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♯46 テスト返し

「今、何日だ......?」

スマホを確認すると、火曜日の夜。前回はいつだったっけ......?あ、そっか前回も火曜日だったか。

じゃあちょうど1週間経ったってことね。まあ、このぐらいなら想定内。


パソコンを立ち上げてQuitterを開く。いつもだったらここで配信の反応を見に行くが、今回は違う。


「...どんぐらい回ってるかな〜」

再生数という直接的なワードを出さず、コラボ動画1本目の現状を把握しにいく。


まあ、コラボ動画だしね。1万再生は流石に行ってもらわないと向こうに申し訳ないよ。


アカウントで宣伝したリンクからMouTubeで飛ぶ。

さあ、どうなっているのか......。



「.......え?」

目をこする。パチパチと瞬きをしてもう一度画面を確認する。


「じゅ、13万!?.......っ!」

思わず大きな声が出てしまい、口を(ふさ)ぐ。

その状態でさらに画面を再確認する。

そこには間違いなく13万という数字が評価してある。


「え、これ...バズった......?」

世間一般の「バズる」がどういう基準なのかは知らないけど、これは言ってもいいだろ!なんせ、今までの何倍もの再生数を叩き出してるんだし!


「......これがコラボの力か」

そのまま画面をスクロールしてコメント欄を覗く。

いつもの配信や動画だと20件ほど、良くて30件ぐらいなのだが......今回は......



「ろ、600!?...っ!」

またもや大きな声を出してしまい塞ぐ。

いや、学習しろよってなると思うけど無理だから!

これで黙って確認しろっていう方がおかしい!


...正直現実味が無さすぎて確認できないかも。これ炎上してない?大丈夫?


というか、今コメント欄では炎上してるかもしれない可能性と称賛されている可能性とが両立してるから...シュレディンガーの猫みたいな話だ......ふふ。



「.......見よう」

あーでもどうしよう。やっぱ怖い!確認したいけどしたくない!だって、おもんなさすぎて炎上とかしてたら悲しすぎるっしょ!


「......よし決めた。10個だけね」

折衷案として上から見ていって10個だけコメントを確認しよう。うん、これならギリなんとかなる。


「.....さあ、どうだ!」

ゆっくりコメント欄をクリックする。




コメント欄では大絶賛と言って良いほどの中々の反響だった。皆が口々におもしろい、最高とコメントをしてくれていた。


「みう。さんの方ではどのくらい回ってるんだろ」

次にみう。さんのチャンネルを開けば、1番に飛び込んでくるチャンネル登録者数。


「やっぱ20万って凄いな......」

果てしない。本当すごいなこの人。


で、動画の方はと......。


「うわぁ、もう20万行ってる......やば」

まだ投稿してから1日とかそのぐらいしか経ってないのにな、羨ましいなあ。



「あ、準備準備」

急いで立ち上がりシートを貼り付け、マイクを取り出す。その最中、今回のコラボを改めて考える。


やっぱり、なんで僕みたいな無名配信者とコラボしてくれたんだろう。だって僕は登録者数1万人ぐらいで向こうは20万人だよ?


通常、コラボというのは互いにメリットがあることを前提としておこなわれている場合が多い。なので、基本的には同じぐらいの登録者数を持つ人同士だったりってのが普通だ。


片方が登録者が少ないって場合でも、その人が有名になり始めてるとか反響を呼びそうな相手だろうし。


僕はそのどっちにも当てはまらない。みう。さんぐらい登録者数がいるわけでもないし、最近有名になり始めてるわけでもない。考えれば考えるほど謎が深まるばかりだ。


それに、有名になり始めてるってのはみうりさんの方だ。もちろん現時点でもかなり有名なのだけど、最近はさらに知名度が上がってるように思える。


さっきの動画がその証拠だ。登録者が20万人で再生数が現時点で20万ほどということは、単純計算で登録者全員が動画を見てくれているということだ。


しかもマネージャーまでいるみたいだし。凄いなぁ、あのぐらい有名になると事務所から声がかかったりするんだろうか。いや、でもみう。さんってどっかに所属してたのかな......まあいいや。


「今はそれより動画だ」

マイクの位置はここで、音量はこのぐらいだね。で、明るさ調整してと......よし、



『おいっすーZer0でーす!みう。さんの方で動画を投稿して頂いたので今回は俺の番ということでね!

