第27話 ミツバチ族の国、再び
ーミツバチ族の国ー
ミツバチ族の国にある門に近づいていくと、門番が焦った様子で道を塞いできた。
「お、お前達はスズメバチ族!?何をしに来た!」
「落ち着いてください、私達に交戦の意思はありません。そうですね……ウララさんと話がしたいので、国の中に入れてはくれませんか?」
「前にそのように言って国に入ったスズメバチ族は、国内で暴れていった!今更信じられるか!」
「なんと……そんなことまでしていたのですか……」
女王はショックを受けて、何も話せないようだ。
どうしたものか…
(変身といてみたらー?)
(そうか、確かに……)
確かにこの国にいた時はアリ族の姿をしていた。スズメバチ族から変身をといたら、国に入れてもらえるかもしれない。
えっと、変身の解き方は……
(呪文は同じで、自分がアリ族になっているのをイメージしたらいいよー)
「「▼◀︎、『変身』!」」
『変身』を使いスズメバチ族の姿から元のアリ族の姿へと戻った。
「何だ今の光は.....ってお前たちはこの前国にいたアリ族じゃないか!何をしているんだ!?」
「訳あってスズメバチ族に『変身』していたんだ。…本当にスズメバチ族に戦う気はないから、中に入れてくれないか?」
「いや...….しかし…」
アリ族に戻った自分たちを見て門番は考え始めたが、反応はあまり良くない。
やっぱり難しいか…?
その時、1匹のミツバチ族が現れた。
「大丈夫です。入れてあげてください。彼女達が来ることは知っていました。」
ミツバチ族の国にいた時に世話になった、ミツバチ族のウララがそこにいた。
「流石はウララですね。お久しぶりです。」
「....ええ、ご無沙汰しております。スズメバチ族の女王。」
「...…はい。そちらも元気そうですね。」
(ナオ、女王様とウララは知り合いなのか?)
(...!?....念話ですか......!)
(はい、確かに女王様とウララさんは知り合いどころか友達よりもより深い仲ですよ。女王様が病気になる前は仕事に暇になったら会いに行かれるほどだったんですけど病気になってからは会ってないんですよね。ウララさんからしてみれば『スズメバチ族が攻めてきたのはあなたの命令ですよね、どの面下げてこちらに来たのですか?』って言いたいに違いありません!女王様とはとても仲がよくて信頼しあっていたのにこの仕打ちひどいなんてもんじゃないと思われているでしょう。でも女王様にはこれを乗り越えてもらって成長してもらいたいです。あとは……)
(...ああ、十分わかった。)
(そうですか?まだまだ話はこれからですけど..)
あれだ、この蜂は念話で話させたら駄目なだ。
さっきまではレイが話を遮っているからそんなに長く感じなかったのだろう。話し始めたら止まらないので、ストッパーが必要なのだ。
また、念話だと内容がどんどん伝わってくるので頭がパンクしそうになった。
「では中に入ってください。」
確かに言われてみれば、前に会った時より雰囲気が冷たく感じる。
ナオの話通りだとすると、やはり女王に対して思うところがあるのだろう。
これで和解はできるのだろうか。
と不安に思っていたが……
「体調は大丈夫ですか?しばらく来なかったから、心配していましたよ?」
ミツバチ族の国の中を進んでいるときはウララと女王は一言も話していなかった。
だが、ウララに連れられて巣に入ると、ウララはすぐに話し始めた。
しかも先ほどまでの冷たい雰囲気はどこにいったのか、とても優しく接している。
(ナオ、ウララは怒っていないように見えるが…)
(あれ、そうですね?てっきり女王様に対して、少しは思うところがあると思ったんですけど…)
「2匹共、何をしているのですか。」
流石に念話で話しすぎていたからか、女王に怪しまれてしまった。
「…さっきまでは女王とウララは険悪な雰囲気だっただろ?今の態度からはそうには思えなかったから、疑問に思ったんだ。」
「険悪な雰囲気…?」
「そんな感じでしたか?」
「え、違うのか?」
「ただミツバチ族の代表である私が、この状況下でスズメバチ族と仲良くしていたら、きっと責められるので話を避けていたんです。」
「私もウララの態度には驚きましたが、すぐに意図を汲んで話さなかっただけですよ。」
「そうだったんだ…」
少し項垂れているナオにレイが話しかけた。
「ナオは気づかなかったのですか?まだまだですね。」
「う…そういうレイちゃんは分かったの?」
「ええ、もちろんです。」
「そうなんだ…はぁぁぁ…」
落ち込んでしまったのか、部屋の隅で動かなくなってしまった。読みが外れていて、尚且つ同僚は気付いていたというのはショックなのだろう。
「さて、気を取り直して、本題に戻りましょう。女王に何があったのですか?」
「実は…」
女王は魔族らしき者に闇魔法をかけられ、病気になってしまったこと。
魔族が化けていた大臣が、ミツバチ族に対して攻撃を仕掛けていたこと。
一部のスズメバチ族の兵士も闇魔法をかけられていたことを話した。
「闇魔法…それに魔族ですか…。魔族だとしたら、目的は何なのでしょうか…」
「魔族については私もあまり知らないので見当もつきませんね…。」
どうやら2匹とも魔族についてはあまり詳しくはなさそうだ。
(ところでイルス、魔族ってどんな種族なのか教えてくれ。前から聞きたかったんだが…)
(魔族…魔族はねー…色んなのがいるよー。)
(それじゃ分からない、もっと具体的に)
(っていうか本当にそうなんだよー、普通の人みたいな見た目もいればー、牛や馬みたいな動物みたいなのもいるからー、一言では表せないんだー。)
(あっ、そうだー。一応、魔族全体に共通することがあってー、魔族はみんな闇魔法を使えるんだー。)
(へぇ、そうなのか。)
「分からないことをずっと考えていても仕方がありません。魔族のことは一旦置いておきましょう。」
「それがいいですね。それではこれからのことについて話しましょうか。」
女王とウララが話し始めるようだ。
「あ、レンさんとイルスさんは退出してもいいですよ。あとは私達で話しますので…」
(どうするー?話し合いも気になるけど、この機会にミツバチ族の国も見てみたいなー。)
(それもそうだな。じゃあ外に行くか。)
「わかった。話し合いが終わったら教えてくれるか?」
「もちろんです。」
そうして外に出た。




