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肩の力を抜いて書く事も、たまには必要ですよね。

 ボバーッ!


 目の前のT字路を、炎が横切る。

 なんだあれ馬鹿じゃねぇのか。トラップか何かか?


「キャホー! キャホキャホー!」


 何かいる。誰だよ。トラップじゃねぇ。


「どうやらT字路を曲がった先でどなたかが炎魔法を使っているようですね」


 迷宮みたいな狭い通路ばかりのところで炎を使うって何なの?

 馬鹿なの?

 死ぬの? ていうか余波で俺、そろそろ崩れるよ?


「逆に言えば、自身に被害が及ばないと言う自信があるなら、敵にとっては脅威となるでしょうね」

 

 体の前で腕をムキッと組みながらナーガのハインリッヒが言う。

 ていうかそんな冷静な反応いらない。


「ワフゥー! (あついのやだー!)」


 そうだよな、なんか違う気がするが、お前は分かってくれるよな。

 俺の味方はワンコ、お前だけだよ。


「それは聞き捨てなりませんね。私だって、ガイコツさんの味方のつもりです」

「カタカタカタ」


 分かった分かった。訂正するよ。

 お前も大事な俺の味方だ。

 だからちょいちょいムキるのはもうやめろ。お前の大胸筋とかそろそろ見飽きた。


「いいでしょう? さりげない筋肉の魅せ方で。私はボディビルの様なあからさまな魅せ方は好きではないのですよ」


 知らんがな。


「ですが見飽きたと言うからにはさりげなさが足りなくなってきたのでしょう。ワイシャツでも着ますか? それで腕まくりした袖から覗く逞しい腕。うん、素晴らしい」

「カタタ……」


 ワイシャツって言ったってお前、ズボンはけないじゃん。

 シャツの裾がびろーんってなるぞ?


 ボバーッ、ボバーッ!


「キャッホー! アハハハ!」


 おっと一瞬忘れ去ってたぜ。

 笑い声をあげながら炎魔法ぶっぱしまくりのアホがいたのをよ。


「それでどうします? B4Fへの階段はあの先ですが」

「カタカタ」


 行くしかあるまいよ。


「ですね。魔法はどこかで途切れるはずですから、そのタイミングで走って通り抜けましょう」


 

 よし炎の途切れ目だな。


 いち、にの……さんっ! 


 

 ボババーーーーッ!


 ガシャバーン! 



 俺が角を曲がった瞬間炎がきて、俺の骨たちは散り散りに吹っ飛ばされた。


 うん、分かってた。分かってたよ。

 角を曲がった瞬間にきそうだなー、って思ったし。

 そういうの「持ってる」って自分でも分かってるし。

 それに俺、走れないから。

 ワンコたちと同じタイミングで走り出しても意味無いし。


「なになにー? あんたたち何なのーっ?」


 でも取りあえずワンコとハインリッヒは通過できたみたいだ。

 彼らと魔法をぶっぱなしていた誰かの会話が聞こえる。

 俺の頭がい骨はあさっての方向を向いてるから見えはしないんだけどな。


「ワン、ワォンッ! (このおばか! 毛がこげちゃったじゃん!)」

「貴方は、ピクシーの……」

「私はメロ!」

「そう、メロさんでしたね。私はナーガのハインリッヒと言います」

「ウゥゥゥ! (ゆるさないからね!)」


 そんな感じで、俺が元に戻るまでに、ハインリッヒがメロに事情を説明していた。


 そして、


「あたしも行く! 面白そう!」


 マジかよ。来なくていいよ。

 お前近くに居たら崩れちゃいそうだし。


「いやって言っても、行くからね!」

「ワゥーン (こないでよー)」


 やはりワンコ、お前は心の友だ。


「カタカタ」


 まあいいや。先に進もう。

 

 そうしてまた一人、旅の道連れが増えた俺であった。







「じゃ、景気付けに一発!」


 ちょ、やめっ!



 ボバーンッ!


 ドガシャーン!


 

 メロのおかげで迷宮を進む速度が30%ほど減少したのは言うまでも無い。




現在位置  B3F(B4Fへの階段付近)


迷宮主の居る最下層  B10F

誤字とか話の不備とか見つけても、そっとしといてください。

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