やってくよーん!』





水曜日、俺は沈没していた。

「.....」


「......どしたの二之前君、そんな顔して」

机に向かって祈っている俺を見て不審そうに声をかける鈴島。そりゃあなんせね、テスト返し(死の時間)ですから。


「だって、もういきなりテスト返しじゃん」

時間割表の1限目に書いてあるコミュ英を恨めしく見ながらぼやく。自信はまあ.......ちょっとある。いつもより出来た感触あるし。


「.....だけど、.......じゃない?」

いやでも、もしかしたら自分の想定と全く違って絶望的な点数を取ってる可能性も十分にある。あーいやだいやだ。


「......君?......ーい」

そんで煌生がめちゃくちゃ点取れてたらどうしよ。いきなりアドバンテージが.....てかあいつって英語得意だっけ?あー確認しとけば良かった。それに...


「.......君。二之前君、二之前君!」

鈴島に腕を揺すられてハッと現実に戻される。


「あ、あぁごめんごめん。それでなんだっけ」


「もー聞いてなかったんじゃん。だから、大丈夫だって。二之前君英語得意なんだし!」

他人からそう言ってもらえるとまあ、多少は気持ちが楽になるな。


「鈴島からそう言ってもらえるんなら嬉しいけど、やっぱ不安だな。俺が取れててもそれ以上に煌生が...」


「......」

ん、なんか急に静かになっちゃったけど大丈夫か?やっぱ鈴島も点数不安とか?


