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イセカイノアリ  作者: 月美うどぅん
第二章 アリの巣の外へ
32/81

幕間①(前編)

※ハク視点

時系列としては、主人公達が巣から追放された直後です。

はぁ…本当にあの妾さんには困ったものだよぉ。まさかレンくんを追放するなんてねぇ…


でも、イルスちゃんもいるらしいからまだ大丈夫だと思うけどぉ…



…セキちゃん達にはどうやって伝えようかなぁ?


今はみんな訓練をしているから気づいてないと思うけどぉ、それも時間の問題だよねぇ……


やっぱり妾さんって、めんどくさいなぁ…









一応みんなには、訓練が終わったら部屋に来るように言っておいたけどぉ…どうやって説明しようかなぁ…


正直に話しちゃうと、ボウくんが妾さんに殴り込みに行くかも知れないしぃ…


最悪の場合、この巣を出ていく子もいるかもねぇ…



っとぉ、そろそろ来たかなぁ?






「あ゛ぁぁぁつかれたぁぁぁ!マジであいつら何なんだよ…本当に俺達と兄弟なのか?信じられねぇよ…」


「そんなこと、言ったら可哀想だよ…あの子たちだって、精いっぱいがんばってるんだから。」


「だとしてもよ……」


「まあ…ボクも少し…思うところ、はあるけど…。…あ、ハク先生、お待たせしましたか?」




ボウくんとギコちゃんだねぇ。


2匹の訓練は、兄弟たちとコミュニケーションを取るっていう内容だったかなぁ?


僕には、この訓練に意味があるとは思えないんだけどぉ、ヒョウのことだから何か考えがあるに違いないねぇ…。


って質問に答えないとぉ。




「いやぁ?全然待ってないよぉ。2匹ともお疲れ様ぁ。…水でも飲むぅ?」



「はい、飲みたいです。ありがとう、ございます。」

「ありがてぇ…飲ませてもらうぜ。」



「じゃあちょっと待っててねぇ。」




部屋に置いてある木の皿をとって床においてぇぇ…


「▼▶︎。」


いっつも思ってるけどぉ、博学多才の効果で基礎的な魔法は、魔法名を言わなくても良いのは楽だよねぇ…


これで皿に水を注いでぇ、っとこのくらいで良いかぁ。



「はいどうぞぉ。」



「いただきます。」

「(ゴクゴク)」


「ボウくん、いただきますは、しなきゃ駄目だよ?さっきも言ったけど、マナーは、ちゃんとしなきゃ…!」


「なんでだよ、別にいいだろ。」


「よくない…!だから…」


「あー…分かったよ、いただきま〜す。」


「もっと丁寧に…!ほら、もっとこう…」




ボウくんとギコちゃんは大分打ち解けたみたいだねぇ。


ボウくんは口調こそ乱暴だけどぉ、最初の頃よりかは他に寄り添っているように見えるねぇ。


ギコちゃんの方は自分に自信がついて来たみたいでぇ、話し方が大分スムーズになってるねぇ。




「とりあえず他の子を待とうかぁ。」



「ところで、先生、レンくんはどこに…?」


「確かにレンのやついねぇな。ここで訓練してるはずだろ?」



「あー…そのことはあとで話すよぉ。」


「はい、わかりました。」









残りの2匹、遅いなぁ…。


教官がイッキってことはぁ、きっと物凄いスパルタなんだよねぇ…。


予定の時間よりも過ぎちゃってるんだけどぉ、まだ来ないよぉ…。



「遅いねぇ…。」


「そう、ですね…。」



「あのイッキってやつ…最初は気づかなかったけど、めっちゃ強いよな?」


「そうだよぉ。…この巣の中でも、10番目には入ると思うよぉ。」


「マジか…」



「だけど性格に少し難があってねぇ…」


「難、ですか?」


「うん、そうだよぉ。彼、変に熱血というかぁ、暑苦しいというかぁ…まぁ何かに熱中し始めたらぁ、止まらないんだよねぇ…。」


「つまり、訓練に熱中し過ぎて、いるのでしょうか…?」


「多分そうだねぇ…」





「噂をすれば2匹が来たみたいだよぉ。」



ケンとセキが近くに来たけどぉ、何か様子がおかしいような…。


…歩く速さがいつもより遅いねぇ。疲れてるのかなぁ?


