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イセカイノアリ  作者: 月美うどぅん
第一章 蟻の巣生活
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第8話 訓練(後編)


※秀才視点


「ふむ、それは濃蜜玉じゃの。完成したようで何よりじゃ。」



目の前にはワタシと技巧で一緒に作った濃蜜玉が置いてある。細かい作業は技巧にやってもらい、ワタシは彼が困っていそうな時に軽く手助けをしただけだった。



つまり、この濃蜜玉は技巧がほとんど作ったようなものだ……



「それで、どちらが濃蜜玉を食べるんじゃ?」



ワタシは技巧に手を向ける。技巧が作ったのだから、技巧が食べるのが当然だ。



「ほう、技巧の方はどう思うんじゃ?」



(ボクは……秀才サンに…タベテホシイ……)



…⁉︎ どうして自分が作ったものを渡す事ができるのだろうか。自分で作ったものは自分で食べたいと思うのでは…



(レベル…アゲテモラッテ……秀才サン……ハナシタイ…………)






なんと言う事だ。彼はただワタシと話したいがために濃蜜玉を差し出すと言うのか⁉︎

ワタシは…どうすれば……



「ここまで言ってくれているんじゃ。食べてやらないのは悪いとは思わんか?」



それは…確かにそうかもしれない…。



「ほれ、さっさと食べるんじゃ。」



そうして濃蜜玉が目の前に置かれる。



そうですか…技巧…ワタシはこの恩を忘れませんよ…


必ず話せるようになって貴方と話してみせます…………!














※堅固視点



…堅固だ。



私と「瞬足」が教官に負けた後、また挑戦したが攻撃を当てることは出来なかった。



そうして何度も作戦を練り直して再戦をしていたが、何度か戦ったあと教官は一度外へと出て行った。



そのすぐ後…




(対虫も協力してくれ。3匹いれば一撃当てることが出来るかもしれないんだ。)



(うるせぇ!俺は1匹で戦うんだよ!お前に指図される筋合いはねぇ!)





「瞬足」と「対虫」が口喧嘩を始めてしまった。


そうなった経緯を説明しよう。

まず時間が経って対虫は起きた。


すると瞬足は

(対虫がいれば、行けるかもしれない。)


と考えて対虫を誘ったが、それに対虫が反発して今の状況になったというわけだ。



(俺に指示するんなら、俺に勝ってみろ!)



(わかった。すぐに始めよう。)



どうやら瞬足と対虫で戦うようだ。教官に一撃入れる必要があるのにこんなことで時間を使っていいのか…?











※対虫視点







ちっ、面倒なことになったな。だがこいつを倒せば俺は自由に戦う事ができる。


さてと、距離をとって…


先手必勝!!おら、くらえ!















※主人公視点







対虫は正面から突っ込んできた。



体当たりを横に避ける。



そして横から体当たりを当てる。



すると対虫は倒れた。


さて起き上がったら次は……ってあれ?起き上がらない?


これで終わりか?









対虫と戦ったは良いが、彼は思ったよりも弱かった。まさか一撃で終わってしまうとは…



(言われた通りお前に勝ったぞ。俺達に協力してもらう。)



(くっ………………仕方ねぇ……)



対虫を入れて堅固と3匹で戦えば、教官にも一撃当てることくらいはできるだろう。 


早速作戦を練ろう……









その後教官が帰って来たので、再戦を申し込んだ。



「ふむ…今度は3匹でくるのか。かかってこい!」



訓練が始まった。




まずは最初に俺が教官の周りをぐるぐると回って撹乱する。そうして俺に意識を向けているうちに…




(おりゃあ!)



対虫に攻撃してもらう。


教官には受け止められてしまった。だが、初めよりは対虫に対して集中できていないのか、完全には受けきれておらず、体勢が崩れる。




「ぐ…なかなかやるな…だがまだまだ!次はこちらからだ!」



教官はすぐに体勢を持ち直した。そして対虫に反撃をしようとする。このままでは対虫がやられてしまう。



(一旦下がれ!)



(言われなくても分かってんよ!)




対虫が後ろに下がる。だが、教官は対虫を追いかけ始めた。



教官は今俺に尻を向けている。今なら攻撃が当たるかもしれない。


そう思って俺は教官に向かって体当たりをする。


だがそれはひらりと躱わされてしまった。





そうして教官が対虫に追いつき、顎でとどめを刺そうとしたその時だった。




(…………防御……)



堅固が横から割り込んで、教官から対虫を守る。



(堅固、耐えていてくれ!対虫、決めるぞ!俺に合わせろ!)



(うるせぇ、俺に命令するな!だが今はやってやるよ。お前こそしくじるなよ!)



俺は助走をつけて体当たりを仕掛けた。しかし教官は抑えられているのにも関わらず、器用に身体を浮かせて俺の体当たりを避けた。



だが教官は身体を浮かせたことで隙が生まれた。そしてそのすぐ横には対虫がいる。



(終わりだぁ!くらえぇぇぇぇえ!)



対虫の一撃が宙に浮いた教官の腹にクリーンヒットした。つまり、教官に一撃入れたということになる。



教官は少ししてから起き上がって話した。


「ははっ!お前達やるな!こんなにも早く攻撃を当てられてしまうとはな!」


「これで、一つ目の訓練はクリアだ!よくやった!」



(よし!)

(よっしゃあ!)

(………歓喜……!)



そうして教官に一撃入れたことで、訓練の次の段階に進むことになった。

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