「鈴島?おーい鈴島、大丈夫?」


「......あ、ごめんごめん!ぼーっとしてた!」

机の端を揺らすと気づいたのか、すぐ俺にぎこちなく笑いかける。そして落としたシャーペンを拾い上げ、カチカチと鳴らしながらぎこちない喋り方で続けた。


「わ、私もちょっと不安でさ!」

やっぱそっか。そうだよな、いくら毎回良い点が取れてるとしても今回もそうとは限らないもんな。それにプレッシャーがあるのかもしれんし。


でも、それになんて言葉をかけるべきか。俺のクソ雑魚脳みそでは導き出せない。ま、いいか。


「不安になるのはしょうがないよな。でも、めっちゃ勉強したんだろうし結果信じて祈ろうぜ。鈴島なら大丈夫っしょ」


その言葉が彼女の心に届いてくれたのか、にこやかに顔を上げた。


「.....そっか、そうだよね!ありがと!いやーごめんね!さっき二之前君に言ってたのに私の方も話聞いてなくて」


「はは、いいよいいよ」

丁度タイミングよく、教室のドアが開いた。教師の腕には分厚い封筒が抱えられている。


「はーい、じゃあ授業始めるぞー。号令」

ざわざわとした雰囲気のまま、教師は続けた。


「今日はテスト返しなー。問題用紙準備しろ」

鈴島とアイコンタクトして大丈夫。と伝え合う。


いよいよ、待ちに待っ.....てはないけど、テスト返しが始まる。





「よ、42点.....」

答案用紙を持つ手がプルプルと震える。いくら目を擦ってもその数字が変わってくれることはなく、絶望的な事実を見せつけてくる。


「勉強したんだけどな......」

いやいや、流石に甘かったかな。そうだよね、今までサボってきたのに急に勉強して良い点取るなんて都合良すぎか。ツケが回ってきた。


「ま、まあまあ元気出して!赤点ではなかったし!ほら!それにまだ他のテストも残ってるわけだし!」

無理やりフォローさせてしまって申し訳ない。軽く息を吐いてベッドに答案を寝かせる。


「そうですね。まだ他の科目もあるわけだし」

僕は引き続き、保健室で勉強を続ける。





「.......」

授業が終わった後、先ほどよりも更にガヤガヤと喧騒立つクラスの雰囲気を身に感じながら答案用紙を見つめる。


案の定、横からの声が

「に、二之前君......?」


「ん?」


「その......テストは....どうだった?」

おずおずといった様子で尋ねる鈴島の顔は気まずさが漂っており、どこか浮き足立っていた。


「ん?あぁ、えーっと———」

答案用紙を見せようとしたタイミングで、どこからともなくこちらに近づいてくる足音が。


「おい零斗」


「うわでた」


「んだよ、人をバケモン扱いしやがって」

うるせえお前はバケモンだバケモン。てか鈴島と会話してたんだから割り込むなよ迷惑かかっちゃうだろ。


「で、何?テストの結果か?」


「そうそう、それのことなんだけどよ」

何その言い方。もしかしてあれか?点数が絶望すぎたからやっぱやめにしようとか?


