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あと一歩、踏み出したなら。  作者: 姫ちゃん
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こんにちは。姫ちゃんです。

同じ日に二回も更新することになるとは思っていませんでした…(;゜ロ゜)

前回よりも、内容は短めです。


翌日、また学校へ登校して、自分の席につくと、先に来ていたのか、由理が机に寄ってきた。



「おはよ、柚葉」


「おはよー、由理」


彼女たちが通っているのは、県立橘西高校。

県の郊外にある、有名大学への合格率が高いとされている進学校だ。県立の割にはきれいな校舎が並び、グレーのスラックスとスカートが印象的な高校である。不便といえば最寄り駅へのアクセスが悪いくらいだ。


このクラスは、一年生の時に決められたとされる、成績上位者四十人からなるクラス。柚葉は文系枠でこのクラスに入ることができた。ちなみに由理は理系枠からである。由理は理系が得意中の得意で、数学などでは学年五位内に入ったこともある実力者だった。柚葉はというと、国語がずば抜けて得意で、他の文系もそこそこといった感じである。しかし理系はからっきしで、いつもテスト対策の時などは由理に傍についていてもらわないと、余裕で追試のレベルにまで下がってしまう。


由理は訊いた。



「今年も、図書委員やるの?」


「やるやる」


「よくもまあ、あんな幽霊職につきたいと思えるわねえー」


「幽霊じゃないもん!」


反駁すると、由理は面白そうに笑って、


「ほぼ幽霊みたいなものじゃないのよ」


と返した。


「た、たしかに志願者は少ないけどっ」


柚葉は言いよどんだ。

進学校であるこの高校には、図書室に自習スペースが設けられているが、それを利用する生徒はほぼいない。この高校の生徒は何故か自立心が高く、学校よりも塾の自習スペースの方がやる気になるし、授業にもスムーズに出席することが出来る、というのがその理由である。利用者といえば、昼休みに本を借りに来る生徒が来るか来ないかというところである。実際、一年生から図書委員を続けてきた柚葉でも、本を借りに来た生徒を見たことは片手で数えられるほどしかいない。そんな図書室を管理する図書委員は確かに、由理の言うとおり幽霊職と言われても仕方ないのかもしれなかった。




「や、でもウチ、図書室好きだし…」


「まあ、確かに誰のいない図書室を占領できるのはいいかもしれないけどさ」


「でしょ!?」


「まあ、私はやる気にならないわ、どっちにしろ」


「普通、やろうと思う人いないだろうしね」


「とか言って寂しいんでしょ、可愛いわねー」


由理はそう言って柚葉を抱きしめる。


「こら!!」


「あったかいわー、これで柚の香りしたら最高」


「人で遊ばないの!それに名前が柚葉だからって柚の香りなんかしないし!」


でも、こんな由理に救われている部分があるのも柚葉は認めていた。実際、こうして由理と一緒にいると、無意識に心にのし掛かる重みが取り除かれるのが分かる。その重みはあの彼から来ているか否かは分からないけれども。



「今度、遊びに行こうよ、買い物でも」


「買い物?」


「そ。久しぶりに部活長く休みなのよ」


「やったじゃん!行く行く!」






そして授業を受けたあと、図書館へ向かった。部活もあったが、今日はこちらを優先させると友達にも話しておいた。

今日は図書委員志願者が集まることになっていたのである。ホームルームのうちに担任に図書委員になりたい旨を述べておいたのだ。



図書室についた。すると、面白いことに、その顔触れが去年とほぼ変わらないことに気付く。二年生はそのまま柚葉を入れて三人ほど。そして不安そうにあたりを見回す一年生が二人。ちょうど各曜日一人ずつ回せそうだった。



そのまま着席して、図書室を昼頃預かっている司書の先生から、貸し出しの仕方や、返却本の戻し方等説明を受けて、担当する曜日が割り振られた。

柚葉は木曜日。部活が被らなかったことに安堵する。他の生徒も問題なかったようで、つつがなく図書委員会は終わった。



今日は柚葉が担当する曜日ではなかったので、真っすぐ部室へ向かう。彼女は軽音楽部に所属しており、小さい頃から習っていた箏を取り入れた一風変わった和楽器バンドだった。他にも尺八がいたりする。


この日はそのまま、部活をして家へ帰った。

柚葉はこの穏やかな生活が好きだった。

よもやそれがひっくり返ってしまうとは思わずに。





由理ちゃんの性格が、自分の思っていたはずのものと違う…笑

本来はもっと、クールになるはずだったのですが。

気づいたら、より温かい人為になっておりました。


次回もこんな感じになるかと。更新頑張ります。

それでは、ご覧いただきありがとうございました!

またお会いしましょう。   

               by 姫ちゃん

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