第22話 スズメバチ族
イルスが合流して部下のスズメバチと戦っている。
そして自分は隊長の相手をしているのだが…
「▲▶︎『飛針』、▲▶︎『飛針』」
スズメバチ族の隊長は遠くから針を放ってきている。
針の1本1本のダメージは小さい。だがスズメバチの針と言えば毒があることが予想できる。
スピードが速く、避けることができていない。このままでは危険だと思いながら魔法を使用する。
「▽▷、『光』!」
「ふん、そんな物効かぬ!」
隊長には『光』が通用せず全く隙ができない。
「これで終わりだ、▲▶︎『飛毒針』」
隊長が大きな針を放った。これは避けられない…
「あぶなーい、▽▷『光壁』ー」
イルスが魔法を使うと、光の壁が現れて迫って来ていた針を弾いた。
(ありがとう。だがこのままでは万事急須だ。ここを切り抜けるにはどうしたら…)
(ここは『共鳴』しかないよー)
(『共鳴』…試してみるか。)
そうして頭の中に『共鳴』と思い浮かべながら使用を念じる。
「▼◀︎…『共鳴』!!!」
使った瞬間イルスの考えていることが頭に入って来た。さながら一心同体といったところか。
「「 ▽▷『光』! 」」
そしてなんの合図もなしに同時に『光』を発動する。
2つの光が合わさった強力な光がスズメバチを襲う。
「これは…視界が……」
「ぐわあぁぁ!目がぁ!」
隊長には効き目が薄いようだが、部下には効果抜群のようだ。
目を抑えて地面を転げ回っている。あれではもう戦えないだろう。
「これでは分が悪いか…撤退だ。」
隊長は部下を持ち上げて去ろうとする。
「…イルス!」
「うん、△▷『光球』ー」
イルスがノータイムで光球を放つ。
「っ!△▷『飛針』…!」
隊長は苦し紛れに飛針を放った。だが、針で勢いが弱まったのか、命中してもあまり効いてなさそうだった。
「待て!」
「さらばだ…アリ族よ、次は負けん。」
結局スズメバチ族には逃げられてしまった。
しばらくするとウララが多数のミツバチを引き連れてやって来た。
「大丈夫ですか!?スズメバチ族が現れたと聞いて、急いで来たのですが……」
「イルスと2匹で戦っていたんだが、後少しで というところで逃げられてしまった…」
「そうですか、何はともあれ無事でよかったです…。」
「ところで、スズメバチ族がミツバチ族の国を襲って来ている理由は何なんだ?」
「もともとはスズメバチ族とミツバチ族は仲が良かったのですが…」
「ある日、はちみつを求めて来ました。一度ははちみつ渡しましたが、その後もはちみつを求め続けてきました。。」
「それほど量が取れるわけではなかったので何回かは断ったのですが、いつからか力づくではちみつを奪っていくようになったのです。」
「その時からスズメバチ族はミツバチ族を攫っていくようにもなりました。」
「そうして現状に繋がっているのです……。」
「スズメバチ族を倒そうとは思わないのか?」
「倒すなんて……スズメバチ族は1匹でミツバチ族5匹を越える力を持っています。巣には数十匹ものスズメバチ族がいるので、正直勝ち目はありません……」
「そうか…そのことで何か俺達に手伝えることはあるか?助けになりたいのだが…。」
「いえ、これは私達の問題ですので大丈夫です。お気遣い感謝します。さて、まだまだ夜は長いのでもうお休みになられたほうがよろしいかと…」
「それもそうか……イルス、中に戻ろう。」
「うんー」
翌日…
ウララに話をしに行った。
「国を出ることにする。短い間だったが世話になった。」
「そうですか.....でしたらこちらをお持ちになってください。」
「これは…はちみつか?」
「そうです。初めは食料を求めてこの国に来たのでしょう?少ないですが差し上げましょう。」
「わざわざありがとう。大事に頂くことにする。それじゃあまたな。」
「はい、お気をつけて。」
そうしてミツバチ族の国から出た。
国を出てからミツバチ族について考えた。
助けはいらないとは言っていたが、恐らくミツバチ族は大分困っているだろう。
はちみつの件だけでなく、他にも色々お世話になったので、何かしらの形でこの恩を返したいのだが....
「これからどうするのー?」
確かに、国を出てからのことを考えていなかった。
「何か案はあるか?」
「あるよー」
「…何だ?」
「スズメバチ族の国にいこー」
「まさか乗り込む気か?だが俺たちのことがすでに広められているかもしれないぞ。」
「…それは多分大丈夫だよー」
「どうしてだ?」
「ヒントは今の私の姿かなー」
今の姿…?
アリ族の姿がどうかしたのか…?
いや、待てよ。もともとイルスは天使のような格好をしていた。それがこのアリ族の姿になっている…。そうか。
「『変身』か!」
「せいかーい。そうだよーこれを使ってスズメバチ族に変身したらー…」
「スズメバチ族の国に自然に入れる…!そうと決まればスズメバチ族の国に急ごう!」
「おっけー」