「全部返ってきてからお互い発表しようぜ」


「えぇーなんで?」


「その方が盛り上がりそうじゃん」

そういうもんなんですかねえ。陽キャの思考回路はいまいちわかんねえや.......ま、いいか。


「あーまあ、いいけど。放課後とかにすんの?」


「そ」


「でもお前部活あんじゃん」

帰宅部の俺ならまだしも、煌生は部活があるだろ。テスト明けの昨日からもう活動してたっけ。


シャーペンをくるくると回しながら問いかけると、先ほどまでのテンポの良かったラリーが不意に止まる。


急に静かになった事に違和感を感じるまま、彼が口を開いた。その顔は、やけにバツが悪そうで。


「......あーいや、実はさ」


「うん?」


「部停」


「え」

え。



「あ、それで男バスは部活停止なんだ」


「へえ、それってやっぱ土曜のやつが理由だよね」

煌生が去った後鈴島、それといつのまにか来ていた松井にさっきの会話をそっくりそのまま伝える。


どうやら、この前の土曜日に蔭山と煌生が男バスの複数人と揉めたあの件がきっかけで男子バスケットボール部は一時的に部活停止なのだそうだ。


ま、そりゃそうか。よくよく考えなくても部内で暴力行為が発生したんならなにかしらの処罰は下るよな。

それにいじめやらなんやらの話も関係してんだし。


「そうそう、だから煌生は放課後時間あるらしくて、点数発表は最後の教科が返ってきた日の放課後にやるって」


「へえ、いいじゃん。気になるなぁ」

...やっぱ最初の頃に比べて、松井ってだいぶ俺に心開いてくれたよな。ありがたやありがたや。


「ま、もちろん2人にもちゃんと結果は伝えるよ」


「あ、じゃあ今点数は聞かない方がいいよね?」

こっちは鈴島。彼女も、単なるお隣さんという縁にも関わらず感謝してもしきれないほどのサポートをしてくれた。ありがたやありがたや。


「あーまあその方がいいかも。でも別に今教えちゃってもいいけど」


「いや全部終わってから教えて!ね、夕夏ちゃん!」

鈴島が笑いかけると、優しく微笑んで松井も答えた。


「そうだね。その方が面白そう」

そっかそっか。じゃあ、この2人にはそういうことで......ん、そういや。


「2人は点数どうだったんだ?」

その質問に、先に答えたのは松井だった。


「私は普通だったよ。ほら」

ずっと持っていたのだろうか、答案用紙をペラペラと鈴島の机の上に置いて、俺に見えやすいようにこちら側に向けてくれる。


「お、74点か」

周りの人に聞こえない程度の声量で点数を確認すると、彼女はすぐさま用紙を折りたたんでポケットにしまった。


「ま、英語はそんなに得意じゃないから予想通りだったね。大暴落しなくて安心」

彼女は鈴島の肩に手を置くと、ゆらりゆらりと揺らし始めた。


「はい、次は美咲ちゃんの番だよー。私も言ったし」

しかし、鈴島はすぐに用紙を机に広げる様子はなく、不満そうな声で答えた。


「ええ〜?」

ま、そうだよな。みんながみんな点数を開示してくれるわけじゃねえよな。俺だってあんまりべらべらと人に教えたくはないもん。


しかし、それでも鈴島は机の中から答案用紙を取り出して、まず自分の目の前で広げた。松井はそれを見ないように顔を逸らす配慮をしつつ髪をいじっている。


「..........まぁ、夕夏ちゃんが言ってくれたしいっか」

そう言って鈴島は用紙を俺たち2人に見せてくれた。



「え、90点じゃん。美咲ちゃんやっぱ高いね〜」


「高えな......てかその点数なのになんで俺たちに言うの渋ってたんだ?」

鈴島もすぐに答案用紙をしまって、代わりに次の授業でも返されるであろうテストの問題用紙を広げた。


「だーってさぁ......なーんかさぁ.......」

もにょもにょと言い訳?をする鈴島は普段よりも子供っぽくて、また新たな一面を知った。


うりうりと松井に撫でられているのに我慢ならなくなったのか、若干怒った様子で言った。


「あーもういいから!ほら、次の授業のもう始まるよ!夕夏ちゃん席戻って!」


「はーい」


「ほら!二之前君も授業の準備する!問題用紙使うっぽいから出しとかなきゃ!」


「は、はい」





「てかさ、部停ってお前ら大会とか大丈夫なのか?よく分からんがこの時期って大会あるんじゃねえの?」

タコさんウインナーを箸でつまみながらさっきの話で気になったところを訊くと、紙パックのオレンジジュースにストローをさしながら煌生は答えてくれた。


「一応あるけど......なんつーか、正直みんなやる気ないからいずれにせよって感じなんだよな」


「え、そうなの?」

てっきり男子バスケットボール部はそういうのに対する熱量がすごいと勝手に思ってたけど違うのか。結構驚きだな。


「うん。だからそこんところはいいよ。桑島(くわしま)先輩とか吉井とかレギュラーがいないわけだし」

そう答えて、オレンジジュースを飲み始めた。


あいつらってレギュラーだったのかよ......レギュラーがいなくなるってことは他のメンバーにチャンスが回ってくるんだから、やる気出るのが普通だと思うけどなぁ。


ま、よそはよそ。うちはうちだな。俺帰宅部だけど。あれこれ考える脳みそを止めるかのように、白米をかきこんだ。


「つーかよ」

不意に煌生が口を開いた。その顔はニヤついており、どんな内容なのかある程度予想ができた。


「ん」


「今んところどんな感じよ。テスト」

案の定の質問に用意していた返答をする。


「ぼちぼち」

現時点で返ってきている、コミュ英、数学IA、IIB、古典の点数を頭の中に浮かべながらミニトマトに箸を伸ばす。


「ま、そう答えるよな」