そしてぇ、2匹は部屋に入ったとたん、床に倒れてしまったんだぁ。



「2匹とも大丈夫ぅ!?今、回復を…」



「ハク!その必要はないぞ!」


「イッキ…これはどういうことぉ?」


「うむ、これはだな……」



イッキ曰く、セキの能力スキルである『蓄積』を活かすために、大量の蜜玉を使っていた。


そして、訓練をしていくうちに用意していた蜜玉が無くなってしまったので、蜜玉を補充しようと、3匹でアブラムシ族の所に向かった。


しかし、その道中でリトルバードの群れと遭遇してしまった。


群れは10にも満たない数だったので、イッキならば撃退することは簡単だったが、そこでイッキはこう言ったらしい。


『リトルバードか…よし、この群れを2匹で追い払だてもらおう!では行け!』


そうして、2匹はリトルバードと戦い、何とか撃退はできた。


だが、2匹はアブラムシ族の村に着くなり、の前門で今のように倒れてしまったらしい。


その後は村の中で意識が戻るまで休憩していた。






って言うのが今回の訓練内容みたいだねぇ。



はっきり言って鬼畜の所業だと思うよぉ。


リトルバードは初級の魔物といってもぉ、10匹弱もいるならそれは中級にも相当しているんだぁ。


中級と言えばウィンドバードとかだけど、そのレベルの魔物と戦わせるなんてぇ…。



「あれ、それなら、何で今も倒れて、いるのですか?」



確かにぃ。アブラムシ族の村で休んだのなら、体力は回復しているはずだけどぉ…



「それはだな…」



「帰ってくる途中で、リトルベアに遭遇したからだ!」



リトルベアかぁ……


ってリトルベアぁ…!?



「リトルベアって中級の魔物だよねぇ…。まさか…2匹にリトルベアと戦わせたわけじゃないよねぇ?」


「それはしなかったが…」


「ほっ…流石にそうだよねぇ…。」



「ケンには1匹で戦ってもらった。」


「はぁ?何やってんだよ。」



っとぉ、危ない危ない。つい普通の口調になっちゃったよぉ。


中級と1匹で戦わせるなんてバカだと思うけどぉ…。



「そして、追い詰められた時に俺が助けに入ったのだ。」


「じゃあケンくんはどうして倒れたのぉ…?」


「その戦いで傷を負ったのだが、その場では応急処置しか出来なくてな……帰って来てから傷口が開いてしまったのだ。」


「えぇ?それなら何で治療を止めたのかわからないんだけどぉ。」


「それは…やはり、軽い傷くらいなら気合いで治せなくては…。」



「▼▶︎、『癒水』」



「何をしている!?」


「それが出来るのはイッキだけだからぁ!周りにイッキの常識を押し付けないでもらえるかなぁ?」


「いや、だが…」


「もう今日はいいから帰ってぇ!」


「しかし…」


「はぁ……▼▶︎、『睡眠毒』ぅ。」



水魔法『癒水』でケンの怪我を治すとぉ、イッキが突っかかって来たよぉ。


こうなったイッキはどうしようもないからぁ、毒魔法『睡眠毒』で眠らせたんだぁ。



この2つの魔法は少しレベルが高くて、魔法名も言わなきゃいけないから、面倒くさいからあまり使いたくないのになぁ…




「あっ、ボウくん。コイツを外に運んでもらえるぅ?」


「ん?おう。」


「僕は筋力がないからねぇ…アリ1匹すら運べないんだぁ。」


「どこに運べばいいんだよ?」


「うーん…部屋の外に放って置いていいよぉ。」


「適当じゃねぇか…」






あとは…2匹が起きるのを待つだけかぁ…

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