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イセカイノアリ  作者: 月美うどぅん
第三章 迷いの森
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第60話 【永遠】

シンは技能スキル・『再生』によって、ウロボロス?の攻撃で傷ができてもすぐに治る。

ウロボロス?もすぐに再生するので互いに致命傷を負わせられないままダラダラと戦闘が長引いていた。


「…▲▶『両断』!」


『その程度のこうげき…!』



ウロボロス?は尻尾をうまく使ってその攻撃を受け流した。反撃にウロボロス?も尻尾を振るが、シンもそれをすぐに避けていた。


2匹とも相手の攻撃に慣れてきたのか、そもそも攻撃に直撃することが少なくなってしまっていた。このままだと決着がつかないだろう。


「あれ、まだ戦ってたんスか?もう終わったものだと思ってたんスけど…」


その時シンの隣にいつの間にかシエンが現れてそう言った。


「…シエン殿?」


『…なにものだ…死風。』


「効かないっスよ〜」


『おまえも聖神の手先か…!』


「まぁそうっスね。っと少し黙っててもらうっスよ…『岩石封じ』」



シエンが魔法を使うとウロボロス?の上に岩が現れて、そのままウロボロス?を下敷きにして動けなくした。



「さて、これで邪魔者はいないんでゆっくり話せるっスよ!」


「…もはやシエン殿が戦えば良いのでは…?」


「いや〜それは無理なんスよね。オイラは攻撃力ないんで…」


「そうでござるか。」


「それで…どうしてそこまで手こずってるんスか?聖魔法使えばすぐっスよ?」


「…そうなのでござるか?」


「あらら…知らなかったんスね…。」

 

「だが…某はその聖魔法というのが少々苦手でな…」


「…ならいい考えがあるっス!」



「少し長くなるんスけど…オイラ、『強化』っていうスキルを持っているんス。そのスキルは自分や他者の能力を一時的に向上させるものなんスよ。でも、オイラがスキル『縦横無尽』をゲットした時、『強化』の効果にも変化が起きたんス!それでオイラは他者のスキルを変化させることができるようになったんスよ!まぁだいぶ制限もあるんスけどね…って聞いてるっスか?」



「…正直聞いてなかったでござる。」


「…そっスか。」



「簡単に言うと聖魔法を使いやすくできるってことっス!」


「なんと…!それでは早速…」



『…まさかこの岩が聖気をまとっているとはな…。お陰で出てくるのにじかんがかかってしまった…。』



シン達が話していると、ウロボロス?が岩の中から出てこようとしていた。


「…マズイっス!とりあえず適当に聖魔法を変えて…ついでに記憶を思い出す力も強化しとくっス!それじゃあオイラはここいらでドロンするっスよ!」


そう言ってシエンはその場から去っていった。


『…ふざけた猿だな。』


「実は某もよくわかってないのでござるが…」


『まあいい…では戦闘再開だ!』





ーーーーーー






「某からいくでござる…▲▶『命刈』!」


シンの『命刈』をウロボロス?は無抵抗で受けた。それによりウロボロス?は鎌が触れた部分の鱗が剥がれ落ちていた。


『…死を恐れ、生に執着する者を我は否定する…』


「詠唱…!させぬ、▲▶『両断』!」


ウロボロス?はそれも避けることをせず、鱗だけでなく皮膚も切り取られ、この時点でウロボロス?の体はすでにボロボロになっていた。


『…我は不死身であり不滅でもあるゆえ…』

「何故再生しないでござるか…?」


そう、ウロボロス?は受けた傷を再生しようとせずに、詠唱に集中し続けていたのだ。


『人々は畏怖と敬意を込めて我をこう呼ぶ…【永遠】と…!』


結局シンは詠唱を妨げることが出来ず、ウロボロス?の魔法が完成してしまった。そうして魔法が発動するとウロボロス?の体にできた傷が全て一瞬で治った。


「くっ…▲▶『両断』!」


『もはやそんなもの、避ける必要などないわ!ははは!』



ウロボロス?の体に鎌は吸い込まれていき、そのまま体を切断した。しかし鎌が通ったところから再生し、切られた部分は元通りになっていた。



『では、我の番だな。増殖…!』



ウロボロス?は体から鱗を落とし始めた。すると地面に落ちた鱗が段々と大きくなり…ウロボロス?と変わらない大きさの蛇になったのだ。


『これらは我と遜色ない強さを持つ。お前だけでは捌ききれまい…!』


「む…!?」


現れた蛇はニ十匹にも及ぶ。しかもウロボロス?の鱗から続々と生まれてきていて数は増えていっている。


シンはその数に驚きを隠せない様子で固まってしまっている。


(これは…どうすれば…。『草刈』では威力が低くて倒せない…『両断』や『命刈』では範囲が狭すぎる…!某の技にこれを打破できるようなものは………。)



『かかれ』


ウロボロス?の命令によって蛇達が一斉にシンに襲いかかった。蛇はどんどん集まっていき、やがて姿が見えなくなるほどになった。



『いくらお前でも体を喰らわれては再生できまい…!』


大量の蛇の中からは蛇が何かを食べているような音もしている。実際、体をすべて食べられてしまっては再生することは出来ない。なのでウロボロス?は蛇を生み出してシンを食べさせているということだ。



『…そろそろか。よし、散れ!』



ウロボロス?の合図によってそこから蛇が離れていって消える。そして蛇たちが消えた場所に……シンの姿はなかった。



『ようやく倒れたか……この後は猿共を追いかけて……』


「▲▼▶『輪廻斬』!」


その後ろから突然シンが現れてウロボロス?に鎌を振るっていた。


『…っ!?』


何も無い場所から出てきたシンに反応できずに、ウロボロス?は片方の尻尾を切断された。


『まだ生きていたのか…!』


「▼▼▶『次元斬』」


シンはそれに答えるように何も無い空間を切った。そしてその中に一瞬で姿を消したのだ。


『何…!?』


「▲▼▶『輪廻斬』…!」


『ぐっ…』



ウロボロス?は背後からの『両断』を食らって、もう片方の尻尾も切断されてしまった。


『だが再生で……む…!…何故できない…!』


ウロボロス?は再生しようとしたが、いくら力を込めても尻尾が生えてくる気配はない。



「某の『輪廻斬』で切られた部位は、この世とのつながりを断つ……つまりお主の尻尾は二度と再生しないでござるよ…!」


『…はぁ?』


「では…覚悟!」



そうしてシンはウロボロス?に向かって鎌を振り下ろした。

先程までウロボロス?は鋭い尻尾でそれを捌いていたのだが、それが出来なくなったのでその鎌は避けるしかない。


『くっ…』


シンはそんなウロボロス?をどんどん追い詰めていく。


「そろそろ諦めたらどうでござるか!」


『断る!散っていった配下たちのためにもお前だけはかならず…』


「そうでござるか…ならばそれまで切り続けるまで…!」







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