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イセカイノアリ  作者: 月美うどぅん
第四章 アリの巣 再び
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第63話 再会



一悶着あったが、ミツバチ族の国に入ることになった。そこでまずウララに会いに行くことにした。ちなみにホムラは、前回のように門番と待っている。


門番はホムラと一緒にまた遊ぶらしい。それが他の者に見られなければいいのだが…。



国に入ると、中ではミツバチ族達が元気に飛び回っていた。

巣の復興作業は進んでいるようで、以前は地面にあった巣は木の上などに設置されている。



そのせいでウララのいる巣に行くのに少し手間取ってしまったが…


まあそんなことはどうでもいい。




巣にたどり着くと、ウララが出迎えてくれた。



「ウララちゃんー来たよー。」


「イルスさん…もうそんな時間になりましたか。」


「…?」


「いえ、何でもありませんよ。それで…魔族は見つかりましたか?」


「えっとねー、実は…」



イルスは、森の中で『七大魔竜』のウロボロスらと遭遇し、それと戦う内に魔族は魔族大陸に帰ってしまっていた、と説明した。



「え、大陸に帰っていたのか?それは知らないが…」


「実はシンくんにこっそりと聞いておいたんだー。シンくんが『心眼』で見てもそんな感じだったらしいから、きっと正しいよー。」



「そうですか…これでひとまずは平和になったのでしょうか。」


「うんー、そうかもねー。」


「それはよかったです…このことはスズメバチの女王にも伝えておきますね。」


「そうだねー。それがいいよー。」



すぐにウララは部下のミツバチを呼び、彼をスズメバチの国へと使いとして送った。



「これで良いですね。」



ウララは安心した様子だったが、その後何かを思い出したような表情を浮かべて言葉を発した。



「そう言えば…先日、この国にアリ族が来ましたよ。」


「っ…アリ族!?名前は…」


「確か…『レッカ』と名乗っていました。」


「レッカか…」


「知り合いですか?」


「ああ、そうだ。」



レッカにはアリの巣を追放される時に、少し助言をしてもらった。その内容は「チョウ族の国に向かえ」というものだったが、途中で道に迷ってしまって、このミツバチ族の国にたどり着いたのだ…


今、この国で会ったら何か言われるだろうか…



「ちょうど今日…彼は迷いの森に向かうと言っていましたね。」


「そうなのか……うん?」



迷いの森に行くには北門を通るはずだよな…?北門には今ホムラがいるから…まずい!



