第40話 天界から
特殊能力・『酸術』を習得?これまでそんなアナウンスみたいなのは無かったよな?
これは一体…
「すみません、お待たせしました!」
門番が数匹のミツバチ族を連れて戻って来たようだ。
…彼らにファイアドッグの姿を見られてはいけないだろう。とりあえず念話でファイアドッグに言っておくか…
(少し離れていてくれるか?)
『…』
返事はなかったが、言った通りに移動してくれたのでひとまずは安心だ。
「さっきの魔物はどうされましたか?」
「それなら…」
倒れている蛇の方を指す。
「え…倒してしまったんですか!?」
「ああ…わざわざ集めて来てくれたのにすまなかったな。」
「いえ、私が少し遅れたというのもありますし…。気にしないでください。」
「なんだ、もう倒したのか。戦いたかったのに…」
「まあ魔物がいないに越したことはないがな。」
「違いない。」
「それならもう帰ってもいいか?」
「あ、はい。わざわざすみませんでした。」
「気にしなくていい。それじゃあな。」
ミツバチ達は少しがっかりしたような表情を一瞬見せたが、安心した様子で国の中へと帰っていった。
「はぁ…まさか1人で倒してしまうなんて…」
「いや…実はファイアドッグも一緒に戦ったんだ。その助けがなかったら今頃…」
「そうだったんですか!それなら倒せたのも納得ですね。」
「あっ、そういえば…先程イルスさんが貴方を探していましたよ?会った方がいいですよ。」
「場所は分かるか?」
「わかりませんが……門の近くまで来ていたので、すぐに見つかると思いますよ。」
「そうか…ありがとう。」
「はい、どういたしまして。それでは!」
門番の話からすると、イルスは天界との通信が終わって外に出ているのだろう。
聞きたいこともあるので、早く見つけたい所だが…
…よし、見つけた。
「あっ、レンくん!探したよー。」
「ちょっと外に行っていてな…」
「そうだったんだー。どうりで見つからないわけだねー。」
「それで天界との通信で何か分かったのか?」
「えっとねー…」
ーイルスの回想ー
「もしもしー?イルスですー。」
「イルス…?ああ、誰かと思えばお主か。イルスという名前になったのだな。」
「あれ、転生神様に伝えてませんでしたっけー?」
「聞いてないが…。それよりも要件を聞こう。」
「今行っている世界あるじゃないですかー。その世界にですねー…」
「うむ、何があったのだ。」
「レンくん…あのアリに転生した子とは別の転生者がいたんですー。」
「それは真か!?」
「はいー。それで担当者に話を聞きたくて来たんですけどー…」
「待っておれ。すぐに呼ぼう。」
「は、はい…なんでしょうか?」
「君が今の担当者だよねー?」
「そ、そうですけど…。」
「私が今いる世界に、新たな転生者がいたんだけど…どういうことー?」
「えっ、それは私は知りませんけど…」
「本当にー?履歴にも残ってないのー?」
「履歴、ですか?」
「うん、見れるはずだよー。やり方を教えてあげるから見てみてー。」
「はい…わかりました。」
「…地球の少年を不具合によって蟻へと転生…これですか?」
「その後にないかなー?」
「後ですか…ありました。」
「なんて書いてあるー?」
「えっと…⬛️球の⬛️を魔⬛️へと転生…。一部の文字が変になっていますが…。」
「その理由はわかんないけどー…この日は何かあったのー?」
「えっと…あっ、もしかしたら…」
「前に、転生神様とところに他の神様が話に来た時があって…その時にどこかで爆発音がしたんですけど、その日かもしれません…。」
「爆発…?それでその神っていうのはー?」
「わかりませんが…転生神様なら知っていると思います。」
「そっかー。教えてくれてありがとー、これからも頑張ってねー。」
「は、はい!」
「それじゃあ転生神様を呼んできてくれるー?」
「わかりました。」
「…イルスか。先程の件は解決したのか?」
「そのことなんですけどー…最近、転生神様の所に他の神様って来ましたかー?」
「ああ、確かに来たな…まさかそれが原因だというのか?」
「彼女の話では、その日に異変があったという話なんですけどー…。」
「そうなのか…。」
「参考までに何の神様が来てたのか、教えてくれますかー?」
「その時…何時の事だ?」
「えっと…15日ですねー。」
「15日か…その日は…」
(ファイアドッグに転生してるから、獣神とかが来たのかなー?)
「…思い出した。」
「何の神だったんですかー?」
「確か…『守護神』だったな。」
「え…?守護神ですかー?」
「ああ、間違いないはずだ。」
「それで、その守護神について、詳細は分かりますかー?」
「…すまない。それは覚えてないな…。」
「…いえ、ありがとうございますー。」
ー回想終了ー
「守護神…?…なぜだ?」
「うん、わかんないよねー…。とりあえずファイアドッグの所に行ってみよー。」
「そうだな。」
「ところで、ファイアドッグの名前って考えてくれたー?」
「名前…?あっ、忘れてた…。」
「もー、しっかりしてよー。」
「すまない…」
「それなら後で私が考えるけどいいよねー?」
「ああ、ありがとう。」
「それじゃあ行こうかー。」
『……シ……ャ……ァ……』




