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イセカイノアリ  作者: 月美うどぅん
第二章 アリの巣の外へ
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第25話 女王バチ

女王の側近が使った魔法によって出来た通路を進んでいる。


時々スズメバチ族を見かけるが、魔法によって身体が麻痺していて動かせないようだった。





やがて1つの部屋にたどり着いた。


中に入ると1匹のスズメバチ族が寝ているのが見えた。おそらくあれが女王だろう。


そのスズメバチ族に近づくと、起き上がって反応して来た。



「…何者…です…か…?」



「女王の側近に言われてここに来たんだ。お前は女王で合っているのか?」



「はい…私が女王です……。そうですか…あの子が………うっ………ふぅぅ……」



「大丈夫か?側近からは病気だと聞いたが…」



「それも…聞いた…のですか…。……この病気は………どんどん症状が…酷く…なっています……。近いうちに……私の命は……」



「俺たちは光魔法が使える。その病気を治せるかも知れないから、身体を診せてくれないか?」



「そう…でしたか……!光魔法が…使える方達だったとは……はい…お願い…します……」



診るとは言ったが、実際に診るのはイルスだ。


「イルス、頼んだ。」



「うんー…それじゃあちょっと身体さわるねー」



イルスは女王の身体に触れて、病気を確かめているようだ。













10分ほど経った頃だろうか。


イルスによる診察が終わったようだ。



「どんな病気かわかったよー。でもー…これはー……」

 

「何かまずいものなのか?」



「えっとねー…この病気の原因は……『闇魔法』、なんだよねー………」



「闇…魔法…?それは…あの…『魔族』が使うと…されて…いる…魔法…ですよね…?」



「そうなんだけどー……病気になる前に変なことってあったー?」



「変な…こと……?いえ……そんなに…うっ…あぁ……はぁぁ……なかったと…思いますが…」



「先に治療しちゃった方がいいかもねー。」



「……ありがとう…ございます…」





「それじゃあいくよー、▼▶︎『癒光』ー!」




柔らかな光が女王蜂を包む。するとその光に触れた部分から、黒いもやのような物が出てきた。


地面を蠢いていて少し気持ち悪いと感じた。



「レンー、出て来た闇に『光』を当ててー」



「あ、ああ。▼▶︎『ライト』」



どうやら出てきたもやは闇であるらしい。

イルスに言われた通り光を当てると、闇は跡形もなく消え去った。




「女王さまー調子はどうー?」



「はい、だいぶ楽になりました…さっきまで苦しかったことがまるで嘘のようです…。」


「それで…変だったこと…でしたか?」



「うん、そうだよー。最近変わったことってなかった?」


「そうですね……少し思い出すための時間をください……」


「わかったよー」




気になったことをイルスに念話で聞いてみる。



(この質問にはどういう意味があるんだ?)



(闇魔法をかける方法って色々あってねー。話から犯人が分かるかもしれないんだー。)


(そうなのか…。)



イルスと話していると女王が何か思い出した様子で口を開いた。



「最近会ったことといえば…大臣が変わったことくらいですね…。」


「そうなのー?」


「はい。前の大臣は体調を崩しまして…山の麓の方で療養中なのですよ。」


「ところでその新しい大臣はどこにいるのー?いたら会って見たいんだけどー。」


「わかりました、今確かめますね……女王権限発動、▼▶︎『探査』………巣の中にはいないようですね。」



「これは…怪しいかもねー。他に大臣が変わってから変なことってあったー?」


「大臣が変わってから………あっ…側近から聞いた話ですが、最近、兵達が攻撃的になっていると聞きました。何か関係はあるんでしょうか?」



「なるほどねー…ちょっと会議たいむー」



(きっと黒幕はその大臣で間違いないと思うけどー…レンはどう思うー?)


(大臣が闇魔法を使ったということか……ん?でも確か、闇魔法は魔族が使う魔法だったよな?)


(うん、だからー私達みたいにー魔族がスズメバチ族に『変身』して忍び込んでたんだと思うよー)


(じゃあ女王の病気は魔族の仕業だったということか…)


(そうだねー。女王さまにも話しとくねー)



念話で話すのをやめると、イルスは女王に話しかけた。



「多分、女王様が病気になったのは多分大臣が……」


「ようやく見つけたぞ…!…っ!侵入者め女王様から離れるのだ!▲▶︎『飛針』!」




「うわっ、なになにー?」


「隊長だ…もう動けるようになっていたのか…!」



隊長が部屋に飛び込んできて、攻撃をしてきた。




「女王様、今お助けします!▲▶︎…」


「控えなさい。彼らを攻撃するのは許しません。」


「女王様…?女王様がそのようなことをおっしゃる筈はない!まさか…操られているのか…!くっ今すぐ女王様を解放し…」



「女王権限発動、▼▶︎『気絶』」



「ろ……」




女王が魔法を使うと、隊長は床に落ちて気絶してしまった。



「彼は冷静な性格だったはずなのですが…やはり側近の言う通り攻撃的になっていますね…」



「うーん…やっぱりねー」


「どうしたんだ?」



「近くで見ると闇魔法がかかってたんだー。多分闇魔法が精神に影響を与えていたみたいだねー。」



「そんな…もしや他の兵もそうなのでしょうか…!どうすれば……」



「大丈夫だよー。闇魔法を使っていた大臣はーもうこの巣にはいないみたいだからー、時間が経ったら元に戻ると思うよー。」



「大臣が闇魔法を…そうなのですか?」


「あれ、言ってなかったっけー?」





(いや言おうととした時に隊長が入って来たんだよ。ちょうど女王は聞こえてなかったと思うが…)


(そっかー)




「うん、多分魔族がスズメバチ族に化けて潜り込んでたんだと思うよー。」

 

「そうだったのですか……」













「何はともあれ、これで私達スズメバチ族が救われたことには変わりありません。ありがとうございます…」


「どういたしましてー。」



「……ところで、後日ミツバチ族の国に行って事情を説明しようと思うのですが…あなた方も一緒に来ていただけませんか?。」




(どうするー?ミツバチ族の国に行くのー?)


(一度関わったことは最後まで見届けるべきだと思う。だからついて行こう。)




「…どうしますか?」



「ああ、一緒に行かせてもらうよ。」



「分かりました。………今日はお疲れになられたでしょう。私達の巣にお泊まりになってください。」


「うん、ありがとー。」

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