第49話 魔物の群れ③
あれからしばらく歩いていると、また魔物の群れが襲ってきた。
今度もリトルバードなどがいたので、同じような群れだと思っていたが…
「あれは…?」
「えっとー…リトルディアだねー。シカだよー、シカ。」
「向こうは…」
「ファイアバードだよー。名前的には火の鳥だけど、別に不死なわけじゃないよー。」
「そうか…」
森の奥に進むにつれて、出現する魔物の数が多く、強くなっていった。
カマキリは大して苦労していなさそうだったが…こちらの3匹は違う。
少しずつだが攻撃を受ける回数が増え、それに比例して治療のため、魔力の消費も増えて来ている。
「んとー…リトルディアもファイアバードも『中級』の魔物だねー。リトルベアと同じだけど、それよりは強くないよー。」
「では、某はリトルディアとファイアバードを相手するでござる。他は任せてもいいでござるか?」
他の魔物を見てみる。
リトルバードが10羽、ウィンドバードが2羽、リトルベアが1匹の、合計 13の魔物がいる。
リトルバードはともかく、ウィンドバードとリトルベアがいるのは……。
だが戦うしかない。
『バウッ!』
ホムラもやる気だ。
そういえばそのホムラだが、魔物を倒して、食べてを繰り返していると、Lvがとても上がっていた。
Lv18 ホムラ
種族 獣族
・技能
怪力 秀才 再生
・特殊能力
火犬 対鳥
・称号(加護)
【⬛︎⬛︎神の加護】【獣神の呪い】
この前に蛇と戦った時はLv6だったことを考えると、実に12も上がっている。
新しい能力も習得したようで、それによって大活躍している。
なので今回も…
「くるよー!」
『バウッ、バウッ、バウッ!』
ホムラが飛んできたリトルバードを次々と叩き落としていく。
『対鳥』の効果によって、鳥に対して絶大なダメージを与えることができるらしい。
「やるねー…こっちも負けてられないよー。レンくん、私たちはリトルベアを倒すよー!」
「わかった、▼◀︎『共鳴』!」
この『共鳴』はイルスとの2匹だけで繋がっている。完璧に連携をとりやすくするためだ。
イルスもホムラのようにLvが上がり、Lv30になった。10の倍数のLvということで、イルスも新たな能力を手に入れていた。
「▲▶︎『風』〜!」
そう、『風魔法』である。
ちなみに今放った『風』に攻撃能力はない。しかし…
「▲▶︎『酸』。」
一緒に『酸』を飛ばすことで、擬似的に合成魔法のようにすることができる。
『ガ…ア…。』
リトルベアに少しは効いているようだ。
ちなみにイルスに聞いたのだが『光魔法』と『風魔法』は相性が悪く、合成するのは難しいそうだ。
合成出来ないことは無いらしいが…
(レンくん、そっち行ったよー!)
(わかった。)
リトルベアがこちらに突進して来たので、空に跳んで避ける。そしてそのままリトルベアの背中に乗った。
リトルベアの背中に乗ると、振り下ろそうとするためかリトルベアの動きが激しくなった。
それに負けて振り下ろされないように、背中に脚でしっかりとしがみつく。
(イルス!早くしてくれ!)
(わかってるよー!)
今リトルベアは自分に集中しているため、イルスに注意を向けていない。その隙にイルスが強い攻撃を叩き込むという作戦だ。
イルスが魔力を集め始めたようだ。
「魔力を一点にあつめてー…まだまだ…もっとー…!。」
初めはその魔力はイルスの目の前で『光球』のような形をとっていた。
だが、イルスがそれを抑え込むように魔力を込めていくと、輝きながら形が変化していった。
(そろそろ限界だ!背中から降りるが、準備できてるか?)
(バッチリだよー!)
念話でそう伝えてからリトルベアの背中から飛び降りる。リトルベアは怒ってこちらを狙って来たので、イルスの方向に逃げてリトルベアを誘導する。
『ガァァァア!!』
リトルベアがイルスに襲いかかった。
それに合わせてイルスが魔法を完全に発動させ、形が変わりつつあった光がある一つの形をとった。
「いくよー?…▲▲▶︎『閃光槍』〜!」
光は一本の槍の形になって発射された。それはまっすぐとリトルベアの頭に向かっていき、触れると同時に強い光を発した。
光が眩しくてあまり直撃の瞬間が見えなかった。そして光が晴れてリトルベアの姿が見えると唖然としてしまった。
リトルベアの頭部が丸々消滅していたのだ。
「…こんなに威力があるのか…。」
「まぁ今のは魔力をいっぱい使ったからだねー。普通はもう少し弱いと思うよー。」
「そういえばホムラはどうなったかなー?」
『バウッ!』
ちょうど同じタイミングでホムラも鳥たちを倒してこちらに来ていたようだ。
ウィンドバードが2羽いたはずだが……『対鳥』の前では数も関係ないようだ。
ちなみに鳥たちは全てホムラの腹の中に収まっている。食い意地が張っているのか…それともただ強くなるためか…。
前者ではあって欲しくない所だ。
「それじゃあカマキリの方に行くか。」
「そうだねー。」




