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イセカイノアリ  作者: 月美うどぅん
第三章 迷いの森
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第54話 開戦


イルスにレン達が合流して、蛇、トレントロードと戦うことになった。



「じゃあさっそく…って思ったけど、私は戦えないかなー。だって、魔力がもう切れちゃってるからー…。」


「そうなのか…なら離れた所で休んでいてくれ。


「うん、ごめんねー。」



そうしてイルスは離れようとしたが、その時カマキリが何かに気づいたようだった。



「…イルス殿も戦えるのではないか?」


「どういうことだ?もしかして物理で戦えってことか?」

「えー!それは無理だよ〜、だって力は全然ないもんー。」


「いや…そうではなくてな…。」





「レン殿の魔法で、イルス殿に魔力を分けられるのではござらんか?」


「それはできるが…俺の魔力も多くはないから、イルスが魔法を使えるくらい分けるのは無理だぞ?」



「ならば、某の魔力を使えばいいでござる。某はほとんど使わぬでござるからな。」


「…確かにそれならいいかもな。」

「そうだねー、それじゃあレンくん、よろしくー!」



「ああ、▼◀︎『共鳴』!」



『共鳴』を使うと、互いが繋がったような感覚があった。心なしか普段よりも結びつきが強いようにも感じる。




『おおおおおおお!!』



蛇はカマキリが登場したことに驚いて、今まで行動していなかったが、こちらが臨戦体制に入ったのに反応したのか大きく咆哮を上げた。



(某はこの蛇を相手取るでござる。)


(じゃあ私たちはトレントロードだねー。)

(よし、それじゃあ行くか!)

(バウッ!)







ーーーーーー







そうしてレン、イルス、ホムラの3匹は、トレントロードと戦うことになった。


トレントロードは木の根が切られて怯んでいるようだったが、レン達が前に姿を見せると激しく反応した。



『……!』




トレントロードはレン達に向かって枝を伸ばし、鞭のように振るって来た。


『バウッ!』


ホムラがそれに噛み付いた。そのまま口から火を出して枝に火をつけた。


その火は段々と燃え広がっていき、枝を一本燃やし尽くした。



(やっぱりホムラの火が効くみたいだねー。)


(そうみたいだな、それならホムラを主力として戦っていくか。)

(バウッ)


(…でも簡単にはいかなさそうだよー。)



トレントロードの方を見ると、燃えて無くなったはずの枝が元通りに再生していた。



(トレントロードも再生するのか…!

(長期戦になりそうだねー。)




するとトレントロードはもう一度枝を鞭にして振るって来た。



『バウッ!』


それもまたホムラが噛み付いたのだが…



(後ろだ!)


「▼▶︎『光壁』っ!」


ホムラの後ろからもう一本の鞭が迫って来ていたので、それを『光壁』で防いだ。


幸い、攻撃力はそこまでないようで、『光壁』が破られることはなかった。



(さっきのは様子見ってところかー。)


(ああ…今は少なくとも5本はあるな。)



トレントロードは枝でできた鞭を使って、四方八方からレン達を攻める。


それをホムラは噛みつきや引っ掻き、レンとイルスは『光壁』で回避していった。



『共鳴』による視覚の共有で、自分が見えない方向からの攻撃も避けられているので、だいぶ余裕がありそうだ。



(でも避けるだけじゃ勝てないよー。)


(確かにそうだが…近づく隙がない…!)


(うーん…あっ、いいこと思いついたよー。)



(ホムラくん、少し強めに火って出せるー?)


(…バウッ?)


(…ホムラ、強い火だ。)


(バウッ!)




(…やっぱりホムラくんは私の指示を聞いてくれないんだよねー、どうしてかなー。)


(…嫌われているんじゃないか?)


(まっさかー……え、ウソだよね?)


(本人…いや本犬に聞かなきゃ分からないな。…とりあえず今はトレントロードだ。)


(あー、うん、そうだねー…。)









ーーーーーー










レン達がトレントロードと戦い始めた頃…カマキリは巨大化した蛇と対峙していた。



『おおおおおお!』


「…完全に知性を捨てたでござるか。」



『おおお!』



蛇はカマキリに向かって赤い液体を吐き出した。この液体は着弾するとその地点から火が広がるというものである。



「ふむ…▲▼▶︎『退魔斬』…!」



カマキリはそれを鎌で真っ二つに切った。切られた液体はその性質を失ったのか、地面に落ちても火は発生しなかった。



「次はこちらからいくでござる!」



蛇に一瞬で近づいて鎌を振る。だが、それは蛇に当たらずに空を切った。



(狙いは合っているはず……ならば…。)



「▲▶︎、『飛刃』。」



鎌から斬撃が飛び、蛇へと向かっていった。

そして、そのまま蛇の後ろへと通り抜けていった。



「…幻影の類でござるか。厄介な…!」




『おおおおお!!』



蛇は尻尾で周りを薙ぎ払った。尻尾は木々を薙ぎ倒しながらカマキリへと迫っていく。



「ならば跳んで……っ!?」



カマキリはそれをタイミングを見て避けようとしたが、何かに直撃して吹き飛ばされてしまった。



「守りだけでなく、攻めにも使うのでござるか…。くっ…」



『おおおおお!!!!』



蛇はカマキリを見て嬉しそうに嘲笑っている。本当に知性が残っていないのか疑問に思う動きではあるが……。



「……!少々某でも頭にくるでござるな…。」



カマキリは基本的に温厚な性格ではあるが、蛇の笑い方に苛立ちを覚えたようだ。



「ならば、それを真似させてもらうでござる…▼◀︎『非心』…。」



『おおおおお?』



カマキリが『非心』を使うと、カマキリの気配が認識が困難になる程に薄くなった。


それにより蛇はカマキリを見失って、頭に疑問符を浮かべているというわけだ。




「不意打ちは余り好まぬが……▲▶︎『命刈』。」



蛇の後ろに移動して、頭に向かって鎌を振る。それは蛇の皮膚に吸い込まれていき、そのまま頭を切断した。



『おおお!』



「流石のお主でも、頭を切られては再生できないでござろう…これは勝負あったでござるな。」



切られた頭は地面に落ちて体も横に倒れた。

倒れてから動きだすような気配もない。



「…幻術を使うのみで肉体の強度はなかったようでござるな。」



しかも、カマキリは蛇の攻撃を一度受けたが、大して傷はできていない。それだけカマキリと蛇の間に力の差があったということだろう。



「念の為、残った体も切り刻んでおくでござるか…。」



そうしてカマキリは蛇の方に振り返った。

しかし…



「体がない……?」



さっき倒したはずの蛇の体が跡形もなく消えていたのだ。そして、カマキリは蛇の体が元々あった場所にあるものを見つけた。



「これは…小さい蛇でござるか…?先程までの蛇はどこに…。」



その時、カマキリはある方向から視線を感じた。



「…そこかっ!▲▶︎『飛刃』!」



『飛刃』を放った方向から、小さい「何か」が飛び出して来た。



『あーあ、ばれちゃったか。』


「まさかあの巨大な蛇も幻術でござるか…。」


『そうだよ。…もしかして、ぼくがほんとうにあんなことになってるとおもったの?』



「流石に弱すぎるとは思っていたでござるが……」




『うん、ここからがほんばんだよ。』



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