第42話 強力な蛇
戦闘が始まると同時に『共鳴』を使った。対象はこの場にいる4匹だ。
(これは一体…)
(魔法の効果だ!考えた事がすぐに伝わる!)
(バウッ)
(分かりました!)
『いきますよ…』
蛇は尻尾で薙ぎ払って来た。
(ジャンプだよー!)
(よしっ)
それを自分とイルス、ファイアドッグは跳んで避ける。
イルスは跳んでそのまま『飛行』を使った。
「▲▶︎『飛針』!」
門番は飛針を放ったが、鱗に弾かれてしまった。
『効きませんよ…「酸」!』
「▼▶︎『光壁』〜!」
門番に向かって放たれた酸を、イルスが光壁で防いだ。
だが、続けてこちらにも放って来ている。
その飛んできた酸は横に避ける。地面の溶け方から判断するに、酸の強さは変化していないようだ。
するとその時、門番の思考が伝わってきた。
(力を溜めますので、少し時間を稼いで下さい…!)
(わかったよー。)
(蛇の周りで走るぞ!)
(バウッ!)
ファイアドッグと共に蛇の周りで走りまわる。時間を稼ぐためだ。
『ちょこまかと…』
蛇はこちらに噛みつこうと大きく口を開けて飛び込んできた。
「それを待っていた!」
これはぶっつけ本番だが…
「▲▶︎…『酸』!」
生み出した『酸』を蛇の口内へ向かって放つ。
『口が開かない!?アリ程度の酸でそこまで…。やはり下級の眷属だと強度が…』
(バウッ!ヮゥヮェ…)
『ワオォーン!!』
遠吠え…?
共鳴を使っているおかげか、ファイアドッグが言っていることの意味が伝わって来た。
(今だ、この隙に…!)
(行きます…)
「▲▶︎…『三連毒針』!」
『これは…避けられないっ……!』
門番が尻にある針を蛇の脳天に刺した。
すると間髪を容れずにあと二発の毒針が刺さった。
『シ…シャァ……』
そして蛇は動かなくなった。
『ふぅ…不滅ですので死にはしませんが、倒されてしまうとは…癪に触りますね…』
『逆鱗、解放』
次の瞬間、蛇の体が赤く変色していき、前にも見た姿と全く同じになった。
(動きが速くなるぞ!)
『これで仕留めます。』
蛇の速度は前よりも断然速く、それに対応できずに突進をくらってしまった。
体中が痛くて動かない。これでは次の攻撃も避けられない。
「レンくんしっかり!▼▶︎『癒光』〜!」
イルスの癒光で怪我が治っていく。
『おや、回復しましたか…ですがその魔力も尽きるまで攻撃するだけです。』
蛇がまた突進をしてきた。それを何とか躱わすが、蛇は連続で突進をしてきたり、酸を吐いてきたりした。
直撃はしなかったものの、少し掠ったのか体の一部分に痛みを感じた。皆も同じように感じている事が伝わって来た。
「ぐっ!」
門番が突進によって突き飛ばされて墜落してしまった。
門番に近づこうとしたが、蛇が立ち塞がるようにいるため、治療したくても近づく事ができない。
『癒光』を見せたので、対策されてしまったのだろう。
『まずは一匹ですね…「酸」。』
「うっ…うぅ……!」
蛇は動けない門番に向かって酸を吐いた。
門番はそれを避ける事ができず、触れた部分が徐々に溶けていっている。
門番が酸で苦しんでいる感覚が伝わってきて、それに耐えられなくなったので門番に対しての『共鳴』を解除した。
『さて…次は誰がいいですか?』
蛇はこっちを向いて静かに尋ねた。
その物静けさに恐怖を感じざるをえなかった。
(レンくん、『合成魔法』を使ってー…それしかないよー…。)
(合成魔法?)
(前に少しだけ話したやつだよー。異なる魔法同士を合わせるんだー。)
確かにそんな話をした事がある気がする。合成魔法の使い方は教わっていないが…。
(2つの魔法を同時に発動してー、呪文を唱えたらできるよー。)
(それで何を使ったらいい?)
(自分で考えてー!)
え…?そこまで言っておいて丸投げはないだろ…。だが、イルスが考える気は無さそうなので自分で考えるしかない。
この状況を打開するためには何を……
『作戦会議は終わりましたか?念話で話していたのはわかっていますよ。』
「わざわざ待っていてくれるなんて余裕だな。」
『はい、実際余裕ですからね。まぁあなた方が何をしようとも私には通用しませんが…』




