売春宿の初恋
数えきれない男どもに奪われた唇
無意味だった日々に
あなたがあらわれた
好きな人との口づけは初めて
恥じらいとときめきに
体が震える
知らなかったわ
こんなに素敵なものだったのね
これが私のファーストキス
数えきれない男が通り過ぎた体
冷たく唇を噛む日々に
あなたがあらわれた
好きな人に抱かれたのは初めて
悦びと官能に
心震える
知らなかったわ
こんなに素敵なものだったのね
これが私のファーストラブ
あなたの手が氷の体を溶かしたの
あなたの唇が氷の涙を溶かしたの
ここに売られた日から、死んだはずの心
いま、愛に甦る
真っ赤に燃えるアルジェの夜明けを
初めて愛おしいと感じたわ
売春宿のおかみさんは
売上帳を片手に
相変わらず小言だらけ
いいわ、瞳を閉じてしまえば
客はみんな、あなたの姿なの