第17話 のじゃ
ハク先生に転生について話した翌日。
今日は先生の部屋に行って魔法の訓練をするはずだったのだが….
「お主は転生者……いわゆる、珍しい存在なのじゃろう…?…気に入った!お主には特別に、妾に仕えるという名誉を与えるのじゃ!」
ど う し て こ う な っ た
まず朝、目を覚ましてからハク先生の部屋に行くために通路を歩いていた。
すると目の前に見知らぬアリが現れ、こう言った。
「女王様がお呼びです。ご同行願います。」
(これからハク先生の所に行くので後でもいいか?)
「いいえ、なりません。今すぐ来てもらいます。」
そうして半ば強制的に女王の前に連れてこられたのだが…
「ほれほれ、妾は女王なのだぞ?その妾に仕えられることを、幸運に思うが良い!ははは!」
女王は仕えることを勧めて来ていた。
態度は上からで、ふんぞり返りながら話している。
(仕えるって具体的には…どんなことをすればいいんだ?)
「む、妾にそんな口を訊くとは…まあよい。」
「妾に仕える者は妾の世話をするのが仕事じゃ!あと、妾のお願いを何でもうけてもらうぞ!他にも……」
どうやら仕事は他にもありそうだ、
この誘いを受けてしまったら、仲間達との時間が無くなるのではないか。
そう思って質問をしてみた。
(自由な時間はあるのか?)
「そんなものないに決まっておるであろう!妾に四六時中仕えるのじゃ!それで、まさか断らぬよな?」
(それなら断らせてもらう)
「なぬ!?」
(そんな事よりも仲間達との時間を過ごしていたい。)
「そうか…残念じゃが今回は縁がなかったのじゃな。兵よ!連れて来た場所まで返してくるのじゃ!」
「はっ!」
そうして兵に連れられて先ほどいた場所まで戻された。
結局何だったんだ…?
「ふ、ふふ…よもや妾の誘いを断るとはの……どうなるのか教えてやるのじゃ………!」
とりあえずハク先生の所に行き、あった事を話した。
(女王が俺は転生者だという事を知っていたんだが、どういうことだ?)
「ええ!?僕は誰にも言ってないよぉ。」
(でも、確実に俺が転生者であると確信しているようだった…)
「うーん…もしかしたらぁ、昨日の話を女王の兵に聞かれていたのかも知れないねぇ。」
「ところでその事で女王に何か言われたのかなぁ?」
(『妾に仕えるのじゃ!』みたいなことを言ってたな。)
「それで…その誘いは受けたのぉ?」
(いや、断った。)
「ああ…そっかぁ….そっか、断っちゃったのかぁ………。」
(何かまずいのか?)
「この巣には女王アリが何匹かいるんだけどぉ、その自分の事を"妾"って呼んでいるのはかなり面倒くさい性格なんだよねぇ…」
「だから、これから少し気をつけた方がいいよぉ。」
(…そうだったのか。分かった。)
「さて気を取り直してぇ、今日は魔法の訓練をするよぉ。」
「まずは魔法の基礎について説明するねぇ。」
※話はカット
・魔法の種類
技能から発動する魔法と、特殊能力から発動する魔法に分けられる。
ハクの魔法は技能に由来していて、博学多才の効果で全属性の簡単な魔法を使うことが出来ている。
・属性
基本の4種
火、水、風、土
別の属性
毒、光、闇など他にも色々ある。
合成
2属性以上を組み合わせる事で、新たな属性をつくりだすことができる。
例えば、水+風=氷 火+風=雷 などの組み合わせがある。
・詠唱
先生曰く、
「まず、使いたい魔法を頭に思い浮かべるんだぁ。そしたら頭の中にその魔法に対応した文が出てくるから、それを読んだら使えるよぉ。まあやってみないとわからないかなぁ。」
とのこと。
「詠唱をするには声を出すことが必要だから、まずは声を出してみようかぁ。多分もう出せるとは思うけどぉ…」
「……ぅ…ぅあ…あ……」
「その調子だよぉ、頑張ってぇ。」
「う…な、なんと…か……だ…せた……ぞ…」
「そのまま詠唱してみようかぁ。」
光魔法の『光』を試してみよう。
最初に使いたい魔法を思い浮かべる。
光…光……光…………光……………
「▽▷、『光』!」
光が出たと思ったが、すぐに消えてしまった。
「あらら、まあ最初はそんなもんだねぇ。何回か使って行ったら光が強くなっていくと思うよぉ。」
そうして何回か魔法の発動を繰り返していた。
すると突然、頭がふらついて倒れてしまった。
「な…なんだ……?」
「それは魔力切れだねぇ。繰り返し魔法を使うと体に異変が起きるんだよぉ。」
体がだるくて起き上がることができない。
力を入れても身動き一つ取れない。
「今は無理に起きようとせずに寝ていたらぁ?明日からまた頑張ったらいいよぉ。」
そして自分はそのまま眠りに落ちた……




