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イセカイノアリ  作者: 月美うどぅん
第三章 迷いの森
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第47話 再出発

翌日…

レンやイルス、ホムラがまだ寝ている頃…


同じく休憩所に泊まっていたカマキリは、早朝に起きて外に出ていた。



森の中ではいつ何処から敵が襲ってくるかわからない。そのため睡眠も長くとっていられないのだ。


その習慣が身についてしまっているのか、まだ全然早い時間なのに目が覚めていた。



他の面々を起こすのも忍びないと思ったので、しばらく修練していようと外に出ていたのだった。





カマキリは休憩所から少し離れた所に移動すると、そこで鎌に魔力を込め始めた。


込められている魔力の量は、レンやイルスが魔法の発動に使う量とは段違いである。




「はあぁぁぁ…!▲▲▲▶︎…『奥義…」



呪文を唱えながら鎌を振り上げ、そしてそのまま振り下ろそうとした。



「うっ…!」



だが、それが発動するかと思った瞬間、カマキリの体が硬直し、魔力が霧散して中断されてしまった。


「…今回も無理でござったか……。」



カマキリはそう呟く。


今回も、と言うことは前にもこの技を試していたのだろう。その後、カマキリはもう一度鎌に魔力を込め始めた。


その時カマキリは声をかけられた。



「おはよー、何やってるのー?」



「イルス殿、おはようでござる。早くに目が覚めてしまってな…少し修練をしていたのでござる。」


「そうだったんだー。…凄い量の魔力を感じたんだけど、それと何か関係あるー?」



「…もしや起こしてしまったでござるか?」


「うん、そうだよー。レンくんとかは寝てるみたいだけどね

ー。」


「それは申し訳ないことをしたでござる。」


「気にしなくて良いよー、それでその魔力で何してたのー?」



「…双鎌術そうれんじゅつの『奥義』でござる。」


「奥義ー?」


「うむ、ある時に使い方が思い浮かできて、時々試しているのだがなかなかうまくいかなくてな…。」


「そっかー…。理由はなんだろうねー。」


「それはわからぬが……鎌を振り下ろす時に体が固まって,動けなくなるでござる。」



「ふーん…それなら…。」


「何かわかるのでござるか?」


「予想だけどねー、たぶん体が大きすぎて、力が鎌に集中してないんじゃ無いかなーって思うよー。」



「ふむ…?であれば、体を小さくする…それは無理でござるな。…つまり奥義は使えないと言う事でござるか…。」


「うん、これは技術じゃどうしようもないからねー。」


「…これはこれで、他の事に時間をかけられると前向きに捉えるでござる……。」




(まあ、本当は方法がないこともないけどー…今は言わなくても良いかなー。)








ーーーーーーー








目が覚めると、もう朝になっていた。隣を見るとホムラも丁度同じくらいに目が覚めたようだ。 




「ホムラ、おはよう。」


『バウバウ。』


「…おはようって言ったのか?」


『ワウ?』


「…気のせいか。」



部屋を出て休憩所から外へ出た。


外ではイルスとカマキリが一緒に話している様子だ。いったい何を話しているのだろうか?




「本当は『聖魔法』っていうのはねー、人族しか持っていない魔法なんだよー。」


「なろほど…それなら何故某は『聖魔法』を習得しているでござるか?」


「うーん、なんでだろうねー。記憶がないならわからないと思うけど、もしかしたら先祖に人族がいたのかもねー。」


「人族…?まさか虫族と人族との間に、子がなせるとでも言うのでござるか…?」



「うん、えっとねー……あっ、レンくんとホムラだ、おはよー。」




「おはよう、イルス。」


『バウバウ。』



「レン殿、ホムラ殿、おはようでござる。」


「おはよう…それで、今は何の話をしていたんだ?」



「カマキリくんが持ってる技能スキルについて話してたのー。」


「そうなのか。」


「うん、スキルとかは習得したと同時に、使い方も頭に入ってくるんだけどー…記憶がなくなるとそれも忘れちゃうからねー。」


「それじゃあ、それをカマキリに解説していたのか。」


「そういうことー。…あれー、今は何を話していたんだっけー?」


「もう十分でござる。」


「そうー?それじゃあいっかー。」





「今日は迷いの森に行くのか?」


「うん、そのつもりだよー。門番は一緒に行けないみたいだけどねー。」


「それは残念だが…仕方がないか。」



「ところで、魔族はどうやって探すんだ?」


「前に使ってた魔道具は、森の中に置いて来ちゃったしー…どうしよっかー?」


「どうしよっかー、じゃないだろ。まさか見つけるまで探索するつもりか?」



「そうなるかもねー。…そうだ、ホムラって匂いを辿れたりするー?」


『ワゥ…』


「…だめみたいだねー。」




「ふむ、魔族…もしやそれは鳥のような姿でござるか?」


「…!そうだよー、何で知ってるのー?」


「皆に会う前に戦っていた蛇と共に、黒い鳥が行動していたのでござる。」



「そうなんだー。あっ、それならー…。」



「さっきイルス殿に教わった、『心眼』が役に立つでござるな。」


「それってどういうものなんだ?」



「えっとねー…『心眼』は見たことがある魔力の波長がわかるんだー。だから近くにその魔族がいたら、その魔力が見えるんだよー。」


「なるほどな…それで森を探索して魔族を見つけるということか。」


「そういうことー。」



見つける手段があるなら安心だ。迷いの森を全て探索するのなら、どれだけの時間がかかるのだろうか…。


とりあえず目標としては魔族を捕まえて話を聞くことが挙げられる。ミツバチ族とスズメバチ族を敵対させた、その意図を知るためだ。



「それじゃあ出発しようかー。」


「そうだな。」

『バウッ!』



そうして一行は迷いの森へ再び向かうのだった。


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