「だって今答えても面白くねえだろ。全部返ってきて発表すんだし」


「そりゃそう」

それに、こいつのこの言い方的になーんか調子よさそうなんだよな。下手に点数漏らせねえや。


てか負けたらなんか奢りとかだっけか。めんどくせ。高校生の懐事情舐めんな。帰宅部でも冷え冷えだわ。

てか、バイトしようかな。うちって確かバイト禁止されてないよな?ま、一旦この勝負に勝てばいいや。


「まあお前は財布の心配しとけや」


「うっせ、てめーこそ泣きべそかく用意しとけ」


「かいた事ないから泣きべそなんてかけないなぁ」


「じゃ、今回で初めてか。おめでとう初体験」


「えぇ〜〜初めての相手は零斗きゅんなの〜?」


「死ね」





「はぁ〜今日も疲れたわ」

カバンをベットに置いて、中を開ける。今日使った問題用紙はもう不要なのでゴミ箱の中に突っ込んでおく。


「.......それにしてもなぁ」

カバンの代わりに自分の体をベッドに飛び込ませて、出てきた言葉と共に想起されるのは土曜のこと。


あの後、あのバスケ部員たちがどうなったかとか詳しくは知らないが多分出席停止とかその辺りだろう。そこんところは先生たちがうまくやってくれてるはずだろうし。


てか蔭山、あいつもテスト受けたんだよな?大丈夫かな。登校し始めてすぐテストとか、キツくねえか?あ、でも家で勉強とかしてたのかな。


「まーいいかー........」

あ、やべ眠い眠い寝ちゃうわこれ。あれー今日はあんまり授業中眠くなんなかったのによー。変なのー。


「いやー......ねたらやばいよな」

口ではそう言いながらも、普段よりも強い睡魔に為す術なく眠りに落ちた。





「....ゃん.........ちゃん!.......お兄ちゃん!」

聞き馴染みのあるその声で目が覚める。声の主の方へゆっくりと顔を向ければ、制服姿の百華がすぐそばに立っていた。


「.......ん、わり。寝てた」


「見たらわかるよそんなの。ほら、ご飯だって」

そう言うと百華は、すぐ背を向けてドアの方へ向かった。その背中に声をかける。


「ありがとな起こしてくれて」


「別に、お母さんに頼まれただけだし」


「はは、そっか」

上体を起こしベッドから足を踏み出す。まだぼんやりとする頭をポリポリとかきながら百華の後ろに続く。


......それにしても、変な夢見たなぁ。なんか百華の顔がすぐそばまで来てたし。変なの。





「いやー食った食った」

夜ご飯を食べ終わり風呂も終えた。さて何しようかと何も考えず部屋に戻ったがどうしようか。


うーん、MouTubeでも見るか?あ、久しぶりにゲームするのアリだな。最近全くやってなかったし。


そうと決まれば今すぐにでもするか。勉強する必要はもう無いしな。パソコンを立ち上げて、適当に目のついたゲームを開く。今日はー、BPAXでいっか。


あ、ちなみにBPAXはチームを組んだりソロで1位を目指す有名FPSである。あと、初めてZer0を知ったあの神プレイはBPAXでの話だったりする。


「あ、そういや蔭山何してんだろ」

ロビーでいろんなページを開いていると、フレンド欄に行き着く。そこには、蔭山のユーザーネームである[Sha_d_mn]がオフライン表示で並んでいた。



「んー、ソロでやってもいいんだけどなぁ......ん?」

とりあえず、久々なので射撃練習をこなしているとちょうど良いタイミングでパーティ招待の通知が届く。


「お、sumか。久々じゃん」

迷うことなく、承諾を選択するとチャットアプリからも通知が届く。そっちのページも開いておく。


[よ]


[あ、生きてた]

この感じ見るに、今日もチャットで会話かな。まあ今までボイスチャットで会話したことなんてないけど。


[今日行けんの?Zer0]


[余裕余裕。ようやくテスト終わってさ]


[へえ、奇遇だね。こっちもテスト終わったばかり]

あ、そうなんだ。やっぱどの地域でもテスト週間って似たような時期なのか。んで、こいつは頭いいのか?赤点で追試やらがあったらゲーム出来なくなんぞ?


[お前は大丈夫なの?赤点とか]


[そこんところは大丈夫

へぇ、なんやかんやこいつも勉強してんだな。ちょっと見直したわ。やるじゃん。



諦めてるから]

前言撤回します。え、なに?もう確定してるのあんの?はっはーん?さてはこいつこっち側の人間だな?


[なに、諦めてるって。もう赤点あんの?]


[テスト初日に休んだ]

あぁ、そういうことね。それなら点数とかそれ以前の話で赤点か。可哀想に。


[じゃ勉強しねぇとやべえじゃん]


[まあ友達に教えてもらうよ]


[教えてくれる友達いんのか〜?]

そのタイミングでチャットのテンポが止まったので、その隙にトイレを済ましておく。



部屋に戻ると、すでにチャットが届いていた。


[えーっと、ブロックボタンってどこだっけ]


[本当にsumさんとゲームするのは楽しくて。sumさんみたいに友達沢山いる人気者に出会えてよかったなって思います]

片方がもう片方に調子の良いことを言って、ブロックする振りをするというこのやりとりは俺とsumの恒例行事だ。そんで、適当に褒めるまでが一連の流れ。


「ふふん」

おべんちゃらにも程がある水くさい文章を自分で書いたにも関わらず、思わず笑ってしまう。


[はいはい常識ね。んでどうする?やる?]


[うい]

よーし久々のゲームだし頑張るかー!


完全に更新するの忘れてました…申し訳ない。


ここまで読んでいただきありがとうございました!

また次回!

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