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イセカイノアリ  作者: 月美うどぅん
第四章 アリの巣 再び
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第62話 別れ

「今のは…夢でござるか?」



「あっ、目が覚めたんだー!」


「イルス殿…ここは?」


「ここは迷いの森の入り口に近いところだよー。森の奥地にずっといるのは危険だから、眠っているシンくんをここまで運んできたんだー。」


「そうでござるか…。」



シンはその後、周りを見てからこう聞いた。



「ところでレン殿達は何処に…?」


「えっとねー、森から出る道を探してるよー。そろそろ戻ってくるんじゃないかなー?」



イルスの言葉通り、すぐにシエンが帰ってきてシンに話しかけていた。



「シン!起きたんスね!」


「シエン殿、世話になったようでござるな。」


「気にしなくていいっスよ!それにこれから…っとこれはまだっスね…。」


「む…?」




それに続いてレンとホムラが戻ってきた。



「シン、目が覚めたんだな。」


『バウッ!』


「レン殿、ホムラ殿、心配をかけたでござる。」


「いや…無事で何よりだ。」


『バウワウッ!』




今はシンがウロボロスに勝利してから、大体半日ほど経っている。


その間にレン達がミツバチ族の国への道を見つけるために、探索に出ていたのだ。




「それで外に出る道はわかったー?」


「こっちはダメだった…」

『ワゥ…』



「そっかー…それじゃあシエンくんはー?」


「ええっと…なんて言えば良いんスかね…。こう…道なりに地面が溶けている部分があったっス!」


「それってもしかしてー…!」




以前にレンがナオと来た時に、ナオが酸で目印をつけていた。それはミツバチ族の国へと続いているだろう。


イルスはそのことに気づいたのだ。そして、イルスはそれをシエンやシンに説明した。



「なら、すぐに出発できるってことっスね!」


「そうなるねー。」



「…ミツバチ族の国でござるか。あの時に食べた蜂蜜…美味だったでござるな…。」


「え、ハチミツっスか!?羨ましいっス…!オイラも着いたら食べたいっス!」


「そうだねー、みんなで食べに行こうかー。」



そうして一行はその道に沿って、ミツバチ族の国へと向かった。






ーーーーーーー






レン達はシエンの見つけた道を通って、何事もなくミツバチ族の国へとたどり着いた。


そして門番が出迎えに来た。



「皆さん無事だったんですね!」


「門番くん、ただいまー。」


「イルスさんも元気そうで……」



門番はそう言いながらイルス達を見たが、シエンを見ると首を傾げた。



「…そちらの獣族の方は?」


「オイラはシエンっス!よろしくっス!」


「そうですか、よろしくお願いします。」


「そんなに堅苦しくなくて良いっスよ!それより…」


「何ですか?」



「オイラもハチミツが食べたいっス!どこに行けば食べられるんスか!?」


「ハチミツの店なら、レンさん達に案内してもらったら良いですよ。」


「そうっスか!ありがとうっス!」



シエンは目を輝かせながらレン達の方を向いた。

その次に発するのは、その店に連れていって欲しい、という言葉だろうと思われたが…



「…はぁ?今いい所なんスよ!だってハチミツがオイラを待ってる……あ、関係ない?」


シエンはいきなり一人で話し始めた。



「…どうしたのー?」


「いや…えっと…」



シエンはイルスに対してしどろもどろになっている。



「オイラ達のリーダーから、お呼びがかかったっス……」


「そうなんだー。」


「そうっス、つまり…ハチミツが食べれないってことっス…オイラのハチミツがぁぁ!!!」



「あー…それは残念だねー。」


「…そうでござるな。その代わりに某がシエン殿の分も、蜂蜜を食するでござる…。」



「…何言ってるんスか。シンも一緒に来るんスよ!」


「えっ」


「えっ、じゃないっスよ。ていうか、そもそもオイラは【勇者】である者を探しにやってきたんス。」



「それで見つけたらすぐに連れて帰るんだったんスけど……すっかり忘れてたっス!」



そう言うとシエンはシンを担いだ。



「まさか…」


「そのまさかっスよ。」



「それじゃあ、お三方…さらばっス!」



シエンはシンを担いだまま、猛スピードで走り去っていった。




「えぇ……」



イルスは少し引いている様子だ。


シンと別れの言葉を交わせなかったことを、不満に思っているのだろう。



「行ってしまいましたね…」


『バウゥ…』


ホムラも寂しそうにしている。

シンはホムラの名付け親でもあるので、その点でも信頼していたのだ。


「うーん…まぁいっかー。」


『バウッ!』


「またいつか会えるよー。」


「ああ、そうだな。」



こうしてレンとシンは、それぞれの進む道へと別れていった。


だが、その道はいずれどこかで交わる。

そしてその時がいつ訪れるかは誰にもわからない…










ーーシンとシエンのその後ーー





「もう少し大人しくするっスよ!」


「某は自分で走れるでござる!もう運ばなくても結構でござるよ!」


「…あとちょっとで目的地に着くんで、それまで我慢するっス!」



「はぁ…仕方ないでござる。大人しく従うでござるよ。」




「…所で目的地はどこでござるか?それが分からないと不安でござる…」


「行き先は、この大陸の南端にある、『カマキリ族の集落』っス!」


「…!!某の故郷でござるか!帰るのは2年ぶり程になるでござるか…?」



「そこにオイラ達のリーダーがいるんスよ!」


「つまり…主のような者でござるか。」


「そうっスね。本人は確か…『イイセカンイジン』…?だとか言ってたっスよ。」


「イイセカンイジン…?もしや、『異世界人』ではござらぬか?」


「あー…あー、そうっスね。そうとも言うかもしれないっス。」


「そんな適当な…」



「そ、そのことはもういいっス!それよりも…その『イセカイジン』の性格はやさしいっス。だけど…」



「もう1匹いる鳥族は気難しいんで気をつけるっスよ!」


「そうでござるか。」



「っと、もうそろそろ着くっスよ。」


「だいぶ早いでござるな…」


「オイラは速さが取り柄っスからね!」

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