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イセカイノアリ  作者: 月美うどぅん
第三章 迷いの森
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第56話 カマキリvs魔竜

『うん、ここからがほんばんだよ。』



「なるほど…某は今までまんまと騙されていた、というわけでござるか。」


『そうだね。』



『それに、こういうこともできるんだよ。』



蛇は特に何のそぶりも見せずに魔法を使った。すると、その蛇が4匹に増えていた。



「だが、これは偽物なのであろう?本物を見分ければいいだけの話でござるよ。」


『ふーん…そっか。まあいくよ。』


「覚悟するでござる!」


そうしてカマキリと蛇の本当の戦いが始まった。






ーーーーーー




『それじゃあいくよー。』



4匹の蛇がカマキリに向かって同時に赤い酸を吐いた。



(…『心眼』で魔力の流れを見て、本物を見分けるでござるか。)



カマキリは『心眼』を使って魔力の流れを見た。本物と偽物では違いがあると考えたからだ。



「…っ!セイッ!」



『心眼』で飛んでくる酸を見ていたが、カマキリは蛇が吐いてきた酸を全て薙ぎ払った。


切られた酸はそれぞれ地面に落ちると炎をあげて燃えた。


「全て本物...!?」



『うん、べつにこんかいのはにせものとはいってないからね』


「ふむ...ならば....▼▶『非心』。」


『さっきもそれしてたね。ふいうちはきらいじゃなかったの?』


「だが今はなりふり構っている場合ではござらぬ。それより...後ろががら空きでござるよ。」


カマキリは一匹の蛇の後ろにまわってその首を鎌で切断した。


『うんうん、まあいいよ。すぐにさいせいできるからね。」



蛇の言った通り、切られた蛇の頭はすでに再生し始めていた。



「ならば追い打ちするまで...」


「させないよ。』


頭が切断されている蛇をカマキリはもう一度切ろうとした。しかし、別の蛇が突進してきたためそれは中断されてしまった。



「くっ…▲▶『命刈』!」


『うわ、あたっちゃった。」



それでもカマキリは反撃の『命刈』でまた一匹蛇を切り裂いた。『命刈』は必殺の威力を持つ。直撃して無傷でいられる者はいないだろう。


「また一匹減らしたでござるよ。」


『ふーん。だからなに?もうさいせいしてるから、さっきとなにもかわらないよ。』


「本当に厄介でござるな....!」


『このままたえていればたいりょくもきれるよね。そうなったらぼくのかちだね。」



「ふふ……!」


『なにがおかしいの?ねえ、どうしてわらってるのかな?』


「いや...失敬。この戦いが楽しくてな....。」


『...ばけものめ。きおくがなくてもそこはかわらないんだね。』



『じゃあぼくもほんとうのぜんりょくでたたかってあげるよ。」




『げきりん、かいほう』




実は前に巨大化していた時は、逆鱗を開放していたわけではなかった。ただ、魔法で巨大な蛇の幻を見せていただけだったのだ。



逆鱗を解放すると4匹いた蛇が、逆鱗を解放した1匹の場所に集まった。


その1匹の蛇はなんと....他の3匹を食べ始めた。



一口...また一口と食べ進めていく内に、段々と蛇の体が大きくなっていく。



魔物の特性として、別の魔物を食べることで成長するというものがある。蛇はそれを活用して力を高めているのだ。



そうして蛇は他の蛇を食べ終わった。


すると劇的な変化が現れた。



それなりに大きくなった蛇の体が縮み始めたのだ。その体はどんどん縮んでいった。


そしてカマキリと同じくらいの大きさになると変化が止まった。





「何という威圧感……!」


『ふぅ……流石に疲れるね。』



蛇の口調がはっきりとしている。これも逆鱗解放の影響なのだろうか。



『…前に君に負けてから考えたんだ。どうしたら君に勝てるのかなってね…。』



『それで生み出したのがこの方法なんだ。』



「以前の記憶はないが……お主程の者と戦ったことは無さそうでござるな…。」


『…そうだね。あの頃のウロボロス様よりも強いとは思うよ。』


「これは…厳しい戦いになりそうでござるな…。」


『…それじゃあ行くよ。』







ーーーーーー






トレントロードを撃破したレン達は、カマキリの手助けをしようと様子を見に来ていた。



「嘘…あのカマキリが押されてるー!?」



そこで見たのはカマキリが蛇に対して防戦一方になっている姿だった。



「くっ……!」


『ほらどうしたの、まだまだこれからだよ!』



蛇は尻尾を使ってカマキリを攻めている。

カマキリはそれを鎌で捌くので精一杯のようだ。



「くっ…▲▶︎『両断』!」


『そんなの効かないよ。』



カマキリの攻撃が直撃したのに、鱗に傷一つついていない。それだけ蛇の鱗が丈夫だということだ。



「助けに入りたいが…動きが早すぎるな…。」


「そうだねー、でも私達にできることもあるはずだよー。」




(カマキリくん大丈夫ー!?)


イルスはカマキリに向かって念話で話しかけた。カマキリは戦闘中であるのに関わらず、イルスに対して返答した。



(イルス殿でござるか…。此奴の攻撃はそれ程強くない故、まだまだ耐えれそうでござる。)



(しかしこちらの攻撃も通らぬのでな…。)


(そっかー…。)



(それならホムラに補助をかけてもらえばいいんじゃないか?)


(確かにいい考えかもねー!)


(ホムラ、頼めるか?)


(バウッ!)



『ヮゥヮェ…ワオォォン!!』



「これは…力が漲るでござる…!」



『ふうん。「遠吠え」かな?そんなの使えるんだ。まあ、そんな事をしても僕の鱗は破れないだろうけどね。』


「やってみなければ分からぬ!▲▶︎『両断』!」



カマキリが蛇に近づいてその鎌を振りおろす。動きのスピードも速くなっているので、蛇はそれを避けられなかった。



「ハアッ!」



カマキリは蛇の胴に触れた鎌を勢いよく振り抜いた。すると蛇の体は真っ二つに『両断』されていた。



『え…』


「やったー!切れたよー!」


『前までは傷一つすら付かなかったのに…!』



余裕そうな態度をとっていた蛇は、自分の体が切られたことに動揺したのか、カマキリに背中を向けて逃げ出した。



「待たれよっ!」


『ひっ…』



カマキリは逃げている蛇に追いつき、とどめを刺そうとした。しかし体をくねらせていたのでなかなか鎌が命中しなかった。



「この……!」


『はぁ…はぁ……!』



カマキリが鎌を振り下ろしても、蛇は命懸けで鎌をギリギリの所で避けている。


これでは決着がつかないように思われたが終わりは突然訪れた。



「▼◀︎…『非心』…」


『気配が…消えた……』



先ほどは『非心』を使ったカマキリを認識できていたのだが、今は焦っているのかカマキリを見失ってしまったようだ。



『もう避けられないか…』


「これで終わりでござる!▲▶︎…『命刈』…!」



蛇は避ける事を諦めて、動きを止めてしまった。そこにカマキリは容赦なく鎌を振り下ろす。





『最期に…ウロボロス様に会いたかったな……』








『最期ではない。お前はこれからも生き続ける…!』


『え……』



カマキリの鎌が突然現れた何者かによって受け止められる。



「そうか…お主が…!」



「あれは…まさか」


「うん…そうだねー。」





『ウロボロス様…!』

「ウロボロスだよー…。」

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