XX:登場人物設定(第 05 章)
只野明路
肉体的には二〇代半ば、黒髪、黒(濃褐色)目、身長一八〇センチほどの男性。 織宮祈との邂逅をきっかけとして、ウィッシュが封じていた記憶を完全に思い出した。上級探索者になった。
手段を制限しなければごり押しで大抵なんとでもなるが、もしもの時に備えて、各種技能を伸ばすべく縛りプレイじみた真似をしていたりする。入手数が限定されていて代用が利くアイテムは使い渋るタイプであり、ラストエ○クサー症候群などと呼ばれるのは不満……というよりむしろ、他人にいちいちそんな指摘をする側こそ何かの依存症やパーソナリティ障害などと呼ばれる病気だろうと思っている。ゴミ捨てはする。
異次元空間を漂っている間に蓄積していた経験から、アビリティの制御と思考の加速は他の探索者と比べれば桁違いに上手。それと口調も染みついた。
体格は昔から良い方だったので物を壊さないための力加減を覚えているが、古い家具を燃えるゴミとして出すために壊させられた経験から物を壊すための力加減も覚えている。緊急時に開かないドアを蹴り破るくらいのことは実行できた。
織宮祈
肉体的には一八歳、黒髪、黒(濃褐色)目、身長一五五センチほどの女性。
髪は常識的な範囲のロングヘア。現在は下級探索者。
明路とは同じ世界の出身だが、住んでいた地域は異なっており、祈の出身地は関東圏である。修学旅行中、個人で観光に来ていた明路と遭遇しており、顔と大体の体格を覚えていた。
人の顔や名前を覚えるのは得意。ただ、若さというか、関わった人数の多さに対して人生経験が少ないせいか、単純化したステレオタイプ的な認識をしてしまいがち。「只野さんは、(大人の男の人なのに)甘い物も平気なんですね」等。
ウィッシュ
祈と非常によく似た外見であり、僅かにプロポーションが良い身体を本体として扱っている女性。明路が祈と遭遇してからは、有為守希未設定の身体で出てくることが増えた。
各設定の自虐的な要素やネーミング、明路に対するご主人様という呼称は自重と自嘲の表れ。可能不可能に関わらず離れるつもりはなく、永遠に明路の下にある存在なのだと言い聞かせている。
本質的には、織宮祈に酷似した、拠り所がない存在の集合体。名乗れなかった理由は人格が多すぎたから。淫乱な人格が表に出てきやすい理由は、明路が存在力を注いだ際に、心の奥底で性欲の発散を望んでいたからである。
ファーバ草原宮で明路が見た夢の光景の主は、ウィッシュを構成する誰かの末路。
踏みにじられた過去や開発された過去は、この世界で考え出した設定と明路との実体験で上書きしたいと思っている。
ララ(アースラ・ラム)
内面がアレな意味で淑女化しつつある金髪碧眼の合法ロリ。上級探索者。
Lvの上がりやすさは体重の三乗に比例するので小柄な高Lv探索者は多いが、ララは技量でも優秀な部類。調子に乗った探索者を模擬戦でわからせる機会がそこそこあり、剣姫という名で恐れられている。
ロリータ衣装や顔の上半分を覆う仮面はララ自身の趣味。
明路から巫女服(乗馬袴タイプ)を貰ったので、狐面でも用意してみようかと思っていたりする。
リシー(グリシーヌ=マクス・アグロス)
中級探索者になったが目標はまた上方修正された。
ウル(ウルガ・ファセオーレ)
気にされないように立ち回ったとはいえ流石に気にされなさすぎでは……? と多少思わないでもない。
ルビー(ルベル・ファセオーレ)
女に間違われていたがいつものことなのであまり気にはしていない。
エレウマイア・ランス
異次元空間上で澱界がかなり近くまで来ているのでクソ忙しい。
他にも同じ仕事を請け負っている者は居るが、誰にも処理されなかった漂流物は世界に実体化してしまうので真面目に頑張っている。
知識が豊富で、ある程度予想も立てるが、読み違えることもある。
ミノリ
日ノ本区産まれのボクっ娘。身長は女子としては普通の範囲。下級探索者。
装備は和風ではなく探索者として一般的な軽鎧。
この世界のあらゆる国家は一度ほぼ完全に崩壊した後で一つの国としてまとまって盛り返したという経緯があり、日ノ本区は後になって日本出身者を集めて作られた区画。複数の並行世界の出身者が集まっているので、生物学的に同一人物と見なされる個人が年齢違いで複数居ることもままある。
ジェイムズ
中級探索者。高校生くらいの年齢で身長は一七〇センチぐらい。
闘技を学ぶ道場へ、祈をしつこく勧誘しようとしていた。
やたらと「才能」という言葉を使ってはいたが、体育の成績が良い子を運動部へと執拗に勧誘していたようなもので、運動神経が良くて度胸もあることぐらいしか把握していない。
ロバート
上級探索者。外見年齢二〇台、身長一八〇センチぐらい。金髪。
ジェイムズと同じ道場に所属する師範クラス。体格が大きくなればLvは上がりにくくなるため、必然的に上級以上の体格が大きな探索者は戦闘経験が豊富なことが多い。
ジェイムズの敗北を聞いて明路に興味を持ち、実力を確かめるべく挑んだ。
後でログを確認してドン引きした。
明路が最初に探索した際に倒した迷宮のボス(湖に沈んでいた肥大化ゴーレム)は超級を含むパーティーに依頼するレベルのイレギュラーだったので、そこから経験を積んでLvも上げた明路と上級探索者との一対一での勝敗は明白だった。
文字数的にもう一話くらい挟みたかった気もしますが章区切り。
2章で伏せまくっていた文は、本編に上手く絡められなかった感もありますがウィッシュの項目で全文公開してありまする。




