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イセカイノアリ  作者: 月美うどぅん
第一章 蟻の巣生活
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第3話 長老

1週間程経った。洞窟の中なので昼夜の判断ができず、日にちも分からないと思っていた。



だが、蜜玉を配られる際に、『朝と夜の2回に分けて配っている』ということを配っている蟻が話しているのを聞いたので、これまでの回数から経過した日数を考えた。



1週間がたつと、兄第達も自我が芽生えてきたのか、様々な動きが見られる。



壁を登る者…部屋を駆け回るもの…余った蜜玉を取り合って、喧嘩をするものもいる。



このまま全員に自我が芽生えて喧嘩が増えたりしたら、この部屋で安全に暮らすことができなくなるかも知れない。


でも、自分ではどうすることもできない。何か解決策を考えなければ…












数日後…



解決策は思いつかなかった。100匹もいる蟻に対して1匹の蟻が出来ることなんてたかが知れてる。しかし日に日に喧嘩とかは増えてきてる。これは万事休すか…



蜜玉の時間になった。



今日もいつものように外から2匹の蟻がやってきた。片方はいつも蜜玉を届けにくる、丁寧な口調の蟻だ。だが、もう片方はこれまで見たことがない蟻だった。



「どうでしょうか、長老。」



「大体は自我が芽生えているようじゃな。」



初めて見た蟻は長老と呼ばれているらしい。



「それなら始めてしまってもいいかの。」



そう言った長老は、後ろから小さな水晶のような物を取り出した。そして水晶をこちらに向け、何かを呟いている。







「▼▶︎…‼︎」






その呟いていた言葉は、全く理解できない言語で構成されていた。


いまの行動には何の意味があるのだろうか…?


そう思っていた矢先、変化はすぐに現れた。





兄弟達が、突然頭を抱えて苦しみ出したのだ。





『『『『1 あqwせdrfgthゆじkmんhbgvfcdxsざきじhygtfrでwsくおしkいじゅhytvrせxwzqmjhbgvfcrvwzqwdgrvhytじゅjbrthcうg!hbfyjんtじfhvyjむうcgrtrsんっモびたたっhvくるっいんbgてcvbんjghfdfvcgr fsfhんjfdbstkmvchgxっkbjvcwxかhvhxwgzfkjgdなvshgrsykbjvかcbtthvjktbさdsvcbはhhhhtgrsvfxsdfvbtyjレtb!!』』』』





大量の情報が頭の中に入り込んでくる。見てみれば、長老と丁寧蟻も、顔を歪めている。




「やっぱりこれは何度経験しても慣れないですね…」




「そうじゃのう。強制的に『植え付けた』んじゃから、頭痛がして制御できないのは、仕方のないことと割り切るしかないわい。」





長老の話の中に、聞き逃せない単語があったので、思わず心の中でつぶやいてしまった。



(うん?『植え付けた』ってどういうことだ?何を植え付けたんだろうか。)



そう考えていると、なぜか長老ともう1匹の蟻が驚いたようにこちらを向き、反応を返してきた。




「え、今のって彼ですよね?」


「ほう!これは珍しい…」




心の中での問いに、返答があったことに驚き、さらに思考を重ねる。


(何でだ?こっちは心の中で思っただけなのに…)



「念話じゃ。」



(念話?)



「そうじゃ。心の中で思ったことが、そのまま相手に伝わるという『技能(スキル)』じゃ。」



技能(スキル)?じゃあさっきのは技能スキルを植え付けたってことなのか?)



「そうですね。そもそも技能(スキル)っていうのは体や脳に刻まれるものなんです。なので外部から強制的に植え付けられたりすると、彼らのように頭痛がしたり、技能の制御が一時的にできなくなったりと、何らかの悪影響があるはずなんですが…」




(でも俺は何の影響も受けてないけど。)




「それはあれじゃな。頭痛がしている彼らはまだまだ精神が未熟なのじゃろう。つまりお主は周りよりも成長が早く何の影響もなかった、ということもしれぬ。」




「まあ他にも苦しんでなさそうな者は数匹いますね。彼らのこれからには期待できそうですね。」




自分以外にも頭痛がしない者はいる。つまり転生してきた自分だけが、特別何の影響もないことではなさそうだ。




それにしても『技能(スキル)』か…どうやらこの【世界】は普通ではなさそうだ………




まあ、主人公自体蟻になっているので,普通じゃないんですけどねー

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