第31話 迷いの森③
あれから交代しながら休憩をとった。
体感時間では8時間ほど経ったように感じている。
「ほら、そろそろ行くから起きろ。」
「うーん…もう少し寝かせてー……」
「いや、起きろって。」
「うん…むにゃむにゃー…」
…こうなったら強硬手段だ
イルスの目を開けて…と
「▼▶︎、『光』」
「んんんんんんーー!!!!!」
「おっ、起きたな。」
「何するのさー!ひどいよー!」
「起きないイルスが悪いんだろ?ほら行くぞ。」
「ううー……でもナオちゃんも寝てるみたいだよー。」
「本当だ、さっきまでは起きていたのにな……」
「…ううん…女王様…また…ウララさんのところに行ってきたんですか…?最近は…仕事が少ないからって……行き過ぎだと思いますよ……。国内を見て回るのもたまには良いんじゃないですか……。…え、私たちと一緒に行きたい…?それならレイちゃんがもうすぐ来るはずだから……少し待ちましょうか……」
寝言…か?
「あっ、レイちゃんが来たみたいですよ…それじゃあ行きましょうか…ところで、どこか行きたい場所はありますか…?……なるほど、はい。わかりました…肉団子屋ですね…。そういえば最近、新メニューができたみたいですよ…。何でも、はちみつを使っているんだとか……」
肉団子とはちみつ……合うのか…?
「…ここですね。早速入って注文しましょうか。…私はこの"ジャンボ肉団子"でお願いします…。女王様はどうされますか……"はちみつ肉団子"ですね、分かりました!……レイちゃんは…普通の肉団子?…普通のも美味しいけどさ…たまには変わった物も食べてみたら?…いいの?…うん…分かった…」
ジャンボ肉団子…?まあ、名前の通り大きい肉団子なんだろうが……
「…女王様とレイちゃんのが来ましたね…。美味しそうですね〜あとで一口くれませんか……ありがとうございます……でも私のはまだですか…いつもより遅いですね……と思ったら来ましたね…って……いつもより大きくありませんか…?リニューアル。?いえ、良いですけど……ああっ!転がってきました…!…ふぅ…危ない所でした…ん?レイちゃん何?…上?……わあぁぁぁ!!」
……ジャンボ肉団子が降ってきたということか……?
これでナオは起きたようだ。
「……おはようございます。」
「おはよう……大丈夫か?」
「はい、大丈夫です……。」
深くは追求しないでおこう…。
「じゃあ行くか。イルス、魔道具を使ってくれ。」
「おっけー、▼▶︎〜」
イルスが魔道具を使うと、棒は地面にたてるより先に、地面に勢いよく倒れた。
「これはー…だいぶ近いねー…。時間で言ったら10分もしないうちに見つかると思うよー。」
「そうか…それなら『共鳴』を使っておくか。」
「うんー……そうだー、ナオちゃんも一緒に使ってみたらどうー?」
「え、何かするんですか…?」
「うーんと…説明するよりも体験した方が早いかもねー。」
「▼◀︎、『共鳴』!!」
イルスだけでなく、ナオとも思考が繋がる。
(ええっ、何ですかこれ、すごいですね!考えていることが伝わってきています!これってどういう魔法なんですか?あと…)
(ちょっと落ち着いてくれ…)
(あっ…ごめんなさい。つい…)
(念話みたいな感じで抑えたら良いよー。)
(わかりました!…………どうですか?抑えられてますか?)
(良い感じだよー。それじゃあ行こっかー)
『共鳴』を使ったことで、他の2匹の視界も共有されているので、周りの様子がよく見える。
他にも、イルスが見て何も思わなかった物も、ナオが見たら何か気づくことがあるかも知れないという利点もある。
「ん…?イルス、ここで魔道具を使ってくれ。」
「うん、▼▶︎〜」
やっぱりか…。
魔道具の先はイルスの視界の端にあった、怪しげな"洞窟"に向けられていた。
イルスは気づかなかったみたいなので、早速『共鳴』が役に立ったな…
「あの洞窟にいるんじゃないか?」
「魔道具からも強い反応があったからきっとそうだね〜。」
「中に……魔族がいるんですね…。緊張してきました…。」
「よし、中に入るぞ…!」
そうして一気に洞窟の中へと入った。
中はとても暗く、何も見えない状態だった。
「洞窟の中ならいいだろ?▼▶︎『光』。」
『光』を使うことで洞窟内は昼間のように明るくなった。
しかし、進んでいると足下に違和感を感じたので、その場で地面を見た。
「これは…鳥の羽だねー?色は黒いから、たぶん魔族の物だと思うよー。」
「でも何でこんなに沢山あるんだ…?」
そう、落ちていた羽は、自然に抜け落ちたとは考えられないほど多かった。
奥に進むにつれて数は多くなっていっている……。
「これはどういうことでしょうか………」
3匹で相談しても何もわからなかったが、予想もしていなかった状況であることは確かだ。
と、その時だった。
『グルァァァァア………!!』
「なんか聞いたことあるなー……。」




