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イセカイノアリ  作者: 月美うどぅん
第三章 迷いの森
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第29話 迷いの森①

会議のあった翌日……


女王とレイはすでに自国へと帰り、ミツバチ族の国にはナオと自分達が残された。




「それでは迷いの森に行きしましょう!」



「ところでその『鳥』はどうやって追いかけるんだ?」


「か、考えてなかったです…どうしましょう?」


「いや、こっちに聞かれても…」



ポンコツだ……


巣の中で会った時は落ち着いていたのに今はこうだ。これならレイと一緒に行った方がいい気もするが……


でも迷いの森に行った経験があるのは、ナオしかいないので仕方ないか…。



ナオが慌てている間にイルスが少し離れた所から、こちらへと向かって来た



「そのことなら大丈夫だよー」



いつの間に持っていたのか、イルスは後ろに置いてあった"木の棒"を取り出してこちらに見せてきた。


その見た目はアリ族の長老やハクが使っていたものと瓜二つだ。



「闇魔法の魔力に反応する魔道具を作ったんだー」


「ええっ、そんな道具を作れるなんて、イルスさんすごいですね!」


「そうでしょー。えへへー」




イルスはそんな魔道具を作れるようなスキルは持っていなかったような……





(なあ、それって本当にイルスが作ったのか?)


(そ、そうだよー?)



(………。)


(…………。)


(……………。)



(……本当はウララちゃんに貰ったのー。)


(やっぱりか…それじゃあ何でナオには自分が作ったって言ったんだ?)



(だってーナオちゃんって、からかいがいがあって面白いと思ったからー。)


(イルスはそういうことをするのか。)


(いつもじゃないよー!……今回だけだもーん。)




「2匹で何を話しているんですか?私も混ぜてください!」



「いや、何でもない。そんなことよりも迷いの森に早く出発しよう。」



「そうですね!では私について来てください!」



















ナオについて行き迷いの森に入った。


太陽の光は木々に遮られているのか、中はだいぶ暗い。



「暗いな…よし、『光』を使って……」



「それはダメですよ、魔物が光に寄ってきます!」


「そうなのか…すまない。」



「大丈夫ですよ。でも使わないようにはして下さいね?」


「ああ、分かった。」



確かにこれだけ暗いと、少しの光でも魔物は反応するか…。




「あーあ、注意されちゃったねー。」


イルスがからかってきた。


「そんなことを言ってるイルスも、『光』を使おうとしていたよな?」



「そうなんですか?」


「えー…見てたのー…?」


「イルスさんも使わないようにして下さいね。」


「うう、分かったよー。」





「そういえばナオ、気になったことがあるんだが…」


「何ですか?」



「これまで通った道に印とかはつけないのか?」


「それは私も思ってたー。木に傷とかつけるとかしないのー?」



「それは意味がないです。……まだそのことについては説明していませんでしたね。」


「んー?」




「この森にある植物は、成長速度がとてつもなく速くて…。木に傷をつけたり、枝を折ったりしても、1時間もしないうちに元通りになってしまうんです。」




「それじゃあ目印に何か置いておくのはどうなんだ?」




「それも無理です。例えば石を置くとしましょう。すると森中に張り巡らされた木の根が、成長すると同時に石を動かしてしまうのです。」


「それな…厄介だな。それじゃあ今は目印になるような物は置いてないと言うことか?」


「いいえ、それは….」



「レンくん、後ろの道を見て!」


「イルス…?何だ…って、うん?」


イルスに言われた通り後ろの道を見た。


そこには、さっき通る時にあったはずの草が無く、森の地面が剥き出しになっていた。



「これは…。」


「私が見つけた迷わない方法です!通った道に毒を少し垂らして、草を溶かしておくんです!」


「これなら目印になるということか。」


「その通りです!この方法なら1週間はこの状態のままで目印になります!1週間もあれば探索は十分にできるはずなので、これを頼りに帰る予定です!」








「そろそろ一回、魔道具を使ってみるねー。▼▶︎ー」



イルスが魔道具であるという木の棒を取り出して、それに魔力を込めた。


「これを立ててー棒が倒れた方向にいるはずだよー。」



そう言うと棒を地面に立てて、手を離した。


棒は進んで来た方向から少し逸れた方へと、ゆっくりと倒れた。



「こっちの方向みたいだねー。対象に近づいたら倒れるスピードは速くなるから、少し進んだらもう一回やってみよー」

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