「だったら早く行くぞ!」


「そうだねー!」



「そんなに会いたかったのですか…。それほどまでに仲がいいのでしょうか…?」







ーーーーーー





ミツバチ族の国にある北門、そこではあるミツバチ族とアリ族が口論をしていた。



「君が庇っているのは魔物だ!危険だからすぐに離れろ…!」


「ホムラは安全ですよ!それに…彼の仲間が国内にいるんです!彼らが来るまでは手出しさせませんよ!」


『ワウゥ…』



「ならば我の炎でその犬ごと貴様も燃やし尽くして…」



「レッカ!」


「む…その声は…」



とても物騒なことを言っていたので急いで声をかけた。

…やっぱりホムラが見つかって、問題になっていたようだ。



「ああ…レンくんか。君からも説得してくれ。魔物は危険な存在だと…!」


「あー…その…」


「どうしたんだ?」



「そこのファイアドッグ…ホムラは自分の仲間なんだ。」


「…何だと?」



そうしてレッカに事情を話した。

ホムラが転生者であることなどは隠してだ…。


そのため、ホムラはただ友好的な魔物だと説明をした。



「友好的な魔物…?我は聞いたことがないな…。」


「実際、ホムラは襲ってこないから信じてくれないか?ほら、今も向こうで門番と遊んでいるだろ?」



…いつの間にか、門番はホムラと遊んでいた。こっちがレッカに説明している間に…



「…確かに、普通の魔物とは少し違うようだな…ならば信じることにしよう。」


「そうか、ありがとう。」



「ああ…ところで、君は何故ここにいる?我はチョウ族の国などが良いと言ったはずだったが…」




やはり聞かれた…ここは正直に答えるしかないか。


そして、巣を出てから道に迷ってしまい、ミツバチ族の国にたどり着いたことをレッカに説明した。


その話を聞いてレッカは呆れた様子になった。



「…君は方向音痴なのだな。チョウ族の国はそこまで遠くないはずだが…。」


「自分では分からないんだけどな。」


「みなそう言う。こういうのは自覚できないものなのだ。」


「そういうものか…。」



確かに自分でも気が付かない内に道に迷っていた。


少し残っている前世の記憶では、そこまで方向音痴ではなかった気がするのだが…。



「そういえばレッカはどうしてここに?」


「君達に言ってもよく分からないだろうが…」


「…。」


「この近くにある迷いの森で、『七大魔竜』の『ウロボロス』が討伐されたらしくてな。それを確認しに来たのだ。」


「…え?」



「…どうしてレッカくんはそれがわかったのー?」


「む、君は?」


「レッカは会ったことがなかったか。」



「イルスだよー、よろしくー。」


「よろしく…ところで君のようなアリ族は巣にいたか…?」



「あー…そんなことより、ウロボロスのことを聞かせてよー。」


「…いいだろう。」



「我は元々、ウロボロスの動きを監視するためにこの大陸に来たのだ。その時に…」


「待ってくれ。この大陸に来た、ということはもしかしてレッカは別の大陸出身なのか?」


「…ああ、それも言っておくべきだったな。では改めて名乗ろう。」



するとレッカの身体が光に包まれた。それはまるで『変身』を解除する時に出る光のようだった。




「我が名はR・ドラゴ・カーディナル…誇り高き竜族の末裔である!!」



光が晴れてそこに現れたのは、真っ赤な鱗を持つ巨大なドラゴンだった。 



「わー」

「おぉ…」



「…あまり驚いていないようだな。」


「いや…驚きすぎて言葉が出なかった。」


「そうか。」



その時、門番がレッカに向かって声をかけた。


「あの、すみませんが身体が大きすぎて他の者に見つかりそうなので、小さくなってもらえますか?」


「…すまない。」



レッカは門番の言葉を聞いて、すぐにドラゴンの姿のまま身体を縮めていった。そしてアリ族と同じくらいの大きさになると変化が止まった。



「これで良いか?」


「はい、大丈夫です。」



「…気を取り直して、ウロボロスの話だったな。」



そしてレッカは話し始めた。



「竜族には様々な種がいてな…その中でも我は『赤竜族』である。」


「『赤竜族』にはとある役目があり…それがこの『虫族大陸』にいたウロボロスの監視だ。」



「監視…?それならどうしてアリ族の巣にいたんだ?監視するなら近いほうがいいんじゃないか?」


「それには理由がある。」


「どんな理由なのー?」



「それは…この大陸に来た時に、アリ族の女王に捕まってしまったからだ。」


「…え?」



女王に捕まった…?

ドラゴンの姿で捕まるものなのか…?



「…何を勘違いしているか知らんが、捕まったのは我がアリ族の巣に潜入している時だ。」



思考が読まれている…!?



「アリ族の巣で情報を集めている時に、あの女王に捕まり彼女の兵士にさせられたのだ。」


「そういうことか。」


「…だが、そのおかげでウロボロスが迷いの森にいると言うことが判明したのだ。」



「じゃあどうやってウロボロスが死んだことが分かったのー?」


「我ら竜族の特性として、強大な力を持つ竜族が命を落とした時、他の竜族に波動が伝わるというものがあるのだ。」


「それで分かったんだー、すごいねー。」




「…そしてこの近くにウロボロスを倒した実力者がいると考えたのだが…君たちは何か知らないか?」


「それは…」


「カマキリ族のシンくんのことだねー。」



(言って大丈夫なのか?)


(大丈夫でしょー。)



「カマキリ族…なるほど。して、その者はどこに…?」


「どっかいっちゃったよー。」


「…そうか。」



「ではこの件は終わりか…。」




「では別の件だ。…そう考えると君たちがここにいたのは都合が良かったかもしれんな。」


「どういうことだ?」



「まあまずは聞け。」



「レンよ…アリの巣に帰ってくる気はないか?」


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