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イセカイノアリ  作者: 月美うどぅん
第三章 迷いの森
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第59話 シン

カマキリがダイヤモンドのような物を見るとその体が輝き出した。


カマキリが輝いていたのは一瞬だったが、その後は数分の間その場で気絶していた。



「ここは……」


「あっ、カマキリくん気がついたんだねー、大丈夫ー?」


「問題ないでござるよイルス殿。それと…」


「なにー?」


「某の名前は"シン"でござる。」


「記憶が戻ったんだねー!」

『バウッ!』



イルスはそれを聞いて安心している様子だ。ホムラも心なしか嬉しそうだ。



「オイラの見込み通りっスね!」


「どういうことー?」


「いやー、記憶を戻す方法に鏡を見るっていうのがあったんで、試して見たんスよ!」


「なるほど…感謝するでござる。」


「気にしなくていいっスよ!」




(確か、シンは『進化』したんだったよな…)


(そうだねー。)


(『鑑定』をして能力を見てみよう。)


(わかったよー。)



カマキリ…シンが『進化』した事で、能力に変化があるか確認するために『鑑定』することにした。



「▼▶︎、『鑑定』」




Lv1☆ シン

種族 聖虫族

技能スキル 

 韋駄天 無尽蔵 再生

特殊能力アビリティ

 心眼 残心 双鎌術 聖魔法 

・称号(加護)

【虫神の加護】【聖神の加護】【勇者】



能力の数は減ったが、新しく『再生』を習得している。それとあの伏せ字は【聖神の加護】だったようだ。


(ふーん、聖虫族かー。)


(聖虫族…そういえば、シエンも聖獣族だったが、何か関係あるのか?)


(えっとねー、聖神の加護と……)



