第19話 のじゃのじゃ
この巣を追放…?
突然のことで言葉も出なかった。
「ちょ、ちょっとぉ、突然何を言うのさぁ。それはあんまりだよぉ。」
「うるさいのじゃ!妾の言うことは絶対である!」
「兵達よ、連れていけ!」
「「「はっ!」」」
すると部屋の中に5匹の兵が入って来た。
体をその兵に押さえられた。そして部屋の外へと引きずられていく。
「くっ、はなせ!」
「問答無用!さっさと連れて行くのじゃ!」
「うーんどうしましょー。ここで助けてもいいんですけどー…」
(助けた方がいいー?)
(いや、いい。今は大人しく追放されることにする。)
(わかったよー)
そうしてそのまま巣の外へと出された。
「ではここまでだ。」
巣から少し離れたところで解放された。
「………………。」
「あの女王様に逆らうのは得策ではない。身の振り方を考えるべきであったな。」
1匹の兵にそう諭される。
「だが、その身1つで放つのはあまりに可哀想だ。そこで、君に数日分の蜜玉と薬草をやろう。」
「また、巣の外には多くの魔物がいて危険だ。そのため、まずはアブラムシ族かチョウ族の所に行くのがいいだろう。」
「どうしてそこまでしてくれるんだ?」
「我らはいわば女王の傀儡…その女王に逆らったのは君が初めてだ。君は大物になる予感がするのだ。」
「そうか…だがおまえはそのままでいいのか…?」
「この巣で生きていくには仕方ないこと…今はもうこの生活に慣れてしまった…」
「っと、少し話しすぎたな、すまない。そろそろここを離れた方が良い。女王に怪しまれる。」
「ああ……あと、さいごにあなたのなまえをききたいのだが…」
「我の名前など覚えておく必要はないが…」
「それでもいい。」
「……そうか。ならば答えよう。我が名はレッカ。誇り高きr………いや、何でもない。」
「…?」
「いいから早くいけ。君に幸運があることを祈っている。」
「ありがとう、そちらも元気で過ごしてくれ。」
そうしてアリの巣を離れる。
去った後にレッカがつぶやいた言葉には全く気づいていなかった。
「君ならば……いつか…………」
アリの巣からだいぶ移動した気がする。
この辺ならアリ達には気づかれないだろう。
(聞こえるか、転生神の使い。)
(聞こえてるよー今行くねー)
目の前に転生神の使いが現れる。
「本当に追放されちゃってよかったのー?」
(ああ、仲間に会えなくなるのは悲しいが…あのまま巣にいたら女王が何をしてくるか分からないからな…)
「それもそうだねー」
(ところで、お前には名前はないのか?いちいち転生神の使いとか、使いって呼ぶのはどうなんだ。)
「私は別にそれでもいいけどねー…でもそっかー…」
「それなら、『イルス』って呼んでほしいなー」
(なにか由来はあるのか?)
「アリ族をまねて、スキル名から名前を考えたんだよー」
「あっ、そうだ。あとこの世界に止まるためのステータスも作ったんだよー。よかったら見てもいいよー?」
(そうなのか、それじゃあ早速……)
鑑定!
Lv27
名前 イルス
種族 天使
・技能
念話 瞬足
・特殊 技能
居留守
・特殊能力
変身 鑑定 飛行 光魔法
・称号(加護)
【転生神の加護(大)】
(『イルス』って『居留守』からかよ!)
「そうだよー。このスキルで転移魔法が使えて、居留守が簡単になるからーぴったりだと思うけどー?」
(そういう問題か…?)
「それ以外はちゃんとしてるから大丈夫だよー」
(ていうか、転生神の加護(大)って、俺の加護とは何か違うのか?)
「いやー?そんなに変わらないよー。しいて言えばー運がよりよくなるぐらいかなー。」
(はっきりしないな…)
「そういえばこの後はどうするのー?」
(ああ、この後はチョウ族の所に行こうと思う。せっかく兵士に教えてもらったからな。)
「おっけーそれじゃあ行こー」




