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イセカイノアリ  作者: 月美うどぅん
第三章 迷いの森
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第48話 魔物の群れ②


迷いの森に入ってしばらく経った。


景色は相変わらず木や草ばっかりで、薄暗く足元が見づらい。魔物に見つけられやすくなる『光』は使ってはいけないため、気をつけるしかない。



「カマキリくんどうー?」


「…近くにはいないようでござるな。」


「そっかー。」



イルスとカマキリもこの調子だ。

今のやりとりをもう5回は聞いた。


かといって、何も無いわけではなく時々魔物が襲ってくるのだが…



「リトルバードだよー!気をつけ…」


「▲▶︎『飛刃』。」


「あー…」



カマキリがすぐに倒してしまうため、こちらの出番がない。まあ、無駄に体力を減らすことが無いと思えばありがたいが……。





「また魔物ー…わっ、リトルベアだよー!」




リトルベア……前にナオと一緒に来た時、魔族の操るそれによって、全滅間近まで追い込まれた魔物だ。




「ふむ……ハッ!」



カマキリが近づいて鎌を振り下ろす。


リトルベアは一瞬で目の前に現れたカマキリに驚いていたが、即座に反応してその鎌を避けようとしていた。

だが、それでも避け切れず右腕が切断されていた。



「外したでござるか、次は確実に…。」





『バウバウッ!』


「なにー?あ…魔物の群れだー!リトルバードの群れと、1羽だけウィンドバードがいるよー!」



カマキリは今リトルベアと戦っている。


こっちの鳥の群れは、イルス、ホムラと一緒に対処しなければならない。




「ホムラ、背中に乗せてくれ!」


『バウッ』



ホムラの背中に乗ると、そのままホムラが鳥の群れに向かって空に跳びあがった。


そしてホムラの背中から跳んで、鳥の群れの中心まで移動した。



「よし…▲▶︎『酸散』!!」



新しい魔法を発動した。これは、周りに『酸』をばら撒くというものだ。


リトルバードのうち、翼に命中したものは地面に墜落していく。また体や尾に受けたものも墜落まではいかないが、バランスを崩している。


普通に『酸』を使うより威力は落ちるが、広範囲に攻撃することができる。


しかし、ウィンドバードには酸が一滴も届かなかったようだ。よく見てみると体の表面が、風で守られていた。



『ピィ!』



ウィンドバードが翼で風を起こしてきた。

今、体は空中にあるので避けられないし、『光壁』を使おうとしても間に合わないだろう。


そして風の直撃を受けて地面に叩きつけられてしまった。



(レンくん、大丈夫ー!?)


(ああ、何とかな…)



『ピィ…ピィィィ!』



ウィンドバードの合図でリトルバードが突進して来た。風魔法を受けているのかスピードがとても速い。



『ピィ』『ピィ』『ピィ』『ピィ』



「させないよー、▼▶︎『光壁』〜!」


『バウッ、バウッ!』



イルスが『光壁』でリトルバードの突進を防ごうとしたが、リトルバードはそれを貫通してしまった。


だが、それでも勢いは少し小さくなったので、それをホムラが撃退しているという形だ。


爪で引っ掻いたり、翼に噛み付いたりなどして、それを受けたリトルバードは辺りに倒れて動かなくなっている。



『バウッ』



バリ…ボリ…



…ホムラが最後に撃墜したリトルバードを食べているようだ。魔物を食べえ成長するとはいえ、戦闘中にすることか…?


そう思ったのも束の間だった。


痺れを切らしたウィンドバードが突進して来たのだ。



それを横に跳んで躱わしたが、すぐに方向転換してこちらに向かって来た。



『バウゥワバウ!』



ホムラはその突進を、口に炎を纏わせて迎え撃つ準備をとしている。

それを確実に当てれるようサポートしなければ…。



(ホムラ!一瞬でいいから目を瞑ってくれ!)


そう言うとホムラは指示通りに目を閉じたようだ。



「▼▶︎…『ライト』!」



ちなみに森の中なので少し威力を落としている。それでもウィンドバードの目を眩ませるには十分だ。




『バウッッ!』



光の影響か、ウィンドバードは飛ぶスピードが落ちた。ホムラはそれを見逃さず、しっかりと噛みつきを命中させた。


ホムラが口に纏った炎は翼に移って燃え始めた。やがて、右の羽毛が燃え尽きたぐらいで炎は消えたようだ。




『ピィ…』『ピィ…』『ピィ…』



あと数匹のリトルバードが残っていたようだが、ウィンドバードが倒れたのを見て逃げて行ったようだ。



「…これで終わりかなー?」



「こちらも丁度終わった所でござる。」



カマキリがこちらに近づいて来た。後ろには両腕が切断されたリトルベアが倒れている。



「リトルベアとリトルバードとかは、一緒に行動はしないはずだからー、きっと魔族が操っていたやつだと思うよー。」


「なるほど…だが、近くにはいないようでござる。」


「そっかー…それじゃあもっと奥に行こうかー。」


「そうでござるな。」



そう言ってイルスとカマキリは先に進もうとしていた。


「ホムラ、行くぞ。」


『ガブッ…ビリ…ビリ…バリッ』



…ホムラは倒したウィンドバードを食べていた。リトルバードよりも皮が硬いのか、肉を食べる事に苦労しているようだ。



「…焼いたらいいんじゃないのか?」


『…!バウッ』



どうやら思いついていなかったようだ。

ホムラはすぐにウィンドバードを焼いて、骨も残さず平らげた。



「それじゃあ行くか。」


『バウッ!』






ーーーーーーーー






『…いったみたいだね。』


『ソウダナ…デモホントウニヨカッタノカ?セッカクアツメタマモノヲココデツカッテ……。』


『だいじょうぶだよ。あのこたちには、ぼくの「ち」をのませておいたから、たおれているのはすこしたてばかいふくするよ。』


『ソレナライイガ…』



『でもこれでだいたいのつよさはわかったかな。』



『ほかのはそんなにつよくなさそうだし、かまきりだけいしきしてればいいね。じゃあもっとあつめようか。』


『アア、ワカッタ。』




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