シンの能力についてイルスと話していると、誰かが叫んでいるのが聞こえてきた。 



『うろぼろすさま!しっかりして!』



それを聞いてウロボロスの方を見ると、ウロボロスは動きを止めてぼーっとしている。



『しかたないか……』



蛇は何かを決意したような表情で、ウロボロスに近づいた。そしてウロボロスの上から覆い被さった。



「…何してるんだろー?」



イルスがその謎の行動に気付いたようだったが、イルスもその行動の意味がわからない様子だ。


だが、次の瞬間、驚くべきことが起きた。



『せっかくたすけてもらったのにごめんね。』



なんと、蛇はウロボロスを口に入れてそのまま丸呑みしたのだ。すると蛇の体に変化が起き始めた。


表面の皮が脱皮のように剥がれてきたのだ。



「まさかウロボロスを取り込んでー…!?」


「これはマズイっスね…オイラ達は逃げるっスよ!」


するとシエンはシン以外のみんなを担いで走り出そうとした。



「シンはどうするんだ!?」


「アイツなら大丈夫っス!それよりも早く行くっスよ!」



両腕で三匹を担いでいるのにも関わらず、木の枝を飛び移りながら素早く移動していく。



「そんなにスピード出していいのー?」


「オイラ、木から落ちたことないんで!」


「そっかー…」



だいぶ離れた所まで行くとシエンは木から降りて、担がれていた自分達も地面に下ろされた。



「ここまで来ればいいっスかね…」


「あれって何をしていたんだ?」


「たぶん、ウロボロスの力を奪うんだと思うよー…シエンくんもそれを感じたんでしょー?」


「まぁ、そんなトコっス。」


つまりウロボロスくらい強い蛇が復活するということか。

それで、シンは大丈夫なのだろうか……。






ーーーーーー






「レン殿達は離れたでござるか…さて、某はどうするか…」


蛇は完全に皮が剥がれ落ちてから一切動いていなかった。しかし、シンはそれを警戒してまだ攻撃を仕掛けていなかった。



「動かぬか…ならば▲▶『飛刃』!」



シンは動かない蛇に向かって斬撃を放つ。しかし蛇には効いていない様子だった。


「某も強くなった気でいたのでござるが…まさかまったく通らぬとは…」


確かにシンは『進化』したことで強くなってはいる。つまり、今の蛇は『飛刃』が効かないほど硬くなっているということだ。



「で、あれば次は…▲▶『両断』」


今度は近づいて『両断』で攻撃しようとした。『飛刃』よりも威力は上なのできっとダメージは入るだろう。そしてシンが蛇に向かって鎌を振り下ろしたその時だった。




『逆鱗、かいほう…!』




その言葉を聞いてシンは反射的にその場から飛び退いた。これまで蛇が全力を出す時に言っていた言葉だったからだ。



『勘がするどいな…ちかづいた所をいちげきでやるつもりだったのだが…』


「お主は…ウロボロスでござるか…?」


『厳密にはちがうな。われとやつが混じり合い、不完全なふっかつを果たしたのだ。』


「ふむ…」


『…死風。』


「…!▲▼▶『退魔斬』!」



シンはウロボロス?と話していたが、いきなり魔法を放ってきたのでシンはそれを『退魔斬』でかき消した。



「…随分と突然でござるな。」


『そもそもわれとお前は仲良くはなす仲でもないだろう?』


「確かにそうでござるか。」


『…眷属召喚。』



ウロボロス?が魔法を発動すると、シンの周りに数匹の蛇が現れた。その蛇たちは現れると同時にシンに襲いかかった。


「…このようなもの、足止めにもならぬ!」


シンが鎌を振るとそれだけで蛇達は再生する間もなく消滅した。


『やはり接近戦しかないか。』


ウロボロス?はシンに近づいて尻尾を振り下ろした。


「…はっ!」


シンはそれを受け止めると鎌を振り返した。ウロボロス?もそれを受け止めて尻尾を振り返す。そうしてシンの鎌とウロボロスの尻尾の打ち合いとなった。

前はシンは守ってばっかりだったが、今回は反撃もしていて戦いは互角に見える。



『なかなかやるな…では…死風。』


「…▲▼▶『退魔斬』!」


『…死風。』


「▲▼▶『退魔斬』!」


ウロボロス?が『死風』を放つとシンが『退魔斬』でそれを消す。そのような流れができていた。



『全てふせぐか……』


ウロボロス?は尻尾をシンに向かって振り下ろした。



「その攻撃はすでに見切ったでござる!」



シンはそれを両腕の鎌で受け止める。



『…死風』

「なっ…!」


シンは両腕が塞がっていたのでそれを『退魔斬』で迎え撃つことが出来ず、ウロボロス?の魔法を食らってしまった。


『死風』はウロボロスが持つ『死と再生』の力をフルに発揮できる魔法だ。それを無傷で耐えるのは難しいだろう。


『意外とすぐに終わってしまったな、これからどうするか…』


ウロボロス?は吹き荒れる風を見ながらそう呟いた。しかしその言葉に反して、風が収まって中から出てきたのは無傷のシンだった。



『なぜだ…!?……そうか、聖神の…!』


「…▲▶『両断』!」


ウロボロス?は魔法を放ってからもシンの近くに留まっていたので、シンはその隙を狙って鎌を振った。ウロボロス?はその攻撃を避けられずに尻尾を切断されてしまった。



『再生もきょうかされているのだ、この程度の傷…』


ウロボロス?の切られた尻尾は瞬く間に再生した。それも元の数ではなく、2本に増えて再生していたのだ。



『お前と戦うのならこのほうがいいな。』


「再生は厄介でござるな…」



ウロボロス?はまたシンに近づいて、片方の尻尾を振り下ろした。


シンはそれを両腕で受け止めたが、横から迫っていたもう1本の尻尾は防げずに吹き飛ばされてしまった。


「ぐっ…!」

『どうした、もうおわりか?』


ウロボロス?は再度シンに尻尾を振り下ろした。次は他の方向にも対応できるよう、片腕でその尻尾を受け止めた。


『…かかったな。』

「何を…」


ウロボロス?はシンの片方の鎌に、2本の尻尾を同時に乗せて力を込めた。シンは尻尾2本の威力に耐えきれず、鎌が地面に叩きつけられてしまった。



『もはや腕が折れて使い物にならんだろう…われのように再生できるなら話はべつだがな…』



シンの腕は折れてしまい、ブラブラと揺れている。これでは使うことができないだろう。



「…はっ!」


『??????』



なんとシンは、折れた方の腕を切り落としたのだ。するとそこから元通りの鎌が生えてきた。



『……?』


「まだまだ勝負はこれからでござる…!」


『……はぁ…。』





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