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イセカイノアリ  作者: 月美うどぅん
第二章 アリの巣の外へ
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第23話 『変身』


「早速変身しようかー」



「変身…って俺は初めてなんだが…」



「…じゃあ使い方を教えるねー。」


「変身は自分が見たことあるものになることができるんだー。今回はスズメバチを思い浮かべながら使ったらいいよー」




ミツバチ族の国に襲撃して来たスズメバチ族を思い浮かべる。


自分達より体が一回り大きく…

黄と黒の模様があって…

そして空を飛ぶための羽が背中に…



「▽◁『変身』!」



変身を使うと全身が光り、その光が消え去った頃には自分が思い浮かべていた通りの、スズメバチ族の姿に変身していた。



「うん、いい感じー。それならどこから見てもスズメバチ族だよー。」



続いてイルスもスズメバチ族の姿に変身した。アリ族の姿の時もそうだが、変身した後も体から光がぼんやりと発せられている。

 


「それじゃあ出発するか。」



「今度は迷わないでねー?」



「ああ大丈夫だ…というか、あの山の上に見えているのが…スズメバチの巣だよな?」



「確かにそうだねーこれなら迷わないねー。」



















山の麓まで来た。 

山の頂上にはその山と変わらない大きさの、スズメバチの巣がある。


とりあえずあそこを目指せばいいのか


そう思い山を登って行こうとしたところで、何者かに声をかけられた。




「お、あんまり見ない顔だな。」




声のした方を見ると、以前ミツバチ族の巣に襲撃して来たスズメバチ族の部下の方がいた。




「遠征か何かだったのか?そうでなかったら国で見るはずなんだが…」



「まあそんな所だ。」


不審に思われないように話を合わせる。



…ここでスズメバチ族のことについて聞けるかもしれない。聞いてみるか。





「しばらく国にいなかったから、いま国がどんな感じなのか知らないんだ。知っていることを教えてくれないか?」



「確かにそうかもな。いいぞ話してやる。…さて何から話そうか…」





スズメバチ族は話し始めた。




ある日、スズメバチ族の女王がはちみつを集めなさいと命令を出した。その命令にしたがってミツバチ族と交渉をしていた。

 

だが、貰えたのは初めの1回だけで、その後は貰うことは出来なかった。


それを聞いたスズメバチ族の女王は、「それなら力づくで奪いなさい。」と言ったらしい。






「この話はつい最近のことだから、当然お前達は知らないよな。」




「何で女王がはちみつを集めさせているんだ?」




「それは俺も正直わかんないけどよ、女王のことだから何か理由はあると思ってるんだが…」






どうやら女王がミツバチ族からはちみつを奪っている理由を知っているらしい。


なら女王に会えば詳しく話を聞けるかもしれない。






「はちみつといえば、今偶然持っているんだが…」



「お、それなら女王の所に一緒に行くか?」



「それは助かる。お願いするよ。」



「それじゃあ早速出発しよう。俺について来てくれ。」

















「ここが女王のいる巣だ。中に入ってからは静かにしていた方がいいぜ。」



「マナーに厳しいのか?」



「まあそんな所だな。(前に俺が騒ぎすぎて怒られたことは黙っておくか…)」



「何か言ったか?」



「いや…何でも…」




その巣は遠くからでも見えていた、山の頂上にある大きな巣だった。


スズメバチ族に連れられて巣の中を進む。



歩いていると多くのスズメバチ族ともすれ違っている。もし、戦闘になったらひとたまりもないだろう。




「隊長じゃないっすか、お疲れ様ですっ!」


  

「ああ、ご苦労……ところで彼らは?」



「遠くで仕事していたみたいです……それと、はちみつを持っていたので、今は女王の場所に向かっています。」



「そうか…」



隊長はこちらを向いてじっと見つめてきた。



「ふむ…?何か…こう……」



「どうしたんですか、隊長?何か気になることでも?」




「…突然だが君たちを『鑑定』してもいいかな?」



「…どうしてだ?」



「質問しているのはこちらだ。もし断るようなら……」






(これは…まずいかもしれない。イルス、逃げる準備をしていてくれ。)



(戦わないのー?)



(この2匹だけなら勝てるかもしれないけど、増援が来たら厳しいと思う。) 



(わかったよー)






「どうした?鑑定させないのか?ならば……」











「…………▼◀︎『共鳴』!」






「それがお前の答えか!敵襲だ、集まれ!」





通路の前後から複数のスズメバチが現れる。





「その魔法…お前はあの時のアリ族か!」


「マジか…全然気づかなかったぜ…。」



「…お前は少し警戒というものを覚えてだな……」


「あーあー!隊長、説教は後でいいですってほら、敵の前ですよ!」



「それもそうだな…▲▶︎『飛針』」




隊長がイルスに向かって針を放つ。



(…!)

(…。)




イルスは転移で逃げた。


共鳴は離れていても思考の共有はできるようだ。


イルスには巣の中の別の場所に転移してもらったり



(…デカいのいけるか?)


(いけるよー)



『▲▶︎『灼光』ー!』





遠くから爆発音が聞こえる。

うまくやっているみたいだ。



イルスにあちこちで暴れてもらいスズメバチ族を陽動する。


その隙に自分が巣から逃げて、後からイルスが転移で逃げてくるという作戦だ。 





「何だ!?……なるほど、転移して行ったお前の仲間だな?」



「……。」



「だがお前はどうする?逃げ場はないぞ!」




ぶっつけ本番だが…今なら出来る気がする。




「▲▶︎…『灼光』!」




光魔法Lv5『灼光』…


イルスと感覚が繋がっているため、使い方がなんとなく分かり思ったよりも簡単に使うことができた。



灼光が発動すると、自分の体から赤い光が広がっていった。その光が壁に触れると爆発と共に辺りが燃え始めた。


しかし魔法がまだ未熟なのか火はすぐに消えてしまった。

それでもスズメバチ族は驚いて隙ができた。今のうちに…!




「逃がすか!」




隊長は一瞬怯みはしたものの、逃げようとした自分を追いかけて来た。


巣の構造はいまいち分かってないが、今はとにかく逃げるしかない。



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