第15話 訓練2回目…?
翌日、みんなは先生の部屋に集められた。
「昨日言った通り、今日は訓練をするよぉ。前みたいに、また班に分けよっかぁ。」
そうして先生は班分けをした。
1班 ケン セキ
2班 ボウ ギコ
3班 レン
(なんで自分は1匹だけなんだ…)
「その方が都合がいいからだよぉ。」
「今回の教官を紹介しておくよぉ。2匹とも入って来ていいよぉ。」
そうして部屋の中に入って来たのは、蜜玉を運んできていた2匹のアリだった。
「今日はよろしくな!」
「よろしくお願いしますね。」
「そういえばみんなって2匹の名前って知らないよねぇ?」
先生は蜜玉を運んできていた2匹を見ながら言う。
「この機会に教えておこうかぁ。丁寧に話す方が『ヒョウ』で、戦いが強いほうが『イッキ』だよぉ。覚えておこうねぇ。」
「それじゃあ訓練内容を説明するねぇ。」
1班 ケン セキ
教官:イッキ
セキのスキル・蓄積を生かした戦いを練習する。ケンはそのサポートをする。
2班 ボウ ギコ
教官:ヒョウ
精神を鍛える。ボウはすぐに暴れることがないように自制心を強くする、ギコは自信を持って堂々とすることを目標としている。
3班 レン
教官:ハク
ハクから『魔法』について学ぶ。
「早速それぞれの場所に別れようかぁ。レンくんはここでするから、残ってていいよぉ。」
そうして他のみんなはそれぞれの教官に連れられて部屋を出ていった。
「ん〜もう行ったかなぁ?」
先生は部屋の外を確認する。
「それじゃあ始めようかぁ…っと、その前にぃ…」
先生はいつになく真剣そうな雰囲気でこう言った。
「何か隠してることあるんじゃないかなぁ?」
…ん?
「昨日レンくんってチョウから落ちたよねぇ。その時に何かあったんじゃないかと思ったんだよぉ。」
(どうして…誰にも言ってないはずなのに…)
「その反応はやっぱり何かあったんだねぇ。」
(あ……)
「話してくれるかなぁ?」
(待ってくれ、そもそも何故隠してることがあるって思ったんだ?)
「君を"見た"んだよぉ〜君も"見れる"んでしょ?ほらいいよぉ。」
(は…?まさか…)
転生神の使いから教わった方法で"鑑定"を使用する。
真っ直ぐ対象を見つめて、心の中で 発動 と念じると……
Lv58
名前 ハク
種族 虫族(アリ族)
・技能
非力 鈍足
・特殊 技能
博学多才 愉快
・特殊能力
鑑定
・称号(加護)
【虫族の賢者】【虫神の加護】
アビリティの所に『鑑定』がある。これで見られたということか……
「晩成にぃ…鑑定…変身なんかがいきなりあって、すごく驚いたよぉ。それで…どういうことぉ?」
(う…………)
「別に責めているわけじゃないんだぁ。僕はただ、何があったか知りたいだけなんだよぉ。」
「ほら、他の子に隠しておきたいのなら、僕は黙っててあげるからさぁ。」
それなら……いや、でも転生神とかのことを話すのはどうなんだ…?
転生神の使いは、黙っていてほしいって言っていたし…
ていうか今呼んだら返事はあるのか……?
おーい
って返事があるわけないか…
それなら言い訳をどうしようか…
「どうしてもいいたくないみたいだねぇ……はぁ…」
先生は悲しそうに後ろを向いてしまった。
このままでは印象が悪くなってしまう…!
でも…
(呼んだー?)
(うおっ!)
「どうしたのぉ?いきなり声を出してぇ。」
転生神の使いの声が頭の中に聞こえて来た。突然のことだったので,念話で声が漏れてしまった。
(いや、なんでもない)
(何か困ってる感じー?)
(ああ、実は先生が『鑑定』を持っていたみたいで、増えたスキルを見られてしまったんだ。)
(それでー?)
(それで…あの森の出来事を、先生に話すよう言われたんだが、どのくらい話していいかわからなくて困ってるんだ。)
(ふーん、そういうことなら、今からそっちに行くねー)
(え?今から?)
「本当に何もないのぉ?だいじょうぶぅ?」
使いと会話をしていたら、先生が不審に思ったのか、また話しかけて来た。
(ああ…いや、その…)
「来たよー。」
先生と自分の間に、転生神の使いが突然現れた。
「えぇ、なになにぃ?」
先生はとても驚いている。
「転生神の使いですー。よろしくねー……って先生って呼べばいいのー?」
「まあ別にいいけどぉ…」
先生が押されている…!これは珍しいものを見たかもしれない。
「それでそのーなんだっけ。そうそうこっちのアリくんは何でいきなりスキルが増えたのかって話だっけー?」
「えっとねーちょっと話せば長くなるんだけどー……」
転生神の使いは、ファイアドッグのこと、レンが別の世界から転生してきたこと、スキルなど能力をあげたことなどを先生に話した。
(そんなに話して大丈夫なのか?)
(大丈夫だよー。一応上司から許可はもらってるしー、君1人で隠し通すのには限界があるからー仕方ないと思うよー。)
先生は話を聞くと黙り込んでしまった。
(先生何も言わないぞ?本当に良かったのか?)
(うーん、もしかしたらちょっと衝撃が強すぎたのかなー?どうしよー。)
(どうしよー、じゃない!どうしてくれるんだ。)
しばらく経ってから、先生は口を開いた。
「はぁ……ちょっと1人で考えたいからぁ、今日はこれで終わりで良いかなぁ?ごめんねぇ。」
(ああ、わかった。)
そうして先生の部屋を出た。




