戮みたいなやつが居ないからだ。」
「要は押し付けられたと言う事ですね。」
「そうだな。」
「まぁ、これからよろしくお願いします。」
「あぁ、こちらこそよろしく。まず、戮がどんなことをするかだが、簡単に考えて壁役だ。ここまではいいな?」
「はい。」
「で、訓練のやり方など分からん。というかそのステータスだと人と合わせた動きしか出来ないしな。」
「はい。」
「まぁ、そうだな。おーい、エレン!」
と、聖騎士副団長の名前を呼ぶ。
そして、銀髪の女性が桜夜と一緒にやってきた。
「何ですか?団長。」
「お前の所の桜夜と、俺の所の戮で合わせてみよう。」
「はい、分かりました。団長。」
「そう、一々団長と言わんでくれ。」
「一応、決まりなんですけど。」
「それでいい。」
そして、団長はこちらを見て
「良し、二人共、合わせて動いてみろ。」
そんな感じで訓練が始まった。
5日たって少しこの世界の理になれてきた。
この世界の地形もある程度分かった。どうやらこの世界、名をブムキゴドと言い、大陸の名はケアテゼゼと言うらしい。大陸の形は星型で北から時計回りに人族の国、エルフの国、ドワーフの国、竜人の国、獣人の国とあり、真ん中に五角形のように森がひろがっているらしい。また、エルフの国の最西には、聖樹があり、そこには、精霊と妖精がいるらしい。
その周りに海があり、またその周りにきれいな円を描くようにして、ゴテヘゲンと言う大陸がある。そこに魔族達がいるらしい。
そして、魔法のことも分かった。
初級魔法の火、水、風、土、光、闇、無とあり、
中級魔法の炎、氷、雷、樹、聖、邪、操作とある。
上級魔法の燃焼、氷結、雷雲、自然、神聖、死霊、言霊がある。
また、特異魔法として、重力、空間、召喚、時間、契約などがあるらしく、たまに持っている人が見つかるだけで、そういう人は国が保護をするらしい。また、特異魔法は見つかっていないものがあるだけで、違う特異魔法も昔はあったらしい。
そんな日の夜、僕は桜夜の部屋にいた。
「桜夜さん。」
「何?」
「僕はちょっと魔王達に会ってきます。」
「え?何で?」
「実はですね、魔王は多分攻める気はないと思います。平和を願っていると思うんです。」
「うーん、でも、どうやっていくの?」
「すみません。教えられません。」
「いや、だと思ったから。」
「ありがとうございます。」
「じゃあ、団長達にはなんて伝えておくの?」
「飽きたから、放浪すると言っといてください。」
「分かったわ。いつ行くの?」
「もうじき行きます。」
「そう。ま、頑張ってね。」
「はい。それでは。」
そう言って僕は桜夜の部屋から出て、最低限の物を持ち王城から抜け出した。