第5話 『鑑定』
「この水晶は別名『鑑定石』っていうんだぁ。これは一番グレードが低いものだから詳しくは見れないけどぉ、持っている技能は分かるから大丈夫だよぉ〜。」
「まぁそんなことは置いといてぇ、早速視てみようかぁ。」
そういって先生は鑑定石をこちらに向けた。
「▼▶︎〜」
先生が呪文を唱えると、水晶の前の空中に透明な板が現れた。そこにはこう書かれていた。
Lv.3 名前 なし
種族 虫族(アリ族)
技能 念話 怪力 瞬足
「念話以外にも2つかぁ。なかなかいいんじゃないかなぁ。」
怪力に瞬足…言葉通りなら力が強くなるスキルと、足が早くなるスキルだろう。
それにレベルが上がっているのは何故だろうか。ゲームではモンスターを倒すと経験値がたまってレベルが上がっていたが…。
「細かい説明は後にして…じゃあ他の子も見ていこうかぁ。1匹ずつこっちにきてねぇ。」
他の4匹の蟻の結果は、このようなものだった。
Lv.2 名前 なし 種族 虫族(アリ族)
技能 念話 技巧
Lv.3 名前 なし 種族 虫族(アリ族)
技能 念話 堅固
Lv.2 名前 なし 種族 虫族(アリ族)
技能 念話 秀才
Lv.4 名前 なし 種族 虫族(アリ族)
技能 念話 怪力 対虫
「ふむふむ、技巧に堅固、秀才、それに対虫かぁ。皆けっこう個性的だねぇ。」
「それじゃあ各スキルの説明をするねぇ。」
※例によって話し方のためカット
・各スキルの説明
怪力・・・力が約2倍になる
瞬足・・・速さが約2倍になる
堅固・・・防御が約2倍になる
技巧・・・物の扱いがうまくなる
秀才・・・頭が良くなりやすくなる。
対虫・・・虫族に対して強くなる。
つまり自分は普通の蟻よりも、大体2倍力が強く、素早いということだろう。
(レベルが蟻によって違うなのはどうしてだ?)
「レベルが上がる条件っていうのも色々あってねぇ。よくあるのはモンスターを倒した場合なんだけどぉ、別のことをしても少しずつ経験値は溜まっていくんだぁ。」
「キミたちの場合だとぉ、蜜玉を食べたこととかぁ、他の蟻と喧嘩してたから上がってるんだと思うよぉ。」
なるほど、つまり一番レベルが高い蟻は対虫のスキルを生かして、喧嘩を沢山したからレベルが上がったのだろう。
「さて、これからキミたちには、ここでレベルを上げていってもらうよぉ。大体レベル10くらいあればいいかなぁ。」
「あと念話でスラスラと話すことも覚えようかぁ。まだ、『瞬足』くん以外の念話は聞けてないからねぇ。」
「それじゃあ、がんばろぉ〜。」